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片親疎外:深刻な心理的児童虐待の一形態~世界的な健康問題

この文献はオープンアクセスです。原題名、原著者名は以下の通りです。
掲載書:Ann Case Report 14: 566.
原題名:Parental Alienation: A Serious Form of Child Psychological Abuse - A Worldwide Health Problem
原著者:Wilfrid von Boch-Galhau

症例報告年報

症例報告

片親疎外:深刻な心理的児童虐待の一形態~世界的な健康問題

ウィルフリッド・フォン・ボッホ=ガルハウ
精神科専門医、心身医学・心理療法科、ヴュルツブルク、ドイツ

連絡先著者:ウィルフリッド・フォン・ボッホ=ガルハウ、ドイツ・ヴュルツブルク心身医学および精神療法科ウィルフリッド・フォン・ボッホ、電話:+49- 9313592133、Eメール:praxis@drvboch.de
引用:ボッホ=ガルハウW (2020)「片親疎外: 深刻な心理的児童虐待の一形態 - 世界的な健康問題」、症例報告年報14: 566、DOI:10.29011/2574-7754/100566
受付日: 2020年10月29日;受理日: 2020年11月13日;公開日: 2020 年 11 月 19 日

要旨

 片親疎外は、子ども、青年、成人と関わる分野の専門家が知っておくべき深刻な精神状態である。片親疎外は主に高葛藤の別離や離婚の状況で見られるが、他の状況でも存在する。この記事では、2人の兄弟姉妹の事例を1つ紹介する。これは、高葛藤の離婚状況における片親疎外で、専門の心理学者と協力した児童保護サービスと家庭裁判所が断固とした介入を行うことで克服できた事例である。世界中で約1,300の専門論文、本の章、本、および実証研究が存在(ウェブサイトhttps://ckm.vumc.org/pasgを参照)していながら、専門家の現場では片親疎外に対する認識が不十分であり、否定さえされている。

キーワード:子どもの心理的虐待、ファミリーバイオレンス、高葛藤な別離や離婚、片親疎外

はじめに

片親疎外-そうこうしているうちに、世界的に蔓延する健康問題

 片親疎外は専門家の現場で深刻な人間関係の問題として認識されていないため、親子関係法で適切に対処することが困難になっている。政治の場、社会、専門家の間でこの問題に対する認識が不足しているため、子どもが外在化または内在化する心理的症状を発症するリスクが高まっている。これらは、素行障害、不安症、摂食障害、依存症、心的外傷後ストレス障害、うつ病エピソード、アタッチメント障害、アイデンティティ障害、人格障害、その他の精神疾患や心身症の可能性がある[1,2]。

PAの定義

  • 片親疎外は、子どもに対する一方の親の役割が体系的に損なわれる相互作用プロセスである。片親疎外の概念は、3つの要素で定義される[3]。

  • 一方の親に対する拒絶または中傷がキャンペーンのレベルに達している、即ち、時折の出来事ではなく、持続的な行動である。

  • 拒絶の敵対的な態度が不合理である、即ち、疎外は拒絶された親の行動に対する適切な反応ではなく、拒絶された親との実際にあった否定的な経験に基づくものではない。これは部分的に、疎外する親[かつ/または別の重要なアタッチメント対象者]の影響を受けた結果でもある。

PAの症状

  • 中傷と憎悪の非合理的なキャンペーン

  • 常識を欠いた馬鹿げた合理化(拒絶の態度に関する不当で馬鹿げた理由)

  • 正常な両価性の欠如(一方の親を理想化し、もう一方の親を悪者扱いする、白黒思考)

  • 教化する親への反射的な支持

  • 標的となった親だけでなく、その親の親戚や友人に対する中傷

  • 「独立した思考者」現象(子どもの「自分の意見」と「自分の意志」が強調される)

  • 疎外された親への残酷な扱いに対する罪悪感の否定(明らかに気持ちや感情を欠いた状態で疎外された親を拒絶する)

  • 「借り物のシナリオ」の使用(疎外する親が表明したものと同じ非難)

