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モンハンに学ぶ、ビジネスにも通ずる「快適さの追求」とは
Nintendo Switchにて発売されている「モンスターハンターライズ」を購入しました。
僕は普段ゲームをあまりやりません。モンハンシリーズも2013年発売のモンスターハンター4以来の購入です。
最新作「モンスターハンターライズ サンブレイク」という拡張コンテンツが発売されましたが、なんとなく「最新のモンハンってどんな感じなんだろう」とふと思い立ち、購入してみました。
(それと同じ理由で昔、ポケットモンスターソードを購入しています。
ポケモンは、ゲームボーイの初代以来!カメックス最高)
さて、本題に入りますが、本noteは久しぶりにモンハンシリーズをプレイし、その進化に感動すると同時に、色々と考えさせられた、というお話です。
モンスターハンターシリーズをプレイしたことのない方にもわかるように書いていきたいと思います。未プレイの方も是非読んでみてください。
(むしろシリーズが好きな方には当たり前のことしか書いていないと思いますが、、)
モンスターハンターとは
モンスターハンターとは、カプコンより発売されているハンティングアクションゲームです。
主人公が武器や防具などを装備し、様々なフィールドに生息している大型のモンスターを狩ることが最大の目的です。
倒したモンスターからは「素材」を剥ぎ取ることが出来、それを材料として新たな武器・防具を作ることが出来ます。
それを繰り返すことで、さらに強いモンスターの討伐を目指していく、というゲームシステムとなっています。
主人公の武器や防具も多種多様で、自身のプレイスタイルや、対峙するモンスターによっても向き・不向きがあり、状況に応じた攻略が必要になってきます。そこがシリーズの面白さの一つとなっており、繰り返し「クエスト」と呼ばれるモンスター討伐にいきたくなる仕組み作りがされています。
シリーズの進化に見る「快適さ」に感動した
さて、ここから、本題の「快適さ」について書いていこうと思います。冒頭にも書いたように、2013年発売の「モンスターハンター4」以来のシリーズの購入、最新作の「ライズ」まで実に9年の月日が経過しています。
もうとにかくゲームシステムの進化がすごい。
購入前は「新しいモンスターが増えただけでしょう」くらいに「ナメて」いましたが、思いっきり裏切られました。
何が快適になったのか、プレイしたことのない人でもわかるように具体的にいくつか抜粋して書いていきます。
【フィールドの移動】
モンスターが生息するフィールドは実に広大で、フィールドの移動に時間がかかります。
プレイヤーには「スタミナ」という概念があり、フィールドを移動しているだけでスタミナが削られていきます。減ったスタミナを回復するにはお肉などの食料アイテムを使用して回復するのが基本手段となります。
とてもリアルですよね。
最新作「モンハンライズ」では「オトモガルク」という犬のようなキャラクターを狩りに同行させ、その背中に乗って高速で移動できるようになりました。スタミナの概念もありません。
人間である主人公がヘロヘロになりながら走っていたのに比べ、約3倍ほどのスピードでしょうか。
【ピッケル 釣り竿 虫あみの廃止】
主人公が狩りを行う舞台となるフィールドには「鉱脈」「水場」「草むら」などのスポットが点在しており、様々なアイテムを採取することが出来ます。過去シリーズではその際に固有のアイテムが必要でした。
・鉱脈→ピッケルを使用して鉱石を採取
・水場→釣り竿を使用して魚を釣る
・草むら→虫あみで昆虫を採集
この採取用のアイテムもリアルに出来ていて、
何度か使用すると壊れてしまううえに、
容量が決まっている自身の「アイテムポーチ」に道具として入れておかなければなりません。
この採取アイテムがライズでは廃止となりました。
鉱脈などの要素自体は残っていますが、採取のためにアイテムは必要ありません。そのスポットに行けば、採取が出来ます。
採取そのものにかかる時間も短縮されています。
【モンスターを見失わない】
以前までのシリーズでは、狩猟の目的となる大型モンスターを見失わないようにするために「ペイントボール」というアイテムが必要でした。
モンスターは広大なフィールドを移動しており、さらに戦闘が始まっても頻繁にエリア移動を繰り返します。
モンスターが逃げてしまうと、せっかく弱らせたのに、睡眠や食事をされて体力を回復されてしまうため、すぐにでも追いかけなければなりません。
そこで、モンスターが移動してもプレイヤーから居場所がわかるように「ペイントボール」というアイテムを使用してモンスターにマーキングを行います。こうすることで地図上に常にモンスターの位置が表示されている状態になり、プレイヤーは迷わずモンスターを追いかけることが出来たのです。こうすることが過去のシリーズでは当たり前でした。
それが今作では常にモンスターの位置はプレイヤーに分かる状態になっており、見失うことはありません。
【テント内でアイテムの入れ替えが可能】
プレイヤーは生活拠点となる「村」の住人から様々なモンスターの討伐依頼を受け「クエスト」と呼ばれる狩猟ミッションに挑戦することとなります。
モンスターは火山・雪山・森林・砂漠など様々なフィールドに生息しており、プレイヤーはそのフィールドの初期位置にベースキャンプとして「テント」を張っています。
そこでは仮眠を取ることで体力を回復したり、食事をしたりと、まさしく「キャンプ」ができるようになっています。
そのテント内で今作では、アイテムの入れ替えができるようになっています。
過去のシリーズでは、「クエストに出かける前に、持参するアイテムを選定する」ことが必要であり、一旦クエストに出発してしまうと、忘れ物があっても取りに戻ることはできませんでした。
このあたりも非常にリアルですよね。
「しっかりと準備してから遠く離れたフィールドに討伐に向かう」というシチュエーションがイメージ出来、ワクワクしますよね。
過去のシリーズでは「あー!お肉忘れたー!」などの悲痛な叫びが飛び交うのが「あるある」でした、、。
何に感動し、何を考えさせられたのか
ここまでいくつか例を上げて、シリーズのシステムについての進化を書いてきました。
ここに抜粋した項目は一言で言うなら「快適になった」という結論になるのですが、感動したのは「メリット・デメリットが有る中で、結果として正解にたどり着いている」ということを感じたからです。
先の項目でいうのであれば、
・オトモガルクでの快適な移動→広大なフィールドを主人公が走る、スタミナが減っていくというリアルさがなくなっている
・ピッケルや釣り竿、虫かごの廃止→ライズではスポットにたどり着くと、いきなりプレイヤーがピッケルで鉱脈を彫り始めます笑
どこからピッケル出したんや!
