国際開発センター(IDCJ) SDGs室

国際開発センター(International Development Center of Japan (IDCJ)) SDGs室事務局 >>お問い合わせはhttps://www.idcj.jp/sdgs/contact/よりお願いします<<

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最近の記事

サステナビリティ・レポートの事例紹介(2)「アサヒグループホールディングス」編

前回から、実際のサステナビリティレポートがどのように構成されているかについてご紹介している。今回事例として取り上げるのは、「アサヒグループホールディングス」のレポートである。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 「アサヒグループホールディングス」編 アサヒグループホールディングスは、環境省主催の「ESGファイナンス・アワード・ジャパン(企業部門)」において、第4回(2022年度)に金賞を受賞した。選定理由としては次が示されている。 この

    • サステナビリティ・レポートの事例紹介(1)「味の素」編

      前回までは「サステナビリティ・レポートの構成要素」として、報告書に記載されるべき主要な項目についてご説明した。今回からは、実際のサステナビリティ・レポートがどのように構成されているかについてご紹介する。事例として取り上げるのは、本邦企業のサステナビリティ・レポートのうち、環境省主催の「ESGファイナンス・アワード・ジャパン(企業部門)」を受賞した企業のレポートである。今回は第4回(2022年度)に金賞を受賞した「味の素」の報告書を取り上げる。 ・・・・・・・・・・・・・・・

      • サステナビリティ・レポートの構成要素(7)GRIスタンダードとインパクト・マテリアリティの視点

         GRI(Global Reporting Initiative:グローバル・レポーティング・イニシアティブ)は、サステナビリティ・レポーティングの枠組みの作成と、非財務情報開示の標準化を進めてきた国際非営利団体である。2016 年にGRI サステナビリティ・レポーティング・スタンダード(通称GRI スタンダード)が公開され、2021年に改訂された。現在はこの改訂版に基づいてサステナビリティ報告書を作成することが推奨されている。サステナビリティへの関心は時代とともに高まり、今

        • サステナビリティ・レポートの構成要素(6)目指す姿

          各企業が発行するサステナビリティ・レポートの中で、将来の時点で、自社がどのようになるべきか、なりたいかのイメージを提示するケースが増えています。「目指す姿」、「ありたい姿」、「目指すもの」、「2030ビジョン」など表記は様々です。それぞれ2030年、2050年といった将来の時点で、自社の役割は何なのか、サステナビリティ課題にどう貢献しているのかというメッセージが示されています。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 目指す姿 また近年にな

          サステナビリティ・レポートの構成要素(5)ロジックモデル

          ロジックモデルとは、1970年代にアメリカで政策評価の理論的手法として開発されたものです。アメリカの国際開発庁(USAID)はロジカル・フレームワーク(ログフレーム)と呼ばれる手法を用いて開発協力プロジェクトの設計を行ってきました。日本でも、1990年代からログフレームは、国際協力プロジェクトの形成や進捗管理のために使われました。その後、2000年代に入ると、日本政府や地方自治体に於いても政策の企画立案や評価の手法として注目を集めるようになります。 ・・・・・・・・・・・・

          サステナビリティ・レポートの構成要素(5)ロジックモデル

          サステナビリティ・レポートの構成要素(4)価値創造プロセス

          企業がSDGsなどで示されるサステナビリティの課題に取り組む理由は、企業自身の持続性と、自社を取り巻く経済・社会・環境の持続性がつながっていると解釈されるようになってきたからです。一方、投資家など当該企業への財務資本の提供者にとっては、企業が持続的に事業展開することにより、当該企業の価値がどれほど高まるのかが大きな関心事項になります。そこで、企業は投資家向けに、自社の経済・社会・環境に関する非財務分野の実績を開示し、これが企業の財務実績や価値創造にどう影響するのかを説明するこ

          サステナビリティ・レポートの構成要素(4)価値創造プロセス

          サステナビリティ・レポートの構成要素(3)サステナビリティ課題との紐づけ

          サステナビリティ・レポートには様々な視点から情報、分析、方針、戦略等が掲載されています。非財務情報開示にはGRIスタンダードをはじめ様々な枠組みがありますが、どれもサステナビリティ・レポートの構成や章立て等について特段の規定はありません。各企業が自社の判断でレポートを作成していると思われます。レポートの形態やページ数などは様々ですが、ある程度の傾向はあります。典型的なサステナビリティ・レポートの中に記載されている項目やテーマはいくつかあります。それらについて、数回に分けて内容

          サステナビリティ・レポートの構成要素(3)サステナビリティ課題との紐づけ

          サステナビリティ・レポートの構成要素(2)マテリアリティ

          「マテリアリティ」という言葉をお聞きになったことがあるでしょうか。サステナビリティ・レポートを読むと、マテリアリティの分析、マテリアリティの特定といった記述をよく目にします。今回はこのマテリアリティの意味について説明します。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ マテリアリティ マテリアリティはマテリアルの類語ですから、物質とか原料に関わるというイメージがあります。実際にマテリアリティを辞書で調べると、「物質性、具体性、有形物」といった説明