検証については、例えば以下を参照。

重症度の3つのレベルによるPAの区別-各レベルには特定の治療法が必要

 片親疎外は、通常、子どもの両親が非常に苦々しい別離または離婚を経験した状況や、ストレスばかりが溜まる関係、または力の不平等を伴うファミリーバイオレンス事件における「加害者と被害者の関係」で見られる。このような事案において、子どもは-意識的に、または無意識に-、一方の親によってもう一方の親に対する道具にされ、支配される。即ち、子どもは心理的虐待を受ける[4,5,6-12]。
 軽度のPAの場合、子どもは別居親とのコンタクトを拒否するが、コンタクトが成立した場合は楽しいと感じている。子どもは、疎外する親が別居親に対して行う中傷から距離を置くことができる。
 中等度のPAの場合、症状が強く現れ、子どもとのコンタクトや子どもの引渡しにかなりの問題を伴う。子どもは頑なにコンタクトを拒否するが、ひとたびコンタクトが成立すると、疎外する親が不在であれば、肯定的に反応する。
 重度のPAの場合、子どもは、以前は愛情のこもったアタッチメントを持っていた一方の親(父親または母親)とのコンタクトを、客観的な理由もなく徹底的に拒否する。これは、子どもが拒絶された親に対する誤った否定的なイメージを内面化しているためである。拒絶の態度と否定的なレベルは、軽度や中等度の形態と重度の形態との間でかなり異なる。子どもは、親に対して極端に二極化した見方(白黒)を示す。このような場合、特別に訓練された専門の心理学者またはセラピストとの協力の下に、家庭裁判所は、(制裁または説得力のある告知、あるいは場合によっては監護権の移行を実施することで)疎外のプロセスを中断するか、(「子どもが望まないのであれば、私たちにできることは何もありません」という受動的待機を通じて)疎外を永続的に保証するかのいずれかを選択できる最終的な権限を持つことになる[13,14]。
 重度の片親疎外の場合では、疎外する親と疎外された子どもによる根拠のない性的虐待の申立てを見出すことがある。捏造された申立ては、別れた親が子どもともう一方の親との関係を効果的に終わらせるために使用する武器であると考えられてきた。同様の力学は、ストックホルム症候群、人質事件、代理ミュンヒハウゼン症候群(親が子どもの病気の症状を人為的に誘発または誇張する障害)にも見出すことが出来る。影響を受けた子どもは外部からの援助に頼っている[6,11,15-17]。

PAにおける重要な疎外テクニック

 重要な疎外テクニックには、とりわけ、中傷、現実歪曲、もう一方の親に関する否定的な表現、訪問のボイコット、コンタクトの断絶、計画的な誤報、暗示的影響、混乱を招く二重拘束メッセージなどがある。時には、直接的な心理的脅迫(愛情の断ち切り、自殺の脅迫など)、または身体的脅迫(殴る、閉じ込める)が子どもに対して使用される。G・ゲプハルトによる2つのドキュメンタリーは、以前疎外されていた子どもの視点からこの問題を描いている(私はこの2つの映画を推奨する[18])。機能不全の家族の力学は、子どもの深刻な葛藤を悪化させる。恐怖心、依存心、子どもを服従させること、子どもを従順にさせること、子どもが疎外する側と同一化することが重要な役割を果たす。

精神医学的心理療法の実践からの事例:

 かつてひどく疎外されていた2人の子ども(4歳の女子と8歳の男子)との面接状況(テープ録音の反訳)。9年後の追跡調査では、2人の青年はそれぞれ13歳と17歳だった(面接時/要約抜粋)。

