GRI研修体系の変更について(2020年10月号)
※本記事はIDCJ SDGs室がこれまでのメールマガジンで取り上げた特集です。掲載内容はメールマガジン発行当時の状況に基づきます。
7月のメルマガではGRIスタンダードの「共通スタンダード」部分が改定されるというご案内をしました。今回は、GRIブランド再構築(リブランディング)に伴う研修体系の大幅な変更についてご説明します。
ご存知のようにGRIはオランダに本部を持つ非営利団体であり、非財務情報開示の標準化を目的とした「GRIスタンダード」発行団体として知られています。この「GRIスタンダード」を普及させるために、世界各地に認定研修組織を設け、GRIスタンダード研修を実施しています。国際開発センターは日本における認定組織になっています。
国際開発センターではGRI認定研修として「GRI認定GRIスタンダード研修」(GRIスタンダードの構成から内容、使い方、参考事例まで包括的に学習)と2019年1月からは「GRI SDGsビジネスレポーティング研修」の二つのGRI認定研修を行ってきました。
今回のGRIの研修体系の大幅変更により、今後、研修と試験の進め方が大きく変わります。「GRI SDGsビジネスレポーティング研修」についてはモジュール内容変更により当面は日本における認定研修は行いませんが新たな研修モジュールが確定するまでの間は「SDGsビジネスレポーティング研修」を提供いたします。日本における「GRI認定GRIスタンダード研修」はGRI認定研修組織として本GRI本部との協働のもとで継続しております。
GRIブランド再構築に伴い2020年9月24日より新たに導入されたGRI本部のオンデマンド研修サービス(GRI Academy)モジュールは下記のとおり変更されています。
1.GRIスタンダード研修の体系が次の五つのモジュールに分けられる。
(1) サステナビリティ・レポーティングとGRIスタンダードの紹介
(2) ステークホルダー・エンゲージメント
(3) マテリアリティ
(4) サステナビリティ・レポーティング・プロセス
(5) サスティナビリティ報告へのSDGsの統合
この中で、(1)から(3)までは、当センターで提供している「GRI認定GRIスタンダード研修」の内容とほぼ同等のものとなります。(4)はケーススタディを通じて、GRIスタンダードを使用したサステナビリィティ・レポーティングについて学ものです。 また(5)についてはほぼ既存の「GRI SDGsビジネスレポーティング研修」に相当するもので、SDGsをどのようにサステナビリィティ・レポーティングに統合するかがテーマとなります。
この五つのモジュール研修は、GRI本部のオンデマンド研修サービス(GRI Academy)から全てを直接英語で受講するか(Aコース)、もしくは各国・地域の認定研修組織から当面の間は(1)~(3)に相当する「GRI認定GRIスタンダード研修」を受け、残りの(4)~(5)についてGRI本部のオンデマンド研修サービス(GRI Academy)を受ける(Bコース)という、二通りの選択になります。
国際開発センターは新体系の研修(1)~(5)を国内でも実施すべく準備しておりますが、全てのモジュールの教材を邦訳して、GRIの了解を得られるまでには、まだ暫く時間を要します。当面は引き続き「GRI認定GRIスタンダード研修」を継続してまいります。
受講者の皆様で新たな認定資格「GRI Professional Certification」を目指される方には国際開発センター「GRI認定GRIスタンダード研修」を受けて頂き、その後はGRI本部のオンデマンド研修サービス(Bコース)を継続して頂くかたちになります。
2.新たな認定資格「GRI Professional Certification」が導入される
上記の(1)から(5)までを受講すると、それぞれのモジュールごとに受講者に受講ポイント(Badges)が付与されます。特に試験はありません。全部受講すると5ポイントが得られます。そして、全てのモジュールを受講した者に対しては、「GRI Professional Certification」という認定試験を受験する権利が与えられます。この認定試験が、これまでのGRIスタンダード試験を代替する形になります。これはGRIスタンダード試験と同様に、オンラインの試験で、出題は英語、1時間で40問に回答し、合格ラインは75%以上といった試験になります。
GRIは世界の認定研修組織に対して、研修体系変更につき説明をしておりますがまだ詳細が分からないところもあります。今後も、ウェブサイトやメルマガを通じて、GRIブランド再構築や研修体系に関する情報を発信してゆきますので、ご関心を持っていただければ幸いです。
(ご参考)
新たな研修体系概要(GRI本部ウェブサイト)
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