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北アメリカとヨーロッパの37か国における共同身上監護と青年の人生の満足度

この文献はオープンアクセスです。原題名、原著者名は以下の通りです。
掲載書:Family Process Volume60, Issue1 March 2021 Pages 145-158
原題名:Joint Physical Custody and Adolescents’ Life Satisfaction in 37 North American and European Countries
原著者:Anja Steinbach, Lara Augustijn, Gerrit Corkadi

北アメリカとヨーロッパの37か国における共同身上監護と青年の人生の満足度

アニャ・シュタインバッハ
ララ・アウグスティン
ゲリット・コルカディ

要旨

 共同身上監護とは、別離または離婚後に子どもがそれぞれの親とほぼ均等に暮らす親の養育の取決めであり、多くの西洋諸国でますます一般的になりつつある現象である。家族学者、弁護士、法律専門家が注目しているものの、共同身上監護(JPC)の普及率に関する数字は殆ど存在しない。更に、JPCが子どものウェルビーイングに及ぼす影響について、大規模で代表的なデータを用いた研究はまだ稀である。この研究のデータは、「学齢期の子どもの健康行動(HBSC)」から得たもので、これは2002年、2006年、2010年に実施された、ヨーロッパと北アメリカの37か国における青年の代表的な国際比較調査であり、11歳、13歳、15歳の学生(N = 92,886)の情報が含まれていた。最初に、家庭崩壊後の対称的なJPCは、大多数の国で依然として非常に稀(5%以下)であるが、一部の国では10~20%に達することが結果から明らかになった。次に、ひとり親家庭における青年の人生の満足度は、非対称の養育の取決めよりも対称なJPCの取決めの方が高い。しかし、子どもと家族の特性を統制すると、その差はなくなる。従って、青年の人生の満足度を高めるのは、対称的なJPCの取決めではなく、別離または離婚した親がそのような養育の取決めを選択することに関連する子どもと家族の特性である。