ボッホ 知っての通り、私は離婚した家族をよく見ています。あなた方のお父さんのことは1999年から知っています。両親が離婚すると、子どもたちが突然、別居している、愛する親を激しく拒絶し、もう会いたがらないという状況がよく起こります。これには明らかな理由がないことがよくあります。ですから、父親や母親が子どもにマルトリートメントしたり、それどころか性的虐待をした状況について話しているわけではないのです。この現象は、葛藤が伴う離婚で頻繁に起こるんですが、当事者である親にとって非常に辛いものです。専門家は、「子どもが親に会いたがらないから、私たちにできることは何もない」、「子どもには落ち着くことが必要なんです」という意見を持つことがよくあります。その結果、子どもは何年も、それどころか時には永久に、一方の親とコンタクトできなくなります。このような状況を経験している、または経験した子どもが、後で経験を振り返り、何が起こったのかを理解できるようにすることが重要だと私は考えています。NくんとRさんがこの面接に参加して、今振り返って視点から当時のあなた方の経験を報告してくれることをとても嬉しく思います。Rさん(女の子の名前の略称)、あなたは現在13歳、Nくん、あなたは17歳ですね。私があなた方のお父さんに9年前に会ったとき、あなた方は2年間お父さんに会っておらず、4歳と8歳でした。両親が離婚した後、あなた方はお母さんと一緒に住んでいましたよね?
Nくん 全てが多くの口論から始まりました。私が知る限り、口論を始めるのはいつも私の母でした。それで、その後に私の父が家を出ると、かなり奇妙なことが起こりました。その日から、父は一種の「嫌な奴」になりました。
Rさん その後、母は父のことを「嫌な奴」と呼ぶようになりました。
ボッホ あなた方の経験では、お父さんはそんなに悪い人でしたか?それとも、お母さんの視点から見た、お母さんが口にしたお父さんだったんですか?
Nくん 殆どは母が言った父親の姿です。私はあまり話しませんでした。
Rさん そうです、母親から教わったんです。私は母を信頼し、母が父は悪い人だと言えば、そう信じました。時々自分に嘘をついたことを今でも覚えています。「お父さんは悪い人だから、お父さんに会えないからといって寂しい思いをすることはない!」と自分に言い聞かせていました。
ボッホ 自分を慰めるためにそうしていたのですか?
Rさん 父に会えなくて寂しいときはいつも、「いや、寂しくなんかない、お父さんは悪い人だから!」と自分に言い聞かせていました。最終的に警察署に行ったときのことを今でも覚えています。その時は父に長い間会っていませんでした。そこで父を見ると、私は「この野郎!」と言いました。そして突然泣き出し、父の腕の中に倒れ込みました。
ボッホ なんて矛盾なんだろう、両方の感情を抱くなんて。
Rさん そうなんです!
Nくん 今日私が言えることは、Rよりも私の方が極端だったということです。Rは未だ子どもでしたが、私は既により確固とした意見を持っていました。激しい抗議もしました。その後、私たちが母から引き離されたとき、私はそこに立ち、数時間抗議しました。父の所に行き、一緒に暮らす必要がないようにするためです。-結局私たちは父の所に行ったんですけど。
ボッホ それは、裁判所があなた方は父親の所に行き、父親と一緒に暮らすべきだと決定したときの状況ですね。
Nくん その決定がいつ下されたのか正確には覚えていませんし、今となってはよくわかりません。私たちがまだXXに住んでいて、YYに引っ越す前のことでした。
ボッホ XXでは、あなた方は二人ともお父さんと一切コンタクトしたくない段階でした。
Nくん 私たちはZZに住んでいた頃には、既に多かれ少なかれ父とのコンタクトを拒否していました。ZZで暮らしていたのは、ずっと前のことです。カトリックの会合(カトリックの相談サービスでの会合のこと)のことを覚えてるかい、R?
Rさん 覚えてない!
Nくん それは私たちが母と一緒にXXに引っ越す前のことでした。私たちは父と数時間会うことになっていたのです。
ボッホ カトリックの相談サービスのソーシャルワーカーの助けを借りて、コンタクトが取れるようになったのですか?
Nくん はい、その通りです!
Rさん 私は子どもの頃、レゴに夢中でした。そのおかげで父は楽でした。父にレゴを買ってもらうと、私の目には父は再び良い人に映りました。でも、Nに関してはそう簡単ではなかったんです。
Nくん 私たちが母と別れた直後、Rは一日中そのおもちゃで遊んでいました。
ボッホ 物事が順調に進むと、両親は、子どもが父親か母親のどちらかと一緒に暮らし、もう一方の親を訪問できる取決めに協力する傾向があります。なぜあなた方はお父さんを徹底的に拒絶したと思いますか?-状況によってはお母さんを拒絶する場合もあったと思うんです。どうしてそうなったのですか?
Rさん それは単に、子どもは殆ど全てのステップを親から学び、一方の親が「これが悪い」と言ったら、それを信じてしまうからだと思います。子どもは親を信頼しているからです。親を愛しているからです。親がオオカミは悪い生き物と言ったら、子どもはそれを信じてしまいます。子どもは親の言うことを全て信じてしまいます。
