見出し画像

#2 右胸のしこりに気がついた朝そして生検

少し遡ってしこりに気がついた日
当日の夜
うっすいハイボールを飲みながら
メモにひとりごとを残したんだった

20241023
朝ベッドのなかで目が覚める
変な夢を見たような気がする
授乳前に胸の奥がツンとする
懐かしいこの感じ
とぼーっと考えていると
アラームが鳴った
背中側に夫の気配
目を開けると二人の娘たちの頭が見える
夫と次女はもう目が覚めている気配
長女は起立性調節障害のせいか朝は苦手
私も苦手

あー二度寝したいな
起きたくない
でももう限界の時間
起きなくちゃとぐだぐだしていると
胸の辺りがなんか痒いような気がする
と思い軽く掻いた
ん?
なんかある
右を下にして寝ている私
右胸の乳首の内側に何かある
皮膚の下
2センチくらいの大きさのなにかに触れる
上を向いてもう一度触る
ある
左胸に同じものがあるのか確認
ない
右胸を確認
やっぱりある
あーやってしまった
今年の乳がん検診を先延ばしにしてきたんだった
自己検診もこの夏はした記憶がない
最後に確認したのはいつだったか
さっきの夢なのかなんなのか
授乳前のツンとした感じ
今にも母乳がでてきそうな感じ
あれはなんだったのか
夢?症状?

とにかく
今日症状有りですぐ診察してもらおう
当日で空いてるクリニックあるのだろうか
今予約しよう
6:25のアラームが鳴る
限界の時間
でも予約が先
今日午前中に予約がとれる乳腺外科クリニック
ラッキー
あった!
次女の登校付き添いや長女のオンラインスクールの予定など確認して間に合う時間予約をとる

さあ起きて朝ごはんをつくらないと
最近寝ても寝ても眠い
昼間ソファに座るとすぐにうたたねをしてしまう
なんだか身体がだるい 
もしかしてこれも乳がんのせいか
などと考えつつお味噌汁をつくる

まだ寝室から出てこない夫に声をかける
診察に行くことはまだ話さなくてよいか
最近仕事が忙しそうだ
結果もわからないことを伝えても
心配事を増やすだけだ
彼には気持ちよく仕事をしてもらいたい
心配して仕事や運転に支障が出ては困る

続けて次女が起きてくる
可愛い
白い猫耳と猫のしっぽをつけている
ハロウィンが近いからね
長女はなかなか起きてこない
夫が声をかけているが難しい様子
私も身支度をしながら二度ほど寝室に迎えに行く
丸まっている可愛い
声をかけるとなんとか伸びをして起きようとしている

やっとなんとか登校準備完了
娘二人と土砂降りの雨のなか登校した
三人で派手なポンチョを被って歩くのもあと何回だろうと考えたり
次女を教室へ送り
長女を実家へ預け
さぁクリニックへ

カフェのような雰囲気のクリニック
受付の人も良い感じ
診察着に着替えて
診察室で医師に会う
しこりが?
はい、右胸のここにしこりが
皮膚も少しおかしくて痒みもあって皮膚科かとも考えたのですが
と思ってもないことを口にしてしまう
いつ気がつきました?
今朝
え?今朝?
いや少し前からかな
とまたもや意味のない嘘を口にしてしまう
変な癖

触診をしてすぐに
マンモグラフィーとエコーをしましょうね
先にマンモグラフィー
(痛くない、流れもスムーズ、めっちゃ上手い)
診察室に呼ばれて画像を見る
あー確かにしこりが見えますねと
続いて医師がエコーをする
2センチくらいのしこりですね
しこりがつるんとしたものは良性であることが多いです
でもこのしこりは縁がギザギザというかでこぼこしていますね
こういうものは悪性のことが多いと一般的には言われています
生検をして良性が悪性かを調べましょう
今日お時間があればこのあと少しお待ちいただくことになりますが
今日検査できますよ
どうしますか
(セイケンってなんだ?なんか詳しい検査よね、説明を聞くと怖くなりそうだからやめておこう、たぶん必須の検査だろうから早い方が良い、お願いしよう)
お願いします

カフェのような待合室で
レモンティーを飲みながら待つ
レモンティー?何年ぶり?
動揺してるんだね私
普通はここで乳がんや生検について調べるのだろう
私は何をしていたかと言うと
noteでFIRE生活を得たという若者の記事を読んでいた
それも500円も課金して
夫と娘たちのために不労所得をマジで作らないといけないと急に焦ったのだ
または現実逃避か

