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0925『物価とは何か(渡辺努)』感想。

*下記にも記してますが正直理解していない箇所も多いので、今後記事を修正することあります。

見え方。

まず、182Pに掲載されている上図のように僕みたいな人間がこの本を読んでいることが不景気というのが分かる。
気が付いた時にはもう遅いというのは世の常で、気付かなければ馬鹿で済むけど、気付いて何もしなかったら馬鹿で間抜けになってしまう。読まなければよかった。
ただ正直この本を読んで何が出来るかは難しい、というのは読み手の経済状況や仕事によって大きく変わると思うからだ。

感想。

どうして買い手が多いと価格が上がるのか、ということすら上手く理解出来ない脳味噌の僕は、事あるごとにネットで調べて読んでいたら読了に凄い時間がかかってしまった。そして今でも完全に理解できていないし、腑に落ちていない箇所も多々ある。(例えばユニクロの下着など買い手が多いのに基本値上がりしないのは何故かと思ってしまう。誰か教えて。)

そんな僕がざっくり感じた感想は以下の3点です。
①銀行(国家)と庶民(生活)の間には現状(物価)の理解に大きな隔たりがある。と同時に経済学者と庶民の間にも大きな溝がある。
②コロナ後の経済は今までにあまりない状況なので過去の方法が通じない可能性が高い。ゆえに正しい対処と、火事場泥棒的な一時的な富を得る方法で混沌とするのではないか。
③結局、行動論となり本を閉じる羽目になるのか。

全体的に。

銀行(国家)はインフレを一過性のものと見ている、が庶民(生活)はそうとは見れなくなってきているだろう。ここ2年くらいの値上がりの頻度を経験すれば薄々分かるし、この本だとある商品がインフレしても他分野では起こらず、結果インフレ率は低く落ち着くケースを出していたが、コロナ後は電気や家賃もあがり、どう見ても一過性のものではない。

ただ作者はここで庶民は値上げに耐えられるようになった、と述べているが実際に耐えらざるをえない、が正解であってそこから零れ落ちる人々の行動については触れていない─あくまでタイトル通り物価とは何かに向き合っている─。
正直この図(P132)、

のように物価は高くなり失業率は高くなるが、いづれは落ち着くだろう。ただそこまでかかる時間に(コロナショックが落ち着くまで10年はかかると言っている)どれほどの失われる時間がでてしまうというのか。そこに目が行ってしまう(のは僕もそこに含まれているから)。この辺の庶民の感覚に迫っているのは下の動画だろう。あまり室井佑月は好きではないが、結構ストレートに聞いている。

それでコロナ後のインフレが今までとどう違うかというと需要過多のインフレではなく、供給が少ないからのインフレだ、と。前者は金利引き締めでどうにかなる可能性もあるが、今回は国家(銀行)もあまり策がない、と。また一部デフレ状態の分野もあり、それが更に状況を複雑にしている、と。

すると打開策はあまりなく、それこそこの本を読んでいなくても出てくる『賃金の値上げ』しかないだろう。が、そういうことが出来るのはユニクロのように海外の会社のみとなる気がする(グローバルな会社なら日本だけ賃金が少ないのは理念的にまずい)。日本のみの会社でそれは出来るだろうか。または他の資産に投資すること。しかしこれはお金がある人だろう。

確かに上記の感想は、物価とは何か、ではない。がどうしてもそちらの方に思考はいくだろう。強引にいえば、僕ら人間も物価であり、物価が気分で変わるのなら、日本人の同調圧力がより良い方向にいけば変わるのだろうか。だがそれはスーダンの例のようにある種の奇跡が必要だろう。

最後に。

僕はあまりにも経済から遠く離れすぎた生活をしてきた。人一人生きていければ良いと思っていた。青年時代は周りにカップル達が多かったし、彼等に任せればよいと思っていた。マイノリティが好きだったし。しかし今では一人身の方がマジョリティになってきてしまった。わお。こんな感じで時代が僕に追いつくなよ。じゃあどうするかと考えるけど、この本から何を学び、どう活かすかは必ずあると思うけど、しばらくは見つけられそうにない。

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