ボッホ 子どもは親の真似をする。子どもの年齢では未だ区別がつかないから。ということですね。
Nくん そうですね、母はいつも私たちの面倒をよく見てくれました。父は朝早く仕事に出かけ、夕方7時まで帰ってこないのが常だったので、私たちは父よりも母と過ごす時間の方がずっと長かったんです。母の仕事は午後が休みでした。わかりませんが、それが、私たちが母とより親密な関係だった理由かもしれません。
Rさん 最初は、父と何週間か週末を過ごして、そこで気に入らなかったこと(クモの巣とか、他の些細なこと)を母に話していました。母は直ぐにそれを「お父さんは不衛生よ」などと言い換え、勿論私たちは母の言うことをそのまま信じていました。
ボッホ あなた方は最終的には母親の言う事を信じるようになったのは、この否定的な見方の影響ですか?
Nくん はい!
ボッホ 普通、どんな母親にも父親にも良い面とあまり良くない面があるものです。最初、あなた方はまだお父さんに会いに行っていました。そして、お父さんの本当の姿、良い面と悪い面を見ました。しかし、どうしてそれら全てが完全に頭から消え去って、突然全てを白か黒かで見るようになったのですか?
Nくん たぶん、私たちは父の悪い面だけを見たかっただけなのでしょう。
Rさん 起こった多くのことも歪曲されていました。例えば、かつて私は母と散歩していました。
何が起こったのか正確には覚えていません。父は私に自分の所に来るように頼んでいましたが、母はそれを「お父さんはあなたを自転車から引きずり下ろして、私から引き離そうとした」と言い換えました。私は母の言い分を完全に信じていました。私は父が悪い人だと思っていたし、私自身その出来事をあまりよく覚えていなかったので。
ボッホ 物事が「歪曲されていた」と言いましたよね、Rさん。では、あなたはもはや「何が何だか」をはっきりと区別できないと言ったことは本当ですか?
Rさん はい!私たちの周りのみんな、つまり母の友人たちも母親と同じことを言いました。それで私たちは母親の言う事を信じました、当然ですよね。
Nくん うん、その通り!一種の洗脳だったと言えるでしょう。父にはもう良いところが何一つありませんでした。父の良い特徴は全て、そのまま悪いものとして描写されました。
ボッホ まるで宗派のようでしたか?
Nくん 宗派に例えることができるかどうかはわかりません。でも、殆どそんな感じでした。私たち3人は善良な人で、反対側には警察と父がいました。母はいつも、父はお金持ちなので警察や裁判官は父の言うことに耳を傾ける、それで私たちは父から距離を置かなければならないと言っていました。
ボッホ 善良な人は家にいて、家の外にいるのは悪い人ってことなんだ。
Nくん えぇ、私は少しそのように見てます。
それから、善良な人には、母の友人である数人の女性がいました。彼女たちは母に同調していました。母のその見解に反対する人は誰もいませんでした。
ボッホ あなた方の場合、疎外の状況が特に極端だったと思いますか?というのは、たいてい何とかして何らかの合意に達する両親が多いからです。なぜ事態が過激に変わったのですか?
Nくん 一夜にして過激になったんです。
ボッホ えぇ、一方の親が真っ黒で、もう一方が真っ白というほど過激でした。
Nくん そうですね、私たちは父を母が示した通りでしか見ていなかったんです。
Rさん 親が悪意からそうすることはないと思います。母が実際に信じていたから、私たちにとってはそれがとても自然に思えたのかもしれません。母は演技をしていませんでした。
ボッホ お母さんはあなた方のお父さんが悪い人だと確信していたのですか?
Nくん 恐らくもうひとつは、私は母方の祖父母ととても親しい関係にあったんですが、祖父母も勿論父はそれほど優れた人ではないと信じていたからだと思います。父の家族や友人とはそれほど親しい関係はありませんでした。
ボッホ 父親に対してあるイメージを持った優位な力に直面していたと言ってもいいでしょうね。子どもは、その力を受け入れる傾向があるんです。
Nくん そうです、そういう感じでした。誰もが父は悪い人だと言っていましたし、祖母や祖父もそう言っていました。
Rさん でも母は父のことだけでなく、私たちが好きだった他の人のことも悪く言っていました。後に母は自分の両親にさえ反抗しました。そして私たちはいつも母に従い、順応しました。私たちは完全に母親の味方だったんです。
ボッホ なるほど、あなた方の過激な疎外はお母さんからコピーしたものと言えそうですね。
Rさん はい、例えばこんなことは覚えています。私たちはトルコにいて、母は一緒にいた祖父母とひどく口論していました。当時私が書けた言葉はAA(うんち)だけだったんですが、それを紙に書いて祖父母を苛立たせるためにドアの下に押し込みました。すると母はこう言いました。「それはとてもいいことね!」「すごく上手に出来たわね!」。それで、私は勿論、自分の行動が正しいと思いました。
