さとう としお

海外の家族法制を勉強中。政府刊行物を少しずつ翻訳、紹介していきます。

さとう としお

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マガジン

  • 親が離婚した子どもへの支援システムとしての学校の役割

    殆どの子どもは、毎週目を覚ましている時間の約3分の1を学校や学校関連の活動に費やしている。従って、親が離婚した子どもへの支援システムとして、学校は重要な役割を果たすことができ、また、果たすべきである。

  • 親同士の関係を強化し、子のアウトカムを向上させるのに有効な事

    本報告書の主な目的は、子どもの発達に関する影響力として夫婦関係の役割を強調する最新のエビデンスを、現代の家族とそれを構成する大人や夫婦、親子どもといった個人の人生の可能性の向上を目指す政策立案者、委員会、実務家に向けた勧告とともに、検討し、アクセスできるようにすることです。

  • 共有身上監護 ~監護権の取決めにおける学際的洞察~

    このオープンアクセスの書籍は、法的、心理学的、家族社会学的、人口統計学的な洞察を提供することによって、共有身上監護下の子どもが増加し続ける現象の概要を提供する。長期間にわたり崩壊家族が漸増していたにも拘らず、離婚家庭の子どもに対する監護権の取決めが激変したのはここ10年のことであり、子育てにおけるジェンダー革命が起こっていることを述べている。本書は学際的な共同研究であり、人口学、社会学、心理学、法学、政策立案など、家族研究や監護権に関心を持つ社会科学者にとって興味深い内容となっている。

  • 不払い養育費の確保のための支援に関するタスクフォース

    養育費の不払いの解消は、子どもの健全な成長や子どもの未来のために重要な課題ですが、養育費確保のための公的支援の問題が、近時、重要なテーマとして問題提起されています。 そこで、法務省と厚生労働省が連携してこの問題に関する実務的検討を行い、必要な取組を加速させるとともに具体的な論点の整理や課題の分析等を進めるため、両省の担当官を構成員とするタスクフォースを設置しました。(法務省HPより」)

  • 実子誘拐(Parental Abduction)

    実子誘拐とは、離婚や監護権の獲得、一方の親への復讐のために、一方の親に連絡をせずに、自分の子どもを自宅から連れ去ることです。実子誘拐は、子どもに悪影響を与える児童虐待、残された親に対するドメスティックバイオレンスであり、欧米では犯罪とされています。

最近の記事

2024年5月施行 改正オーストラリア家族:家族法専門家向けファクトシート

 本記事はオーストラリア政府・司法長官省HPの「家族と結婚>家族と結婚に関する出版物」に掲載されている「2024年5月施行 改正家族法:家族法専門家向けファクトシート」の和訳版「改正家族法-2024 年 5 月施行」(在日オーストラリア大使館HPに掲載)を転載し、対象となる条文をクリエイターが補足欄で追加したものです。  このファクトシートは、家族法の専門家に、1975年家族法の2024年の変更に関する情報を提供します。均等な共同親責任の廃止を含む親責任の枠組みの変更と、裁判

    • 第5章 親が離婚した子どもへの支援システムとしての学校の役割

      この文献はオープンアクセスです。原題名、原著者名は以下の通りです。 掲載書:Electronic Theses and Dissertations. Paper 704. https://dc.etsu.edu/etd/704 原題名:The School's Role as a Support System for Children of Parental Divorce. 原著者:Constance Myers 第5章調査結果、結論、および推奨事項の要約 要約  離

      • 片親疎外︰子の最大の不利益

        この文献はオープンアクセスです。原題名、原著者名は以下の通りです。 掲載書:Parenting - Challenges of Child Rearing in a Changing Society 原題名:Parental Alienation: In the Child’s Worst Interest 原著者:Teresa C. Silva 片親疎外:子の最大の不利益テレサ C. シルバ 概要  片親疎外(PA)は、一方の親がもう一方の親への復讐を目的として、もう

