2020年(令和2年)度静岡県第3学年第1回学力調査テストの範囲が大幅に削減されたことに対する見解(井出進学塾)
こんにちは、井出進学塾です。
9月初めに県下の中学3年生がいっせいに受ける学力調査テストについての内容です。コロナによる休校期間への対応として、試験日程を変えることはなく、出題範囲の削減で調整が図られました。その削減の内容ですが・・・
予想以上です。
3年生になってからの学習内容を一切カットなので、単純に3か月の休校期間分を引いた以上の削減です。
必要以上の削減といえますが、そんなことをいっても始まらないので、ここではこれにどう対応していくべきかをみていきましょう。
まず、例年でしたら、夏休みの勉強としては学調に合わせて勉強するのが標準で、入試までのタームでみてもそれが効果的に機能していました。
夏休み期間を利用し、過去問などに取り込み、英語の長文や数学の応用問題にとりくむ、また理科や社会もよいタイミングで既習分野の復習となり、まったくもって、よいしくみです。
それが、今年は難しくなりました。
象徴的なのが、毎年学調の模擬問題を製作・販売している最大手の出版社が、今年度の第1回の模擬問題の出版を見送りました。
もっとも、夏休み期間そのものも短いですね。富士宮市なんて県内最短で9日間しかありません。
そんな中、入試までのタームで考え、この8月をどう過ごしていくか?です。
結論から言いますと、やはり・・・
9月初めの学調に標準を合わせる・・・のが最善でしょう。
さらにいえば、今年度の削減された学調の範囲にとらわれず、例年の学調の範囲までのおさらいをしましょう。
今回の範囲削減は極端すぎるものです。例年の学調でも、授業が遅れ気味の学校もあるかもしれないという配慮のもと、少し短めになっています。ほとんどの学校では、すでに追いついている範囲です。
学調の過去問や、ふつうに学校で使っている教材で、学校で習ったところまでのおさらいをすれば、いいということです。もちろん、よゆうのある人は先行学習を進めましょう。内申書につながる学校の勉強が、受験でも大切なところになります。ほとんどの大手の塾も、夏期講座はこのような方針で行くでしょう。
そして、やはり学調も大切です。
本番の入試に近いテスト形式で、入試での得点力が試されるから、という点が、まずあります。
しかし、それ以上に大切なのは・・・
「テストは力を試すためにあるのではない。力をつけるためにある。」
・・・ということです。
学調を標準に勉強していくことで、みなさんの学力は上がります。
その際に、今回の大幅な範囲削減については気にしなくてよい、というのがこの記事の本旨です。
以下、教科ごとに削減された範囲の内容と、今回の学調対策について、みていきます。
英語
範囲削減の影響を最も受けるのが、英語といえます。
3年生内容が削減されるので、「受け身の文」「現在完了形」などが削減されます。
学調では削減されるのですが、これこそ3年生の夏休み(1学期終了段階)で、これらを含む英文を読むことになれていてほしいところであります。
特に完了時制は大切ですね。来年度に教科書が改訂されますが、そちらでは2年生の最後に扱われるくらいです。
「完了時制」は、特殊な表現というわけではありません。
算数から数学になったとき、負(マイナス)の数が出てきて、数の世界が倍になったように、英語もふつうの時制に対して「完了時制」が、あります。
学調の範囲は気にせず、完了時制まで含まれる長文なども多く読んでおきたいところです。そしてそれは、必ず範囲のせばまった今回の学調でも安定した得点力につながります。
後、削減されるかもしれない文法事項としては、want のていねい表現としての would like があります。
これに関して言えば、学調には英作文や自由英作文も多く、こういう表現も使えれば、とても有利なので、勉強しておいて何の損もないです。
後は、今回の学調に向けての対策としては、中三内容の文法問題を出せないのは事実です。そうすると、2年最後の学習内容の「比較」に関するものが増えるでしょうから、そこらへんはよく確認しておくとよいでしょう。
数学
範囲削減の影響は、実質少ないでしょう。
削減されたのは計算問題にあたるところで、学調数学のメインは「関数」「図形」であることには、変わりはありません。範囲削減の分、これらの問題の難易度が上がることは覚悟しましょう。
やはり、因数分解や平方根まで削減されたというのは大きなことです。
平方根の計算は2学期以降の、2次方程式、2乗に比例する関数、相似、三角比などにつながってきます。夏休みに「平方根」を固める、というのはものすごくよいカリキュラムとして機能していました。
平方根まで、いっしょにしっかりと勉強しておくとよいでしょう。
国語
影響なしです。
理科
3年内容の生物分野の最初の部分だけ削減されるので、ほとんど影響はありません。
社会
歴史分野、明治時代の日清・日露戦争以降が削減されます。
これも削減しすぎですね。
歴史なので無理はいいませんが、近現代は「公民」にもつながってきますので、できれば学校で勉強したところまではおさらいしておきましょう。
まとめ
今年の中学3年生のみなさんは、本当にたいへんだと思います。
夏休みは夏休みで、苦手な分野を克服したり、問題演習をつむ期間として機能していました。それが短くなるというのは、大きなことです。
そういう状況をふまえてうえで、最善を尽くしていきましょう。
井出進学塾は、中学3年生のみなさんを応援しています。
以上です。
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執筆:井出進学塾(富士宮教材開発) 代表 井出真歩
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