Nくん そう、あれは完全に愚かなことでした。祖父母との口論はそのときエスカレートしました。母が私たちを「支配」していたと言ってもいいでしょう。みんな完全に仲違いしていました。私たちは車を持っていたんですが、祖父母は公共交通機関で家に帰らねばなりませんでした。私たちは先に車を走らせましたが、部屋の鍵を持っていました。私は自分が欲しいものを全て持って出て-母はそれを奨励してくれました-、その後、-完全に狂ったことに-紙切れを取り出して、その紙切れにこう書きました。「じゃぁね、クソ野郎ども」。書きました。
Nくん 父がそのことを知ったとき、何を思ったかわかりません。私がそんなことをしたという事実だけで、今でも私は恥ずかしくなります。
Rさん このような行動を褒められたことで、私たちは本当に気分が良くなったと思います。
ボッホ それでは、あなた方はお母さんから疎外行為を奨励されたのんですね?
Rさん はい!母はいつも全てを良い方向に見せていました。状況が「クソ」だった場合でさえ、依然として良かったと言っていました。私の初聖体拝領を例に挙げます。母は私の人生で最も美しい日だと言いましたが、そんなことは全然なかった。ただ「クソ」でした!母はその日、みんなと口論していましたが、それでも私はその日が人生で最も美しい日だったと確信するに至りました。
ボッホ 知っての通り、私があなた方のお父さんに初めて会ったのは、その頃でした。お父さんは、あなた方とのコンタクトを法的に強制しようとしていました。お父さんはあなた方に一緒に暮らして欲しいと思っていました。というのは、全てが奇妙に思えたからなんです。あなた方はお父さんが正しかったと思いますか?
Nくん はい!
ボッホ あなた方はそれをどのように感じましたか?
Nくん 当時は、あまり理解していませんでした。例えば、次のような状況がありました。 母は精神病院に入院する前から、よく酔っぱらっていました。父は、母が夕方になると完全に酔っ払っていることに既に気付いていました。それで、父は毎日母の所に立ち寄るようになりました。-母を叱るためではなく、状況が完全に手に負えなくなるのを防ぐためでした。そしてある夜、状況が酷くなり、父と私は母を2階に運ばねばなりませんでした。Rは未だ遊んでいたと思います。でも、翌朝になると、Rと私は再び母の側につきました。
ボッホ その時、お母さんが病気だと気づきましたか?
Nくん 私たちは母が毎日酔っぱらっていることにさえ気づいていませんでした。私はその夜初めて気づいたんです。
ボッホ その後、お父さんはあなた方の監護権とアクセス権を得るために法的手続きを開始しました。それは子どもにとって非常にストレスの多いことです。今、あなた方はそれをどう受け止めていますか?お父さんは事態が落ち着かせるために身を引くべきでしたか?あなた方はお父さんと一緒に暮らすことに激しく反対していたので質問しています。
Nくん ここで父と暮らすことで、私たちはより良い方向に発展したとすっかり確信しています。私の母が住んでいるテラスハウスの雰囲気は今でも悪いままなんですよ。
近所の人は皆、何らかの問題を抱えていて、母は近所の人全員と口論していました-殆ど全員とです。近所の人は皆離婚していたり、拒食症の子どもがいたり、何か他の問題を抱えています[5]。
ボッホ 介入はすべきですか、それとも控えるべきですか、子どもが落ち着くまで?
Nくん しばらくの間は、通常よりつらいです。でも、それで終わりです!父が介入していなければ、物事はそのまま永久に続いていたでしょう。母は完全に崩壊していました。いずれにせよ、後で入院することになっていたでしょう。
Rさん 警察署で、私はこう尋ねられました。「お父さんと一緒に暮らすのと、児童養護施設で暮らすのと、どちらがいいですか?」。だから私はこう答えました。「児童養護施設で」。正常じゃないですよね、通常は父親を愛している子どもが、突然父親と関わることを否定し、憎むようになるんですから。
ボッホ そのような質問についてどう思いますか?
Rさん 全くくだらないと思います、当時私はまだ5歳でしたから。
Nくん 私の記憶では、妹は5分前までは本当に不機嫌だったのに、5分後には元に戻っていました。
ボッホ では、そのような状況では何を勧めますか?質問の意図は正しい決断を下すことであり、それは子の利益になります。
Nくん 当時、母は私たちに、父親と一緒に暮らしたくないと常に言うべきだと叩き込んでいました。しかし、裁判官は私たちにその質問をしませんでした。裁判官は私たちに何歳かと尋ねました。
ボッホ では、裁判官はあなた方をその種の気まずい状況に全く陥らせなかったのですか?
Nくん いいえ、裁判官は私たちの日常生活がどんなものかを尋ねました。学校はどんな感じでしたか、みたいな。見当をつけるためなんですかね。
ボッホ 知っての通り、お母さんは当時病気でしたが、悪くはありませんでした。
Rさん 今では両親ととても親しい関係です。母と幾つかのことについて、父と他のことについて話すことができます。休日を楽しみにしています。今では我が家はほぼ普通です。
ボッホ あなたがお母さんを定期的に訪ねることを、お父さんがサポートしてくれている印象がありますか?
Rさん はい、応援してくれています!父のサポートは大切です。父は私たちが必ず母の所に行くようにしてくれます!
ボッホ 私にとって、あなた方二人の若者が子どもの時の経験を振り返るのを聞くのは貴重です。率直に話してくださって有難うございます。