キーワード:青年、ヨーロッパ、「学齢期の子どもの健康行動」、共同身上監護権、人生の満足度、北アメリカ

 ヨーロッパと北アメリカの別離率と離婚率が高い状況(Cherlin, 2017; Härkönen, 2014)では、家庭崩壊した後の子どものウェルビーイングは、最も重要な懸念事項の1つである。実証的研究によると、ひとり親家庭の子どもは、様々な行動的、感情的、社会的、認知的アウトカムの尺度において、実の両親と暮らす子どもよりもスコアが低い傾向にあることが一般的に示されている(概要については Amato, 2010; Härkönen, Bernardi, Boertien, 2017を参照)。従って、彼らの全体的なウェルビーイングと主観的な人生の満足度も低くなる(Bjarnasonら, 2012; Levin, Dallago, & Currie, 2012)。ただし、影響の大きさが小さい場合もあり、更に、研究結果から、子どものアウトカムにはかなりのバラツキがあることが明らかになった(Amato & Anthony, 2014; Hadfield, Amos, Ungar, Gosselin, & Ganong, 2018)。
 従って、両親の揃った家庭とひとり親の家庭で暮らす子どものウェルビーイングの違いだけに焦点を当てると、ひとり親家庭の子どものグループ内の潜在的に重要な差異が無視されることになる。そこで、私たちは、家庭崩壊の一般的な影響に焦点を当てるより寧ろ、異なる監護の取決めで暮らすひとり親家庭の子どもを比較して、このグループの子どもに起こり得る(不)利点を検証する(同じ議論については、Powell, Hamilton, Manago, &Cheng, 2016、および同じアプローチについては、Bakker&Mulder 2013; McIntosh, Smyth, &Kelaher, 2013を参照)。それ故、研究課題は、ひとり親家庭の子どもが両親の揃った核家族の子どもよりも悪い様態になる理由ではなく、家庭崩壊後に子どもが適応するのに役立つ条件は何かということである。
 家庭崩壊後の子どものウェルビーイングにとって最も重要な要因として特定されている要因の1つは、父親の関与である。両親の別離後、大多数の家庭で子どもが母親と一緒に暮らし、父親とのコンタクトや関わりが減ったり、全くなくなったりするのは世界的な現象である(例えば、Holt, 2016; Kalmijn, 2015; Köppen, Kreyenfeld, & Trappe,2018)。しかし、家庭崩壊後に父親が子どもと関わることは、多くの点で子どものウェルビーイングにプラスの影響を与えることが示されている(例えば、Adamsons & Johnson, 2013; Beckmeyer, Stafford Markham, & Troilo, 2019; Kalmijn, 2016; Poortman, 2018)。それ故、子どものウェルビーイングと、子どもが両方の親と過ごす時間を承認するひとり親家庭における身上監護の取決めとの間には関連があると予想できる。
 家庭崩壊後の身上監護の取決めは、単独身上監護(SPC;子どもが一方の親と常にまたは大部分の時間を共に過ごす)と共同身上監護(JPC;子どもが両方の親とほぼ均等に過ごす)とに分けられる。単独身上監護が依然として標準ではあるが、多くの西洋社会では共同身上監護がますます一般的になりつつある(Smyth, 2017)。別離後または離婚後に両親がどの監護の取決めを選択するか、身上監護の取決めが子どものウェルビーイングにどのような影響を与えるかは、主に特定の国の社会的および文化的要因によって決まる。更に、法制度の違いが、裁判所が通常承認する監護権の選択肢に大きな影響を与える可能性がある。家族学者、弁護士、法律専門家がJPCに大きな注目を払っていることを考えると、殆どの国でJPCの普及率に関する数字がまだ欠けているのは驚くべきことである。これは、世帯を跨る監護の取決めに関する代表的なデータが依然として非常に少ない事実によるのかもしれない(Steinbach, 2019)。
 それ故、本研究の第一の目的は、「学齢期の子どもの健康行動(HBSC)」の研究の対象となっているヨーロッパと北アメリカの37か国における対称的なJPCの割合を推定することである。HBSCは、2002年、2006年、2010年に実施された、11歳、13歳、15歳の青年を対象とした代表的な国際比較調査である(N = 92,886, Currieら, 2012)。第二の目的は、対称的なJPCの取決めと非対称的な身上監護の取決めの間で青年の人生の満足度が異なるかどうか(異なるなら、その理由は何か)という疑問に答えることである。この研究を行うにあたり、私たちはヨーロッパと北アメリカ諸国の大規模な代表的データを使用し、両親が揃っている核家族で暮らす子どもと比較する代わりに、異なる監護の取決めの下で暮らすひとり親家庭の青年の人生の満足度を互いに比較することにより、研究の空白を埋めている。