・モンスターを見失わない→どうやってモンスター見てるん?
・テントでのアイテム交換→え、テントの中、四次元空間ですか?
など、細かいツッコミどころが結構出てくるのですが、
それを一つ一つ「リアルさ」に傾倒していたのが過去のモンハンシリーズだったと思うのです。
でも、ライズをやってみたら、意識変わりました。
もう昔のシリーズは出来ません。それくらい快適になっているのです。
快適さと引き換えに、リアルさを犠牲にしているとも捉えられるこの仕様変更ですが、今作モンハンライズでは見事に「結果オーライ!快適!」と感じさせられるところに制作陣のユーザーファーストである意識の高さを感じました。
(まあ、一部では快適になりすぎたがゆえに「初心者向け」との評価もあるようですが、それとこれとはまた別のお話ということで…)
そしてこれが一番の感想になるのですが…
「快適になったからこそ気づいた、過去の不便さ」
本当にこれに尽きます。
そしてこれがビジネスでも通ずる考えだと思ったわけです。
そもそもビジネスに於いて100:0での正解・不正解や善・悪なんてほとんどないですよね。
(100:0のものでも答えがわからないようであれば単純にビジネス戦闘力が低すぎます笑)
だいたいのものにメリット・デメリット、強み・弱みがある。
その中で正解を見つけていける力がビジネスマンには必要だなと思ったのです。
特にモンハンの例では、前述の項目は「過去のシリーズでは当たり前だった」ものばかりです。
ユーザーもそれが当たり前だと思っていて、あまりストレスに感じていなかったのではないでしょうか。
でも快適になってみたら気づいた。
「あ、あれって時間の無駄だったな、実はストレスだったな」と。
実は「ストレスに感じていないストレス」ってたくさんあるのではないかと思ったわけです。
カプコンの制作陣は何を思って仕様変更したのでしょうか。
完全に推測ですが「ゲームの本質を考える」「ユーザーファースト」
この二点だったのではないでしょうか。
モンスターハンターにおいてゲームシステムや目的の根幹は「モンスターの討伐」でしょう。そこに面白さのピークが来るようにしているはず。
前述の改善されたポイントはそういう観点からすると「本質」の部分ではなかった。
ゲームの本質の部分以外でストレスになる部分は徹底的に排除しようとしたのが今作ではないでしょうか。
この「本質の部分以外で」というのがすごく大事で、本質の部分を変えてしまうとそれはもはや別物。
誤解を恐れずに言うと、モンスターを狩猟するという行為、これ、結構ストレスなんですよ笑
初めて対峙するモンスターなんて、どんな攻撃を仕掛けてくるか予測不可能、何回も倒されながら、何度も挑戦してやっとモンスターを討伐出来ます。
これがストレスを超えて苦痛と感じる人はモンハンのゲームそのものが向かない人でしょう。
でも逆にどうでしょう。
「モンスターと対峙したらボタンをポチッと押すだけでモンスターを一撃で倒せる」仕様だったら、、、。
それは快適でしょうか。
拍子抜けも良いところですよね。
この「自身の装備を強化し、さらに強大なモンスターに挑む」という部分においては、快適というよりもむしろさらに難しくなっている気すらします。
なんども言いますがモンスターの狩猟という行為はモンスターハンターというゲームの根幹であり目標・目的です。
ここに関しては、シリーズをずっとプレイしてきたユーザーでも満足できるようなやりごたえのあるプレイ感になっているはず。
そしてそれ以外の要素においてはユーザーファーストによる徹底的な快適さの追求。
2004年に第一作のモンスターハンターが発売されてから、
たくさんのユーザーの声も聞きながらここまで進化してきたのでしょう。
露呈している問題点に取り組むことは出来ていても、
「まだ問題点だと感じられていない、隠れたストレス」
を発見することはどれだけの人ができるでしょうか。
当たり前のことを見直し、本質を深堀りすることの大切さ、
それを感じることが出来たモンハンライズでした。
いろいろなところにヒントは隠れているものですね。
ではまた!