Rさん 子どもにはママとパパが必要だと思います。なぜなら、子どもは両方の親から学ぶからです。覚えているんですが、私が小さい頃、私の友人の殆どが男の子だったんです。そして、私はいつも男の子になりたかったんです。後になって、母とコンタクトするようになって、それが改善し、女の子として良い気分になりました。私のクラスには、その逆のケースがあります。私の友人は母親と一緒に住んでいて、何でも怖がってよく泣きます。子どもが父親から学ぶのは、時々リスクを冒せる自信です。彼女にはそれが欠けていました。今、彼女は父親と再会し、状況は改善しました。
ボッホ あなた方の場合は、裁判所の強力な介入は不快で苦痛でしたが、振り返ってみると、介入は正しいことだったようです。
Nくん はい、正しいことでした!あの時は物事が急速に進んでいました。まず、お母さんが去り、次にYYに行くように言われました。私たちは二人とも、母が戻ってくると思っていました。
Rさん その後、YYに着いたとき、最初は数か月間母とコンタクトが取れませんでした。電話さえも。幼い子どもだったので、電話帳に母が載っているんじゃないかと時々探していました。母と全くコンタクトが取れないのは本当に辛かったです。
ボッホ あなた方には法定代理人が与えられましたね。役に立ちましたか?
Rさん 当時、彼女は私たちにとって本当に悪い人でした。
Nくん 母にとって、彼女は今でも悪魔の化身です。母は彼女を見ると怖がります、今でも。彼女は母に対してとても厳しかったんです。父以外では、彼女は物事をあるがままに見て、全てを適切に遣り遂げる最初の人でした。
ボッホ もう1つ:あなた方が未だお母さんの言ったことの全てを信じていたとき、お父さんに対して怒りを感じませんでしたか?今はどう思いますか?
Nくん 今日、父を侮辱したことも含めて、全てについて本当に申し訳なく思っています。YYに着いたとき、最初は二人とも父を全く信用していませんでした。
Rさん えぇ、そうでした!
ボッホ Nくん、このままで大丈夫か確信が持てなかったんですか?
Nくん その通りです。
ボッホ それで、いつから「これで安心できる、大丈夫」と感じたのですか?少しずつ感じ始めたのですか?
Nくん いつからか感じ始めてました-とてもゆっくり。約半年後ですかね。あの時期はとても大変でした-父にとっても-、あれこれと行ったり来たりでした。父はそのとき本当に癇癪を起こし、母はそれを利用して裁判を再開させました。
Rさん 父に対してどう感じたらいいのか、全くわかりませんでした。
母は父が悪い人だと言っていましたが、私の目の前にいるときは本当に優しくしてくれました。それでとても混乱しました。
ボッホ そのことについてお父さんと話すことは出来ましたか?
Nくん 話すことも出来たのでしょうが、その時は話さなかったと思います。後になって私たちはたくさん話しました。私たちは父と一緒にいましたが、最初は何も話しませんでした。
ボッホ それで、どうして今はお父さんと一緒に暮らしながら、お母さんに定期的に会いに行くようになったのですか?予想できませんでした。
Rさん 最初は、監視下で母と面談しました-心理学者が隣の部屋で座って待機していました。監視カメラのせいで母は何も言わなかったのかもしれません。
ボッホ 裁判官や専門家にアドバイスをするなら、何と言いますか?
Nくん 私は一方の親とのコンタクトが完全に断たれるのを防ぐ手助けをしたい。監視下での面談があるべきかもしれません。一方の親がもう何もできないようにすることは絶対に勧めません。子どもに手紙を書くことを許可します。監護親は手紙に悪いことが書かれていないか確認するために、手紙を読むことができるはずです。-特に、当時の私たちのような幼い子どもの場合はそうです。誰と一緒に暮らしたいかを子どもが決めなければならない状況に、子どもを置きたくはありません。
Rさん 子どもには両方の親がいることが重要だと思います。小さな子どもにとって、一方の親を訪ねることは、世間一般が思うほど酷いことではありません。小さな子どもは、時々、くだらないことをたくさん話すものです。
ボッホ 例え痛みを伴うものであっても正しいと今日お二人がともに述べた解決策を、あなた方は強制されたと言う者もいるでしょう。
Nくん もっと早く決断すべきでした!
ボッホ 子どもに決定を委ねることは、子どもに負担をかけ過ぎるということですか?
Nくん えぇ、責任が大きすぎます!青少年福祉事務所や裁判所は、安易な方法を選んでいると思います。
Rさん 子どもは判断できません。特に一方の親の影響下にある場合はそうです。一方の親の下では、子どもは言われたことを信じてしまうのです。
ボッホ 私たちは、当時のあなた方の状況、あなた方が当時どのように物事を感じたか、そして今、ある程度の距離を置いてどう見ているかを理解しようと努めてきました。当局がもっと早く介入すべきだったとおっしゃったのはとても興味深いと思いました。その振り返りは、あなた方が経験したような複雑な状況を評価する上で重要なきっかけになるかもしれません。この面接に快く参加してくださり、率直に話してくださり、本当に有難うございました!