背景

 前述のように、家庭崩壊に関する研究では、子どものウェルビーイングが最も重要な関心事の1つでる(概要についてはAmato, 2010; Härkönenら, 2017を参照)。これは、親の別離や離婚が子どもに長期的な悪影響を及ぼす可能性があり(Bernardi & Radl, 2014)、更に、孫などの次の世代にさえ悪影響を及ぼす可能性がある(Amato & Cheadle, 2005)からである。先行研究は、一般的に、別離または離婚した両親を持つ子どもは、身体的および心理的ウェルビーイングや学業成績など、様々なアウトカムで成績が悪かったことを示した(例えば、Amato, 2010; Härkönenら, 2017)。
 理論的説明は、一方では選択仮説(Amato, 2000; Hadfieldら, 2018)に基づいており、これは、家庭崩壊が子どもに与える悪影響は、崩壊の原因となった親の個人的特性によって引き起こされると仮定している。更に、これらの個人的特性は、親から子どもに伝わる可能性もある。他方では、多くの研究が不安定性仮説(Amato, 2000; Hadfield ら, 2018)に言及しており、これは、親の別離または離婚によって引き起こされる、ストレスの増加とリソースの減少による子どもの適応の問題を説明している。しかし、離婚ストレス適応の観点には、別離や離婚のプロセスによって引き起こされるストレス要因を緩和できる保護要因(例えば、離婚の定義と意味、人口統計学的特性)も含まれている(Amato, 2000)。
 実証的研究で特定された親と子どもの両方にとっての主なストレス要因の1つは、単独身上監護だった(Bernardi, Mortelmans, Larenza, 2018)。全ての国で、家庭崩壊した後、子どもは主に母親と一緒に暮らし、父親はある程度の訪問権を有している。このため、母親は通常、育児、家事、仕事の主たる責任を負い、過重なストレスを感じている(Bernardiら, 2018)。一方、父親は子どもの生活から排除されることで苦しむことがある(Waldvogel & Ehlert, 2016)。従って、研究結果は、ひとり親家庭では経済的、社会的、感情的リソースが少ないため、子どものウェルビーイングが大幅に低下することが繰り返し示していた(例えば、Brown, Manning, & Stykes, 2015 ; Harkness, & Salgado, 2018)。対照的に、多くの実証研究は、両親の別離後の父親の関与は子どものアウトカムにプラスの影響を与えることを明らかにした(Adamsons & Johnson. 2013; Lamb, 2010)。ただし、これは父親が別離または離婚前に子どもの生活に関わっていた場合にのみ当てはまるようである(Poortman, 2018; Westphal, Poortman, & Van der Lippe, 2014)。更に、離婚後の親同士の葛藤が激しいと、両親の揃っていない家庭の子どもに悪影響を与える可能性がある(Kalmijn, 2016; Stokkebekk, Iversen, Hollekim, Ness, 2019)。これは、高葛藤と子育ての質の低さが関連しているためである(Elam, Sandler, Wolchik, Tein, 2016, 2019)。しかし、その文脈で考慮すべき要素は、葛藤のレベルだけではない。子どもが葛藤に曝されること、特に子どもが親同士の葛藤の解決に曝されることも、子どものウェルビーイングに関係している(例えば、Harold & Sellers, 2018)。敵対的、無関心、非協力的な形態の親同士の葛藤は、子どもの不安や外在化の問題を強く予測する(Warmuth, Cummings, & Davies, 2019)。
 家庭崩壊後の新しい身上監護の取決めは、殆どの国の現在の標準よりも遥かに多い父親の関与を特徴としており、JPCと呼ばれている。この用語は、両親の別離後または離婚後の子どもの居所を指し、子どもが両方の親の家で30%から70%の範囲で重要な時間を過ごす場合に使用される(Steinbach, 2019)。より具体的には、身上監護の取決めは、次の5つのカテゴリーに分けることができる;母親の単独身上監護(母親の家で71~100%)、主たる居所が母親の家である非対称なJPC(母親の家で51~70%)、対称なJPC(母親の家で50%、父親の家で50%)、主たる居所が父親の家である非対称JPC(父親の家で51~70%)、父親の単独身上監護(父親の家で71~100%)。一般的に、共同身上的監護権(共同養育時間)は法的監護権(共同意思決定)に対応するが、必須ではない。
