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【高校化学・計算問題】冷却による析出量・補足解説(なるべく比に頼らなくても解けるようにしておきましょう)

(※この記事では「かけ算順序問題」にも、ふれています。化学について知識がない方にも、その問題についてわかるように書いておりますので、興味のある方はどうぞ。ただし、ご気分を害されそうな方は、わざわざ読まないでください。読まなければ済む話です。)

2年ほど前のものですが、私の上げた解説動画の中では再生回数も、よいほうです。

少し後悔があって・・・

この動画では、比を使って簡単に答えを出していますが、別解も示しておくべきだったかな・・・と、

「割合」の考え方を使った解法も、示しておけばよかったな、と思っています。(もちろん、それは別の動画でやればいいですが〔それも出しています〕、そういうのもあると、少しでもふれておくべきでした。)

もっとも、慣れないうちや、少しでも考えにくい問題があったら、ガンガン比に頼ってよいと思います。でも、いろいろな解法〔考え方〕を身に付けることによって、本質的理解が進み、解ける問題も増えていきます。

この問題も、比で簡単に解けるならそれはそれでいいですが、こういう軽めの問題で、そういう解法を確認しておくのはよいことですので、ここで補足しておきます。

別解

60℃の飽和水溶液「210g」を想定して、それを20℃まで冷却すると「46g」の硝酸カリウムが析出することを確認するまでは、同じです。

ここで、〔割合〕にあたる「46/210(分数です)」という数値が得られます。

後は、(全体)に(割合)をかければ(調べたい量)が求められるので〔(割合)というのは、もともとそういうものです〕・・・

〔(全体)×(割合)=(調べたい量)〕から

200×(46/210)」の計算で、答えが求められます。(計算の内容自体は、動画内の計算と結局、同じ計算をすることになります。)

一般的・・・というか、教科書や問題集の解答では、「200×(46/210)」とされているのが、ふつうです。

これは、私が動画で示したような比を使う解法は紙面に表現しづらい・・・ということではなく、こちらの考え方の方が、さらに応用がきくからと、いうことでしょう。(もちろん、各自の理解段階において、たいへんだったらジャカジャカ比に頼って下さいね。)

ここでポイントになるのは、(46/210)という数値をつくれるかどうか?・・・それ以前にそもそも、この(割合)にあたる数値をつくろうという発想が出てくるか?・・・ということになるでしょう。

それに必要なものは何かというと・・・「能力」というのは不適切ですね。「経験の蓄積」といった方が適切です。小学校の算数からの積み重ねですね。(化学の計算問題がわからない人は算数にもどれ・・・という意味ではないですよ。今からでも、「割合」や「かけ算の意味」に意識を向けてみると、けっこうためになりますよ、という提案です。)


また、「200×(46/210)」ではなく、逆の「(46/210)×200」の順番でもいいです。

特に、物理も履修されている方なら、動摩擦係数、屈折率、透磁率など割合(比例定数)にあたるものを前に付けることに慣れているはずなので、その方が考えやすければ、それでよいです。

むしろ逆に、物理を履修しているのに、そういうのにまだあまりピンときていない方は、このような簡単めの問題、しかも具体的な数値が与えられている問題で、このように考えることで・・・

例えば、衝突前速度 v に反発係数 e をかけた「-ev」という物理量が、どのような性質をもって、そうなっているのかを、理屈や、ましてや公式の暗記などではなく、感覚的に自分のものととらえられるようになる、よいきっかけになります。

かけ算の順番も、自在に操れるようになりましょう。

もちろん、とてつもなく頭がよくて、こんなこと考えなくても高校の化学や物理なんて、軽くこなせる人も、世の中には何人もいると思います。

でも圧倒的大多数の、そうではない我々は、いろいろ考えて工夫して、自分自身の能力を高めることを、楽しんでいきましょう。

このように、かけ算の順序はとても大切です。


執筆:井出進学塾(富士宮教材開発) 代表 井出真歩

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