 2人の「子ども」は現在、海外で上級生として暮らしている。心理的に安定し、自立した状態にあり、両方の親と定期的に良好なコンタクトを取っている。

診断手順

 LorandosとBernetが編集した「片親疎外:科学と法律」の実際の教科書[19]では、PAを経験する家族に対する診断方法と様々な介入について説明している。信頼できる診断には、全ての当事者(子ども、両親、その他の重要なアタッチメント対象者)の行動と態度を検討することが含まれる。
子どもが(ネグレクト、身体的虐待や性的虐待の実際の過去の出来事を受け、一方の親を正当に拒絶することを意味する疎遠とは対照的をなす)疎外を受けているという結論は、次の要因が満たされている場合にのみ導き出される[20]:

要因1:子どもが親との関係を、積極的に避け、抵抗し、または拒否する。
要因2:子どもと現在拒絶されている親の間に、以前は良好な関係があった。
要因3:拒絶されている親の側に、虐待やネグレクト、または深刻な養育不全がない。
要因4:子どもが好意を寄せる親の側が、複数の疎外行動の使用している。
要因5:子どもが疎外に関する8つの行動的兆候(非合理的な中傷キャンペーン、馬鹿げた合理化、正常な両価性の欠如、白黒思考、好意を抱いている親への反射的な支持、「借り物のシナリオ」の使用、「独立した思考者」現象など)の多くを示している

 事例研究では、両方の子どもが以前は父親と良好な関係にあったことを示している。父親の育児行動に異常は見られなかった。母親に関して、父親に関する歪んだイメージを否定的に伝えることによって子どもに移転し(「私は母親を信頼し、父親が悪い人だと言ったときにもそれを信じた」)、最終的に両方の子どもが父親を徹底的に拒絶するに至った、かなりの片親疎外行動を子どもは述べている。この事例では、5つの診断基準全てが当て嵌まった。