JPCの普及率は、データベースが全く異なることと、JPCを定義するために使用される閾値が大きく異なること(70~30%、60~40%、50~50%;Steinbach, 2019)により、国同士で比較することが困難である。しかし、一部の国では他の国よりも遥かに広く普及しているようである。とはいえ、ベルギー(Vanassche, Sodermans, Declerck, & Matthijs, 2017)とスウェーデン(Bergströmら, 2015)では、JPCの家庭(対称および非対称)が別離した家庭または離婚した家庭全体の約40%を占めており、オーストラリア(16%)(Smyth&Chisholm, 2017)やスペイン(15%;Solsona&Spijker, 2016)などの他の国では、このような養育の取決めはそれほど普及していない。結局のところ、この現象が知られており、それ故にある程度注目されている国についてのみ数字がある。殆どの国については、数字がわからない。
 様々な国におけるJPCの取決めの普及に関して、私たちの知識にこのような格差があることは、親ならびに子どものウェルビーイングにJPCが及ぼす効果に関する研究結果に影響を与えている。既存の研究の殆どは、JPCが非常に一般的な国のデータに基づいている。それ故、これらの研究結果が他の国にも同様に当て嵌まるかどうかという疑問が生じた。要するに、JPCの取決めで暮らす子どもと核家族の子どもやSPCの取決めで暮らす子どもとを比較した研究の大半は、子どものウェルビーイングに中立的影響や肯定的な影響があることを示している(概要についてはSteinbach, 2019参照)。ただし、これらの結果は一般化する前に慎重に検討する必要がある。まず、前述のように、それらの結果は僅かな国(例えば、ベルギーやスウェーデン)に限定されていた。次に、これはより深刻な懸念事項であるが、そのJPCが、明確な選ばれし親のグループが選択した取決めを研究のデータの基礎としたものだったことである。JPCの親は通常、SPCの親よりも社会経済的特徴に関して恵まれており、葛藤のレベルが低く、平均してお互いに近くに住んでいた(Steinbach, 2019)。これは、JPCがより普及している国にも当て嵌まった。
 にも拘らず、子どもは、葛藤が激化することなく共同の子育て戦略を練った前向きな家庭環境への父親の関与から恩恵を受けているようだった(Emery, 2016; Kalmijn, 2016)。更に、親もJPCの取決めから恩恵を受けた。特に母親は自分の状況に満足し、時間的なプレッシャーを感じにくくなり、余暇活動と労働力参加の両方に多くの時間を費やすことができた(Bakker & Karsten, 2013; Botterman, Sodermans, & Matthijs, 2015; Cashmoreら, 2010; Van der Heijden, Poortman, & Van der Lippe,2016)。別の研究では、JPCを実践している親はSPCを実践している親よりも身体的健康および精神的健康に関して優れていることも明らかになった(Melli & Brown, 2008)。しかし、親の監護の取決めと親の主観的ウェルビーイングとの間に直接的な関連性は見出せなかった。一方で、子どもとのコミュニケーションは母親と父親の主観的ウェルビーイングに間接的に影響を与えてい(Sodermans, Botterman, Havermans, Matthijs, 2015)。
 更に、親子コミュニケーションの質は、青年の「人生の満足度」に影響を与えた。母親や父親との会話に問題がある青年は、人生の満足度が低いと報告した(Bjarnasonら, 2012; Levinら, 2012)。そして、ひとり親家庭の青年は一般的に、両親の揃った家庭の子どもよりも母親と父親の両方と会話をするのに大きな困難を抱えていたが、「共同身上監護で暮らす子どもは、両親の揃った家庭で暮らす子どもに比べ、両親とコミュニケーションにおいて同等かそれ以下の問題を抱えてはいたものの、他の種類のひとり親家庭の子どもよりも、そのような問題は少なかった」(Bjarnason&Arnarsson, 2011, p.885)。更に、家族構成と青年の人生の満足度または幸福度との関連についての先行研究は、核家族の青年が、両親が別離または離婚した家庭の青年よりも人生の満足度と幸福度のレベルが有意に高いと報告したことを明らかにした(Bjarnasonら, 2012; Levinら, 2012; Robson, 2010; Walper, Thönnissen, & Alt, 2015)。繰り返しになるが、家庭崩壊後にJPCの取決めで暮らしている青年は、SPCの取決めで暮らしているより満足を感じていた(Bjarnasonら, 2012; Levinら, 2012)。この関連の主要な緩和変数は、社会経済的背景(SES)と親とのコミュニケーションの質であった(Bjarnasonら, 2012; Levinら, 2012)。