あっという間に30分ほど経ち
生検の時間
診察室で横になり右腕を上げる
医師がエコーで見ながら
痛いですよーと言いながら麻酔を打つ
大したことはなかった
歯科麻酔のときよりはマシ
そして
大きな音が鳴りますよと知らせてくれた
直後にバチン!
これは想像以上に大きな音で
痛みよりも音にビビった
3回バチンとやった
痛みはない
麻酔のときから天井をぼーっと見ていた
(脱力ー息を吐くー)
と脳内ひとりごとをずっと繰り返していた
注射ですら見ることができない怖がりなのだ
バチンのときも画像は見なかった
止血のために看護師がおさえてくれる
(めっちゃ痛い)
いたたたた!
ごめんなさいねー
3回繰り返して終わり

検査着を整えて
医師から話がある
結果は2週間後です
もし癌なら大きな病院へ
そうでなければ経過観察をこのクリニックで行なっていきます
と超シンプル
いいね、この感じ
どちらかと言うと?
癌の可能性が大きい
というような返事だった

何故もっと早く気がつかなかったのか
何故もっと早く検診を受けなかったのか
という自己嫌悪で吐きそうな私を
淡々と扱ってくれる
おかげで平常心を保つことができた

さぁ長女をお迎えに行かないと
車中で一瞬涙が出てきた
泣いてる場合じゃない
癌なら早く治療しなくては
夫にはいつ話そうか
今日の検査結果を聞かないことにはね
癌だと確定してから話そう
子どもたちへの説明はどうしようか
手術?入院?治療?どの段階で?
次女の登校付き添いはどうしようか
長女の昼間の生活はどうしようか
父と母にはどう伝えようか
手術入院するなら10日くらいか
できれば本当のことは話したくないが
子どもたちの世話を頼まなくては成立しないから
話すしかないか
めんどくさいな
心配されたり根掘り葉掘り聞かれるのが嫌なのだ

お稽古事など終わりやっと帰宅
今日はお母さんとお風呂にはいりたいなー
と次女
私、動揺
あーごめんねお母さん今からご飯つくらないといけないのよね
ドライヤーしてあげるからさ
と言うとはーいと素直
まだ一緒にはいってあげたい
最近一人でできるからと入らせてしまっていた
あと何回一緒に入れるのか
そしてドライヤー中何度も私の胸のあたりに口を近づけてチューチュー吸う真似をする笑
これまでにも時々あったことだが
今夜はやめてくれ
泣きそう

長女まで
最近一緒にはいってくれないよね
なんで?今日は一緒にはいろうよーと
今夜は難しいな
時間がおしてるからさと返したが
不満げな顔

あーあーあーなんで検診しなかったのか
なんでもっと早く気がつかなかったのか
自分をぶん殴りたい
後悔しかない
最後の検診いつだっけ
去年の春かな
少し前まで、半年か、一年か
割とこまめに自己検診をしていたのに
いつからしなくなったのか
それでも毎日お風呂で体を洗っていたのだから
毎晩クリームを塗っていたのだから
気がついても良さそうなものなのに
お湯に浸かってるとき
胸の辺りにできたホクロのようなものが気になって触ったり
お腹周りが太って気になるぜい肉を触ったり
なのになんで胸のしこり探しをしなかったのか

はぁー自己嫌悪しかない
生きてきたなかで今が一番自分を許せない

一年前の自分に教えたい
お風呂に入ったらお腹のぜい肉を摘んでる場合じゃない
胸のしこりを探すのだ!
しこりがあるかないか確認するんじゃないの
しこりを探すの!

右胸の下の方、生検を刺したところに小さな穴
しこり付近に青っぽいアザ
今夜はやっぱり子どもたちと一緒にお風呂に入らなくて正解
あざが消えたら一緒に入ろう
(このあと紫色になり、黄色になり、3週間経ってもまだほんのり残ってる)

寝かしつけが終わって洗濯を干す
右腕を上げたら胸がズキンと痛む
あーもし手術したらこんなもんではないんだろうなと考える
夫は会食でいない夜
ひとりで夕食
うっすいうっすいハイボール
乳がん確定したらお酒やめるのかな私
お仏壇近くの写真の中
夫の父親と目があった
あー報告が遅れました
私乳がんかもしれません
夫でなくてよかった
娘たちでなくてよかった
私でよかった
本当に私でよかった
夫の健康管理厳しくします
おやすみなさい

朝6:30に予約をとり11:30には乳がんの可能性大!
モヤモヤ心配する時間が少なくて最高
しこりに気がついて5時間後にすっきりできるなんて私は運が良いのだ
治療したい一日も早く始めたい

いいなと思ったら応援しよう!