OSCAR PETERSON「SOMETHING WARM」
収録曲
1-1. THERE IS NO GREATER LOVE
1-2. I REMEMBER CLIFFORD
1-3. AUTUMN LEAVES
2-1. BLUES FOR BIG SCOTIA
2-2. SWAMP FIRE
2-3. I LOVE YOU
1枚目は悩んだ挙句、ジャケットが夕日にも朝日にも見えるこのレコードにした。
この書き汚しが少しでも日の目を見ますように、と願いを込めて、である。
私はこの太陽を朝日であると思う事にした。
オスカー・ピーターソンは全然知らない。
これまで一度も耳にした事がない名前だ。
覚えられそうもないから、「オスカー像を持ったピーターパン」と記憶しよう。
ほら、オスカーの授賞式でピーターパンがティンカーベルに向けてスピーチしてる。
タイガーリリーにもスピーチしてるよ。
あっ、スピーチされた順番でティンカーベルとタイガーリリーがもめているよ。
なんてことはさておき。
このレコードの全曲で共通して感じたのは、軽快なピアノ音が「はなさかじいさん」の如く私の心に花を咲かせ、尚且つティンカーベルの輝く鱗粉までも撒いている絵だ。
絵画で例えるならば、ジョアン・ミロのような自由と夢と魔法がある。花びらはシンバルを叩く。
中でも『I REMEMBER CLIFFORD』は私に強烈な魔法をかけていった。
2部構成となっており(多分)、前半と後半では全く違う曲なのかと思った。
懐かしむような、偲ぶような、切ないメロディーから徐々にアップテンポへと移行し、後半はまるでピアノが早口で思い出を話しその感情が波になって私に押し寄せてくるようだ。
かと思ったら、波はサッと引いてゆく。
最後には出だしと同じか、それよりももっとセンチメンタルな感情だけを置いていなくなる。
さっきまで時折り叫んでいた音も残さずに。
感情は雄弁なのだと教えてくれるような1曲だった。
迂闊にも目頭が熱くなった。
オスカー・ピーターソンを調べたら、2024年2月に映画を公開していたらしい。
「あらまあ!2月にやってたんかいな!」と思いつつ再上映はないものかと更に調べると、本厚木の映画館で6月14日〜20日でやるそうな。
ありがたいタイミングですね〜。
ナイスですね〜。
iTunesにて『I REMEMBER CLIFFORD』は聴けるものの、このオスカー・ピーターソンのはありませんでした。
あのアップテンポからのしっとりが堪らなく泣いちゃっていいんだよなあ〜。
お風呂で聴きたいよなぁ〜。