方法

サンプル

 分析は、国際比較調査および横断的調査である「学齢期の子どもの健康行動(HBSC)」(http://www.hbsc.org/)に基づいている。HBSC研究は、世界保健機関(WHO)ヨーロッパ地域事務所の協力を得て、国際的な学際的研究ネットワークチームが実施し、データは全ての参加国および地域で同じ研究プロトコルを使用し、学校ベースの調査を通じて収集した。学生の選択(11歳、13歳、および15歳)は、最初のサンプリング単位が学校のクラスである、クラスター抽出法で行った(国によって学校制度が異なるため、サンプリングに若干の調整を加えた)。HBSCのデータには、ヨーロッパと北アメリカの40を超える国と地域が含まれており、2001/2002年、2005/2006年、2009/2010年、および2013/2014年に実施された。この研究は横断的デザインのため、学生はデータ収集の1回のみ参加した。
 2013/2014年の調査から家庭崩壊後の家を跨ぐ監護の取決めに関する質問が削除されたため、サンプルを研究の最初の3回(2002年、2006年、2010年)に制限せねばならなかった。これらの3波に渡るデータをプールし、ベルギーのオランダ語圏とフランス語圏部品(ベルギー)、同じくスコットランド、イングランド、ウェールズ(イギリス)で収集されたデータを組み合わせると、最終的に次に示すヨーロッパと北アメリカの39か国、581,838件になった。:アルメニア、オーストリア、ベルギー、ブルガリア、カナダ、クロアチア、チェコ共和国、デンマーク、エストニア、ドイツ、ギリシャ、グリーンランド、ハンガリー、フィンランド、フランス、アイスランド、アイルランド、イスラエル、イタリア、ラトビア、リトアニア、ルクセンブル、マケドニア、マルタ、オランダ、ノルウェー、ポーランド、ポルトガル、ルーマニア、ロシア、スロバキア、スロベニア、スペイン、スウェーデン、スイス、トルコ、イギリス、ウクライナ、アメリカ。
 しかし、リトアニアとマルタを除外せざるをえなかった。リトアニア(n = 16,615)のデータには共同身上監護のケースが1件も含まれておらず、マルタ(n = 3,384)のデータには青年の人生の満足度がアンケートに含まれていなかったためである。従って、件数は561,839に減少した。次のステップでは、世帯構成に関する欠落したまたは役に立たない情報(n = 28,260)、核家族の学生(n = 434,479)、サンプリング年齢範囲に該当しない学生(n = 1,650)を伴う全てのケース、および従属変数「人生の満足度」に関するデータが欠落しているケース(n = 4,572)を削除した。最終的な分析サンプルは92,886件になった。これは、他の全ての変数の欠損値を国別の多重代入で置き換えたためである(子どもの健康= 2,155 [2.3%]、家庭の豊かさ= 2,073 [2.2%]、母親とのコミュニケーション= 4,603 [ 4.9%]、および父とのコミュニケーション= 6,326 [6.8%])。データの国別クラスター構造を統制するために、階層線形モデルを実行した(Gelman&Hill, 2006)。

従属変数

 人生と幸福の総合的判断としての青年の人生の満足度は、以下の質問を伴う「カントリル・ラダー」(Cantril, 1965)の改良版で測定した:「ここに梯子の絵真があります。はしごの上部”10”はあなたにとって最高の人生であり、下部の”0”はあなたにとって最悪の人生です。全般的に、今あなた梯子のどこに立っていると感じていますか?」。回答カテゴリーの範囲は0 =「最悪の人生かもしれない」と10 =「最高の人生かもしれない」の範囲だった(HSBC研究における青年で使用するための信頼性と妥当性については、Leven&Currie, 2014参照)。

独立変数

 私たちは、第一の家と第二の家の存在、そこに誰が住んでいるのか、そして思春期の子どもが第二の家で過ごす時間についての3つの共同質問を使用して別離後の身上監護の取決めを作成した。⒜第一の家に関する質問は、「全ての家庭が同じではありません(例えば、両親と一緒に住んでいる人ばかりではなく、一方の親とだけ一緒に住んでいる人もいれば、2つの家を持っている人や2つの家族と一緒に住んでいる人もいます)。私たちはあなたの家族について知りたいのです。あなたが常にまたは殆どの時間暮らしている家についてこの最初の質問に答え、そこに住んでいる人にチェックを入れてください」だった。⒝第二の家:「両親が別離または離婚している場合など、別の家や別の家族がいますか?そこに住んでいる人にチェックを入れてください」。両方の質問に対する回答カテゴリーは、1 =「母親」、2 =「父親」、3 =「継母(または父親のガールフレンド)」、4 =「継父(または母親のボーイフレンド)」、5 =「祖母」、6 =「祖父」、7 =「里親家庭または児童養護施設に住んでいる」、8 =「他の誰かまたはどこか」。⒞更に、青年に、2番目の家でどれくらいの時間を過ごすかを尋ねた。1 =「半分の時間」、2 =「定期的に過ごしてはいるが、半分未満の時間」、3 =「時々」、4 =「殆ど過ごさない」。これらの質問への回答に基づいて、私たちは、ひとり親家庭における身上監護の取決めを、次のように区別することができた。1 =「非対称な身上監護の家庭(1つの家)」、2 =「非対称な身上監護の家庭(2つの家)」、3 =「対称の共同身上監護の家庭」。非対称の身上監護の家庭(1つの家)では、一方の実親(母親または父親のどちらか)が第一の家に住み、第二の家はなかった。それ故、これらの取決めは全て単独身上監護(SPC)家庭でした。非対称の身上監護の家庭(2つの家)では、一方の実親(母親または父親のどちらか)が第一の家に住み、もう一方の実親が第二の家に住んでいた。子どもの第二の家の滞在は、「定期的に過ごしてはいるが半分未満の時間」、「時々」、「殆ど過ごさない」だった。それ故、このカテゴリーには単独身上監護(SPC)家庭と非対称な共同身上監護(AJPC)家庭の両方が含まれる。対称な共同身上監護(JPC)家庭も2つの家を持つ家庭であるが、このカテゴリーは、子どもがどちらかの家で「半分の時間」を過ごす家庭向けに別に設定した。私たちは、対称的なJPCを50:50の養育の取決めでしか作成できなかったため(図1参照)、結果は非常に控えめな推定に制限された。ただし、50:50の取決めはJPCの理想であり、実証的研究は勿論のこと、理論的考察の大部分で50%の閾値を使用した。

