君を探して
君を探し歩いてから
もう何年経ったのだろう
足は擦り切れ
薔薇で傷付いたこの体は
もう歩く事すら
出来ないでいる
僕はふっと力が抜け
この湖面の岸辺に
へたり込んだ
目の前に映る
湖面を眺めながら
考えてみた
きっと僕は
君を探しているのではなく
僕の失ってしまった
心の隙間を埋める何かを
探しているのだと
そう僕はもう1人の
自分をずっと探し続けているのだ
探しても探しても
君は居なくて
そしてもう1人の僕も
コインの表裏のように
実はすぐ近くにいて
それは背中合わせで
いつまでたっても
会う事のない
もう1人の自分なのかも
そんな事を
今
湖面の岸辺で
考えている
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