介入

 重大な誤謬、それは法廷やセラピーでの決定を危うくする可能性があるが、を指摘しているWarshak[12-14,21]は、片親阻害の重症度の程度の違い(軽度、中等度、重度)と、こうしたケースに介入して対処する方法を説明している。Warshakは介入プログラムを開発したが、これは「家族の架け橋」と呼ばれる、拒絶された親と子どもが、好意を抱いている親と他の家族メンバー抜きで一緒に参加する、構造化された、裁判所命令による、評価された、4 日間の教育ワークショップである。ワークショップの資料は、疎外された子どもと拒絶された親が一緒に過ごし、親子関係の修復に作用する安全な雰囲気をどのように作り出すかについての、社会心理学、認知心理学、児童発達心理学、社会学、社会神経科学において広く受け入れられている研究から引用されている。この介入プログラムの実施後、疎外された親とのコンタクトを裁判所から命令されていながら、その命令に従わなかった疎外された子どもの割合は、85%から6%に低下した。
 ヨーロッパの別の例としては、KarenとNick Woodallが率いるイギリス、ロンドンの家族別離クリニックの介入プログラムがある。彼らもまた、児童保護アプローチを採用している。疎外を特定した場合、子どものダイナミックな変化が可能になる条件を作り出し、子どもの分裂を即時に緩和することに基本を置く構造化された介入を実施するために、彼らは(制裁の脅威を通じて権力と支配の要素に対処する法的介入、および家族内の問題に対処するメンタルヘルスの介入において)法的介入とメンタルヘルスの連動を利用する。これには通常、可能な場合は現場での治療的介入を通じて拒絶された親との関係を即座に取り戻すか、裁判所が決定した場合には治療的橋渡し計画を伴う居所変更が含まれる。このアプローチは、可能な場合は疎外する親の行動を抑制し、抑制が不可能な場合は危害の原因から子どもを守ることによって、優先的に子どもを保護しようとするものである。更に常に、両方の親との関係を維持する子どもの権利を保護し、子どもの防衛的分裂の永続的な解決を支援する[22]。
 この事例研究では、ある時点で児童保護サービス、法定後見人、裁判所が2人の子どもを父親の元へ引き渡すという明確な決定を下したことが重要だった。裁判所が命じた引き渡しプロセスには心理的な側面が伴った。子どもたちは疎外する親の影響から安全に離れると、直ぐに以前拒絶していた親と再び感情的なつながりを築き始めた。

結びのことば

 上記の例で示したような、悲劇的な体験や病的な疎外とコンタクトの喪失による長期的精神的外傷性の影響の観点から、片親疎外の進行は個人的な家族の問題として見ることはできない。高葛藤の別離、離婚争い、および子どもが利用され操作されるその他の葛藤状況の事案では、片親疎外が進行するリスクがある。関係するすべての専門家による早期の積極的かつ学際的な協力が不可欠である。疎外行動という特別な心理的問題については、深く検討する必要がある。強制的な心理カウンセリング、命令的介入または対立をも辞さない介入、および構造的な家庭裁判所の措置(制裁または心理的支援を伴う監護権の譲渡)が必要である。片親疎外は監護権の問題であると同時に、子どもの保護の問題でもある。この場合、児童福祉事務所と家庭裁判所の監督機関はそれに応じて行動する必要がある[7,8,23,24]。診断と介入は、他のあらゆる形態の虐待(性的虐待、身体的虐待、ネグレクト)と同様に、その分野の経験豊富な専門家が迅速に行わねばならない[2,6,12-14,17,19,21-24]。
 心理的児童虐待やファミリーバイオレンスの一形態である片親疎外を無視することは、倫理に反する行為である。片親疎外が引き起こす子ども、親、および親戚への深刻で重大な危害を軽減することが、専門家による介入の主な焦点であり続けるべきである。片親疎外行為を止めることは、子の最善の利益と家族の健康を促進するために不可欠である[23]。疎外のプロセスを止めることも、永続させることもできる最終的な権限は、心理学や精神医学を専門にする家族裁判所専門家と協力する家族裁判所である。

参考文献

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(了)

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