図1 ヨーロッパと北アメリカの37か国におけるひとり親家庭における対称的な共同身上監護(JPC)の取決めの普及率 (N = 92,886)

統制変数

 私たちは、先行研究で主観的な人生の満足度と幸福度に関連すると示唆された一連の変数を統制した(Bjarnasonら, 2012; Levinら, 2012; Robson, 2010; Walperら, 2015)。考慮した子どもの特性は、年齢(1 = 「11 歳」、2= 「13 歳」、3 = 「15 歳」)、性別(0 = 「男性」、1 = 「女性」)、自己評価した健康 (1 = 「悪い」、2 = 「普通」、3 = 「良い」、4 = 「優れている」)だった。含まれる家庭特性は、「あなたの家庭はどれくらい裕福だと思いますか?」という質問を伴う「家庭の豊かさスケール」(FAS, Currieら, 2008)で評価した家庭の豊かさであり、回答カテゴリーは1 =「全く裕福ではない」、2 =「それほど裕福ではない」、3 =「平均的」、4 =「かなり裕福」、5 =「非常に裕福」だった。家庭の複雑さを考慮するために、第一の家と第二の家に関する質問(上記を参照)に基づいて、継親の存在を判断するダミー変数(0 =「いいえ」、1 =「はい」)を作成した。最後に、親とのコミュニケーションを評価するために、母親と父親のそれぞれに本当に自分が悩んでいることを話す際、どのくらい話し易いかを、次の回答カテゴリーを使用して子どもに示してもらった。1 =「とても話し易い」、2 =「話し易い」、3 =「話しにくい」、4 =「とても話しにくい」、5 =「この親には話さない、会いたくない」。分析では、母親と父親の両方について、困難カテゴリーと容易カテゴリーを1 =「話しにくい」(参照)、2 =「話し易い」、3 =「この親には話さない、会いたくない」に統合した。国の特性を考慮するために、ある国において対称的な共同身上監護家庭の割合は勿論、ひとり親家庭の割合も含めた。私たちは、国別割合:ひとり親家庭、国別割合:共同身上監護という2つの変数を作成した。集団的影響減少仮説(Albertini & Garriga, 2011)に基づくと、別居や離婚の割合が高くなれば高くなるほど、それらが子どものウェルビーイングに及ぼす悪影響は減少するはずである。第一に、別離や離婚が広く行き渡ることにより、それに伴う社会的偏見が軽減され、その結果、悪影響も減少する。第二に、別離や離婚が広く行き渡れば、家庭崩壊の選択性は低くなる。第三に、別離や離婚の影響が減少するのは、このような家族形態の特有のニーズをサポートする家族政策による可能性もある。同じことが共同身上監護家庭の割合にも当てはまると想定している。記述サンプル統計を、表S1と図S1に示す。

