『言語学クエスト:ことばの世界をめぐる冒険』⑩

 引き続きタネ本は、ことラボ りょ(2024)『言語学クエスト -ことばの世界をめぐる冒険- 』です。今回はChapter1「音の草原」、【RとLの区別はなぜ難しい?】からのメモです。

(1)うっかり間違えたら大変(p.33)

 という見出しにあげられていたのは、以下の3つ。
①フレンチフライ / French Fly(フランスのハエ)
②カレーライス / Curry Lice(カレーシラミ)
③フレッシュジュース / Flesh Juice(肉ジュース)

でもまぁ、FlyとFryとか、RiceとLiceとか、FreshとFleshの発音上の間違いなんかを「え!ハエ/シラミを食べるの!?」なんて聞こうもんなら、どう考えても食べると思っている側の認識が誤っている思いませんか('Д')。

(2)RとLの発音は似ている?(pp.33-34)

 そもそも「RとLは音声的に似ている」そうです。
〇Rの音:巻き舌とも言うが、正確には「盛り舌」と言うべき状態
・舌の後ろ側を持ち上げて、下の両サイドで上顎の奥歯の内側に触れる
・そうすると、こもったような、うなっているようなRの音が出る

〇Lの音:舌を細くして先端を前歯の裏に当てながら声を出す
・舌の両サイドに隙間ができるので、その間を声が通っていく

例えば、子音k,p,tは空気の通り道を完全に塞ぎ、a,i,uは空気が全く滞りなく出続けます。一方で、RとLには「舌を使って声の通り道を部分的にふさいで声を出す」という共通点があり、流音と呼ばれます。

英語の流音はRとLの2つがありますが、日本語にはラ行の1種類しかありません。そのため、日本語ネイティブにとってRとLという2種類の流音を区別するのは難しいわけです。

 そして何より、流音への耐性が違うんだから、お互いに理解して「あぁ、英語ではRとL区別するんだっけな。ちょい、意識してみるか」-「そういや日本語では流音はラ行だけなんだっけ。そういうパターンもあるか」と、歩み寄りながらコミュニケーションを図れればいいんじゃないかなぁと思います。だからこそ、英語を学ぶ側は「日本語では区別しねぇから、しゃーねぇじゃん!」ではなく、できる限りRとLの区別も意識しながら発音の学習も楽しみたいです☺。

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