        • 民法等の一部を改正する法律の概要

          この記事は、法務省HPの「法務省の概要>組織案内>内部部局>民事局>民事に関する法令の立案関係>民法等の一部を改正する法律(父母の離婚後等の子の養育に関する見直し)について」に掲載されている「改正の概要【PDF】」と「2024 Family Law Reform in Japan【PDF】」を転載したものです。 民法等の一部を改正する法律の概要【背景・課題】 父母の離婚が子の養育に与える深刻な影響、子の養育の在り方の多様化 現状では養育費・親子交流は取決率も履行率も低調

        マガジン

        • 親が離婚した子どもへの支援システムとしての学校の役割
          6本
        • 親同士の関係を強化し、子のアウトカムを向上させるのに有効な事
          11本
        • 共有身上監護 ~監護権の取決めにおける学際的洞察~
          5本
        • 不払い養育費の確保のための支援に関するタスクフォース
          9本
        • 実子誘拐(Parental Abduction)
          15本
        • 父母の離婚後の子の養育に関する海外法制調査結果
          10本

        記事

          父母の離婚に伴う子の養育に係る各国の民事法制等に関する調査研究業務報告書の概要

           この記事は、法務省HPの「法務省の概要>組織案内>内部部局>民事局>民事に関する法令の立案関係>父母の離婚に伴う子の養育・公的機関による犯罪被害者の損害賠償請求権の履行確保に係る各国の民事法制等に関する調査研究業務報告書の公表について」に掲載されている「調査研究業務報告書の概要【PDF】」を転載したものです。  本調査は,法務省が,令和2年度中に,面会交流,養育費を含む父母の離婚に伴う子の養育や,公的機関による犯罪被害者の損害賠償請求権の履行確保等に関して,①アメリカ(カ

          父母の離婚に伴う子の養育に係る各国の民事法制等に関する調査研究業務報告書の概要

          ♛教育省>学校と地方自治体向けガイダンス 親責任に関する問題の理解と対処

           この記事はイギリス政府の教育省ホームページの「親責任:学校と地方自治体向けガイド」の一部「親の責任に関する問題の理解と対処」を翻訳したものです。  この書面は、学校運営組織、学校のリーダー、学校職員、地方自治体、教育委員会向けの、公立学校、アカデミーとフリースクール、保育所を対象とした、親責任者、子の監護権争いが生じた場合の対処法、子の教育記録に関するアクセス権に関するガイダンスです。  教育省は児童福祉及び教育(義務教育、継続教育、高等教育)を中心に、イングランドにおける

          ♛教育省>学校と地方自治体向けガイダンス 親責任に関する問題の理解と対処

          第4章 親が離婚した子どもへの支援システムとしての学校の役割

          この文献はオープンアクセスです。原題名、原著者名は以下の通りです。 掲載書:Electronic Theses and Dissertations. Paper 704. https://dc.etsu.edu/etd/704 原題名:The School's Role as a Support System for Children of Parental Divorce. 原著者:Constance Myers 第4章データの分析 本研究の目的は、両親が離婚した子どもへ

          第4章 親が離婚した子どもへの支援システムとしての学校の役割

          バージニアビーチ市教育委員会 方針と規則(抄訳)

           バージニアビーチは、アメリカ合衆国バージニア州(州都リッチモンド、人口830万人)南東端に位置し、州内で人口がもっとも多い(46万人)都市。チェサピーク湾から大西洋にかけて続くビーチは総延長38マイルにおよび、ビーチ沿いにはホテルやモーテル、レストランが建ち並び、一大リゾート地を形成しています。  この記事はそのバージニアビーチ市の教育委員会ホームページから「方針と規則」の第5節「学生」一部(規則5-10.2)を翻訳したものです。 方針と規則 教育委員会細則は、教育委員会

          バージニアビーチ市教育委員会 方針と規則(抄訳)

