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「分断を超えて」〜バイクとラジオで橋を架ける〜
最初の分断「被災者」と「非被災者」
2011年。東日本大震災。
あの日、一瞬にして多くの命が奪われたとともに、「分断」が生まれました。
「被災者」と「非被災者」。
全国の「非被災者」が「被災者」に祈りを向ける動きが生まれ、その姿は時には「日本人の美しき国民性」として語られることも多かったでしょう。
そんな中、どちらにも属せなくて、泣くことを「自粛」した人がいることを、想像できますか。
私は当時、北海道札幌市に住む男子中学生でした。
札幌はせいぜい震度2〜3の揺れがあった程度だったけど、宮城県にある祖父母の住む町は津波で壊滅し、祖父母の家は完全に「流出」しました。
「祖父母は助かったけど、祖父母の家は消えてなくなった」
「被災者じゃないけど、震災が辛い」
幼い頃から家や街といった「ハコモノ」に思い入れをもつタイプの子供であった私に取って、慣れ親しんだ祖父母の住む町が津波で破壊し尽くされる経験は、十分過ぎるほどに心を抉る体験でした。
でも、テレビをつければ連日のように増える死者の数、家族を亡くして泣き崩れる被災者の姿。
とてもじゃないけど、直接津波も見ていない自分が「同じ被災者ですよ」と肩を並べることはできなかったし、自分が悲しんだりするのは「不謹慎」ですらあるのではないか?
だから、私は泣くことを自粛しました。
第二の分断「異性愛」と「同性愛」
被災者じゃないけど、完全な非被災者でもない。
そんな中途半端なポジションを持ってしまった私は、高校生になりました。
いわゆる「多感な年頃」であるこの頃、私はあることに気づきました。
同じ部活の「同性の」友達のことを、知らぬ間に好きになっていたのです。
中学生の時は「異性」を好きになった。でも高校生の今、「同性」を好きになった。
「異性愛者」でもなければ「同性愛者」でもない自分。
あれ?この感じ、なんだか既視感があるな。。。
そうです、「被災者じゃないけど、非被災者でもない自分」の時の構図と重なったのです。
この時、私は気づきました。
世の中は、無数の「分断」に溢れている。
そしてうまく「分断」で分けることのできなかったところに、肩身の狭い思いをしている人が沢山いる。
そして、被災地と非被災地が地理的に地続きなように、セクシャリティも、いや、世の中の全てのことが「地続き」(=グラデーション)であり、そこには無数の「生きた声」が転がっていること。
分断を超えて~5点ラジオとの出会い~
「分断を超えたい」。
大学生になり、私はバイクの免許を取りました。
目的は、カッコよく言えば「地続きを見るため」「分断を越えるため」。
具体的には、バイクに乗って東北に何度も行きました。
どこまでが非被災地で、どこからが被災地なのか。
分断はどこで起きているのか。
飛行機や新幹線でスキップするのではなく、バイクでその土地の風を全身で受けることで、「分断」の存在を確かめたい。
「非被災地の日常」と「被災地の日常」の接点に触れたい。
そして接点に触れて感じたことを発信することで、分断を取り払いたいー「橋を架けたい」ー。
そんな思いが芽生え、震災、LGBTをはじめとして、様々な「分断」をテーマに興味を持ってきました。
そしてそれから数年後、同じ「橋を架けたい」という気持ちで、LGBTに関するコンテンツを探していた時に出会ったのが、
「ゲイと女の5点ラジオ」。
このラジオでは、ゲイのしょうちゃんと、女のヴァジャさんが、「私たちって雑誌のコンテンツの対象にされてないよね」という共通項をもとに、面白おかしくトークを展開します。
まさに私が「分断」と定義していた、そこの狭間にあった無数の「生きた声」が焦点のこの番組。
聞けば聞くほどに、お便りを送ってくるリスナー層の厚さから、
「こんなところにも「分断」で苦しんでいた人がいたんだ」
という、新鮮な発見を与え続けてくれる番組でした。
「橋を架ける」
このnoteでは、そんな5点ラジオを起点として、「分断」「地続き」「グラデーション」といったことを題材として、自分の色んな考えを発信して、多くの「分断」に「橋を架ける」ーそんな願いを込めて、様々なことを記録していくものです。
東日本大震災について
LGBTについて
地方/都会について
旅について
家族について
とっ散らかった投稿になるかもしれませんし、長く続くかもわかりません。
でも、世に渡る無数の分断に橋を架けたい。その想いは一貫させていく所存です。
拙い文章になるかもしれませんが、読んでいただけると嬉しいです。