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『14歳の栞』のおはなし

去年の4月、友人に誘われて観た1本の映画。
池袋のシネマ・ロサに初めて入った。
なんだか古くて、懐かしい頃にタイムスリップしたような感覚だった。今考えたら、あの劇場でみたこと自体にもきっと意味があったんじゃないかとか思ってしまう。

シネマロサで経験した120分間のタイムスリップのおはなし

...なぜだか久しぶりに見たくなって検索してたら
なんと再上映されてたみたい。見たかった!!


別にごく普通の中学生の、ごく普通な日常を切り取っただけの映画。
でも、ごく普通の感想は持てなかった映画。
なにか特別なものを、卒業アルバムにも載らないけど、ものすごく貴重なものを見せてもらった。

別に自分の話じゃないけど懐かしくて、あたたかい気持ちになれた。

映画を見る前、私はこのクラスが特別で、なにか普通じゃないことを成し遂げた生徒たちを追ったドキュメンタリーだと勝手に思っていた。

でも実際は、ただただ卒業アルバムにちょっとしか載らない部分を映像化したみたいなもので、起承転結も特にない平坦なものだった。でもそれがいい。素敵な120分。

早く大人になりたかった

学生の頃なんて学校がすべてで、学校にいること自体当たり前で平凡すぎた。
その当たり前が当たり前じゃなくなるのもあと数年。だけど中学生の頃はそんなことミリも気づかなかったし、学生時代が惜しいとも思わなかった。とにかく早く大人になりたかった。

(大学3年になった今、学生時代が惜しくて惜しくてたまりませんけど。)

14歳の栞 予告より

この女の子と同じ。早く大人になりたい理由。

今の仲間と離れられるから

とにかく早く大人になって、誰も自分のことを知らない場所で新しい自分の人生を始めたかった。新しい自分のキャラを探したかった。

この女の子の言葉を聞いて、まるで自分を見てるかのようだった。

友達?知り合い?仲間?
14歳の栞 予告より

不登校のクラスメイトに向けた言葉だった。

中学3年の時、私の友人も不登校になった。
私も1度小学生の時不登校になったことはあったけど、理由が完全に赤ちゃんだから、中3の不登校にはどう向き合うべきか分からなかった。
これはただの自己満だけど、昼休みに友達のところにいくことだけはやめなかった。迷惑だったのかもしれないけど、教室にはこれなくても楽しいって思ってもらいたかったんだよね。

写真撮影には来て欲しい。

結構使う言葉だけど、これって誰のための言葉なんだろうとふと考えたことがあった。
不登校のクラスメイトにとって、クラスの人と撮る集合写真に価値はあるのか。
正直未だに分からない。

不登校の子にとって、学校のクラスのみんなは
友達?知り合い?仲間?…それとも他人?

答えはきっとそれぞれだけど、その子の答えにあったやり方で接していかないと、きっとあの言葉は自己満にしかならないんだろうなと思う。

『14歳の栞』は、サブ卒業アルバム的存在

卒業アルバムやらDVDやら、思い出が詰まったものを見るのが好きな私だからこその感想、考えかもしれない。卒業アルバムに写ってる修学旅行とか体育祭とか大きなイベントはもちろん楽しかったけど、それよりも毎日登校した教室の中で起こった何気ない日常がいちばんの思い出になってる気がするから。

クラスメイト全員が同じ考えを持っていないからこそ出来た凸凹のアルバム。
凸凹だから、多くの大人に刺さったんだと思う。

映画を見た時から何度も思ってたけど、

みてよかった。

またこんな映画に出会ってみたい。 

※見出し画像引用元:14歳の栞公式サイト

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