          第3章 親が離婚した子どもへの支援システムとしての学校の役割

          この文献はオープンアクセスです。原題名、原著者名は以下の通りです。 掲載書:Electronic Theses and Dissertations. Paper 704. https://dc.etsu.edu/etd/704 原題名:The School's Role as a Support System for Children of Parental Divorce. 原著者:Constance Myers 第3章方法論 本章では、現象学的研究を完成させるために使用

          第3章 親が離婚した子どもへの支援システムとしての学校の役割

          第2章 親が離婚した子どもへの支援システムとしての学校の役割

          この文献はオープンアクセスです。原題名、原著者名は以下の通りです。 掲載書:Electronic Theses and Dissertations. Paper 704. https://dc.etsu.edu/etd/704 原題名:The School's Role as a Support System for Children of Parental Divorce. 原著者:Constance Myers 第2章文献のレビュー 社会が子どもや青年の問題に適切に対処

          第2章 親が離婚した子どもへの支援システムとしての学校の役割

          第1章 親が離婚した子どもへの支援システムとしての学校の役割

          この文献はオープンアクセスです。原題名、原著者名は以下の通りです。 掲載書:Electronic Theses and Dissertations. Paper 704. https://dc.etsu.edu/etd/704 原題名:The School's Role as a Support System for Children of Parental Divorce. 原著者:Constance Myers 第1章序論 リリーの両親が離婚したのはリリーが6歳の時で、

          第1章 親が離婚した子どもへの支援システムとしての学校の役割

          扉 親が離婚した子どもへの支援システムとしての学校の役割

          この文献はオープンアクセスです。原題名、原著者名は以下の通りです。 掲載書:Electronic Theses and Dissertations. Paper 704. https://dc.etsu.edu/etd/704 原題名:The School's Role as a Support System for Children of Parental Divorce. 原著者:Constance Myers この論文( 制限なし)は、イーストテネシー州立大学のStu

          扉 親が離婚した子どもへの支援システムとしての学校の役割

          北アメリカとヨーロッパの37か国における共同身上監護と青年の人生の満足度

          この文献はオープンアクセスです。原題名、原著者名は以下の通りです。 掲載書:Family Process Volume60, Issue1 March 2021 Pages 145-158 原題名:Joint Physical Custody and Adolescents’ Life Satisfaction in 37 North American and European Countries 原著者:Anja Steinbach, Lara Augustijn, Ger

          北アメリカとヨーロッパの37か国における共同身上監護と青年の人生の満足度

          片親疎外:深刻な心理的児童虐待の一形態~世界的な健康問題

          この文献はオープンアクセスです。原題名、原著者名は以下の通りです。 掲載書:Ann Case Report 14: 566. 原題名:Parental Alienation: A Serious Form of Child Psychological Abuse - A Worldwide Health Problem 原著者:Wilfrid von Boch-Galhau 症例報告年報症例報告片親疎外:深刻な心理的児童虐待の一形態~世界的な健康問題ウィルフリッド・フォン・

          片親疎外:深刻な心理的児童虐待の一形態~世界的な健康問題

          デンマークにおける離婚後の分担子育てと父親の関与

          この文献はオープンアクセスです。原題名、原著者名は以下の通りです。 掲載書:Frontiers in Psychology 原題名:Shared parenting and father involvement after divorce in Denmark 原著者:Kristian Sandberg なお、これまでco-parentingを共同子育てと訳出してきたので、本論文では、childcare、parental caregivingを育児、shared parent

          デンマークにおける離婚後の分担子育てと父親の関与

          片親疎外-十分根拠のある経験か?

          この文献はオープンアクセスです。原題名、原著者名は以下の通りです。 掲載書:Scandinavian Journal of Public Health, 1-9 原題名:Parental alienation – a valid experience? 原著者:Eivind Meland, Dag Furuholmen and David Jahanlu. アイヴィン・メランド、ダグ・フルホルメン、ダヴィド・ジャハンルー 要旨 背景:「片親疎外」という現象は議論の的となっ

          片親疎外-十分根拠のある経験か?