          サステナビリティ・レポートの構成要素(2)マテリアリティ

          サステナビリティ・レポートの構成要素(1)リスクと機会の分析

          今回からサステナビリティ・レポーティングの構成要素について説明します。第1回は「リスクと機会の分析」です。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ リスクと機会の分析 リスクと機会の分析とは、経済、社会、環境面のサステナビリティ課題について、自社の事業活動を進める上での将来のリスクと機会を分析することです。多くのサステナビリティ・レポートに含まれている項目です。自社の持続的発展に向けた戦略を考える上でベースとなる作業と言えます。 リスク分析

          サステナビリティ・レポートの構成要素(1)リスクと機会の分析

          サステナビリティレポートとは

           前回からサステナビリティ・レポーティングの基礎編をお届けしています。第2回は「サステナビリティレポートとは」です。その背景と想定される読者についてご説明します。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ サステナビリティ・レポートとは 今日、我が国でも持続可能やサステナビリティいう言葉が日常的に使われてるようになっており、日本企業の中にも自社のサステナビリティへの取り組みを、報告書やウェブサイトの中で取りまとめているところが増えています。サス

          サステナビリティレポートとは

          サステナビリティの意味

           今回からサステナビリティ・レポーティングの基礎編をお届けします。第1回は「サステナビリティ」という概念について、あらためてご説明します。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 持続可能な開発目標(SDGs)が2015年に国連総会で合意されてから、持続可能性やサステナビリティいう用語が日常的に使われるようになっています。日本企業の中にも、自社のサステナビリティへの取り組みを、報告書やウェブサイト上で取りまとめる企業が増えています。このサステナ

          サステナビリティの意味

          GRI対照表(内容索引)の構成(2)

           前回投稿に引き続きGRI対照表(内容索引)の構成についてご説明します。GRIスタンダードに準拠するGRI対照表(内容索引)の構成を、便宜的に次の四つに区分しました。 利用に関する声明と利用したGRI1 一般開示事項 マテリアルな項目 該当するGRIセクター別スタンダードの項目のうちマテリアルではないと判断する項目  今回は「3.マテリアルな項目」と「4.該当するGRIセクター別スタンダードの項目のうちマテリアルではないと判断する項目」を取り上げます。    また、

          GRI対照表(内容索引)の構成(2)

          GRI対照表(内容索引)の構成(1)

           今月は「GRI対照表(内容索引)の構成」について、二回に渡り掲載します。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  GRIスタンダードを利用してサステナビリティ情報を開示する企業の多くが、GRI対照表を作成して報告書やウェブサイト上に掲載しています。「GRIスタンダードの利用=GRI対照表の作成」と解釈されている方も多いかと思います。この投稿では、このGRI対照表とは何なのか、どのように構成されているのかについて、二回に分けてご説明します。

          GRI対照表(内容索引)の構成(1)

          GRIスタンダードについて(2)

           前回は2021年に改訂されたGRIスタンダードの構成についてご案内しました。今回は、GRIスタンダード改訂版で何が変わったのか、その変更点についてご説明します。なお、改訂版では、近年の国際的なサステナビリティ議論の展開に合わせて、新たな概念が導入された、あるいは用語の定義が変更されたといった変化があります。こうした概念や用語面の変化については、ここでは省かせていただきます。GRIスタンダードの構造や使用上での大きな変化と見なすものを、ご説明させていただきます。 大きな変化と

          GRIスタンダードについて(2)

          GRIスタンダードについて(1)

           今月は「GRIスタンダード」について、2回に渡り掲載します。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  GRI(グローバル・レポーティング・イニシアティブ)とは、サステナビリティ報告の国際的スタンダードを制定している非営利団体です。本部はオランダのアムステルダムにあり、1997年に設立されました。サステナビリティという曖昧な概念を可視化し、世界で初めてサステナビリティ情報(非財務情報)開示の枠組みを示した団体として国際的に主導的立場にあるスタ

          GRIスタンダードについて(1)

          SDGsインパクト評価(4)

           11月から投稿してきた「SDGsインパクト評価」(1)(2)(3)の最終回をお届けします。今回はアウトカムの変化を計測する方法について解説します。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  企業のSDGs達成への貢献は、資金や人材を投入(インプット)し、活動(アクティビティ)を通じて財やサービスを産出(アウトプット)し、社会や環境の変化に至る成果(アウトカム)を発現する過程と示されます。企業がSDGsにどれほど貢献しているかは、最後のアウトカ

          SDGsインパクト評価(4)