結果

ひとり親家庭における対称的な共同身上監護の取決めの普及率

 本研究の第一目的は、ヨーロッパと北アメリカの37か国における対称的なJPCの取決めの普及率を計算することだった。前述のように、家庭崩壊後に子どもが両方の親の家に半分ずつ滞在する(図1も参照)、対称的なJPCの普及率は、かなり控えめな推定値になるが、それは非対称的なJPCの取決めを無視しているためである。しかし、対称的なJPCは、往々にして、その議論の殆どの部分で、特に子どものウェルビーイングに関して、求められている理想と見做されている(Nielsen, 2018; Smyth, 2017)。更に、この数字は11歳、13歳、15歳の青年のみを対象としている。
 結果は、分布は国によって大きく異なってさえいるものの、対象となった全ての国に少なくとも何らかの称的なJPC家庭が存在することを示している(図1)。例えば、スウェーデンでは、両親の別離後に20%以上の子どもが約半分の時間を第二の家で過ごすが、ルーマニアでは僅か0.3%である。さほど驚くことではないが、北ヨーロッパ諸国と西ヨーロッパ諸国(例えば、ベルギー、アイスランド、デンマーク、ノルウェー、オランダ、フランス)および北アメリカ諸国(カナダ、アメリカ)は対称的なJPCの普及率が高く、東ヨーロッパ諸国と南ヨーロッパ諸国(例えば、ギリシャ、イタリア、ポルトガル、ポーランド、ハンガリー、ブルガリア)は対称的なJPCの普及率が低く、2つに分かれている。

監護の取決めによる人生の満足度

 私たちの第二目的は、家庭崩壊後の監護権の取決めと青年の人生の満足度との関係を調べることだった(表1)。独立変数と統制変数を段階的に組み入れた階層的線形回帰を行った。ベースライン モデルには、家庭崩壊後に様々な養育の取決めにおける青年の人生の満足度の違いを調べるために、監護の取決めのみが含まれている。2番目のモデルでは、方程式に子どもの特性を追加し、その後に家庭の特性も統制する3番目のモデルが続く。4番目で最後のモデルでは、最終的に2つの国レベルの変数を統制する。

表1 ヨーロッパと北アメリカの37か国における青年の人生の満足度を予測する階層的線形回帰

 ベースラインモデル(モデル1)は、非対称な身上監護権(1つの家または2つの家)で暮らす青年は、対称的な共同身上監護で暮らす青年に比べて、全体的な人生の満足度が低いことを明らかにした。2番目のモデル(モデル2)に子どもの特性(年齢、性別、健康)を導入した後、非対称な身上監護(1つの家または2つの家)の青年の人生の満足度が低いことを示す係数は約半分に減少したが、有意なままだった。しかし、家庭の特性(家庭の豊かさ、継親の存在、両親とのコミュニケーションの質)を含めると、監護の取決めによる違いが大幅に減少し(モデル3)、非対称な身上監護の家庭-1つの家を持っているか2つの家を持っているかに関係なく-と共同身上監護の家庭との間にはもはや有意な違いは見られなくなった。完全かつ最後のモデル(モデル4)では、国レベルの指標(ひとり親家庭および対称的なJPC家庭の国別割合)も考慮に入れても、結果は更に変わらなかった。ただし、私たちは集計された国の影響のみ考慮しており、特定の状況で生活する個々の家族に対する社会的、法的、文化的要因の影響を見落としている可能性がある。結果をまとめると、監護の取決めによる青年の全体的な人生の満足度の違いは、身上監護の問題ではなく、子どもや家庭の特性、とりわけ、家庭の豊かさと親子関係の質に依存しているようである。

考察

 この調査は2部構成であった。最初に、ヨーロッパと北アメリカの37か国のひとり親家庭における対称的な共同身上監護の取決めの普及率を計算した。次に、別離後の監護の取決めと青年の人生の満足度との関連性を調査した。分析はHSBC研究の3回(2002, 2006, 2010)の統合データに基づいている。HSBC研究は、世界保健機関(WHO)欧州地域事務局の協力を得て、国際的な学際的研究チームネットワークが実施した横断的かつ国を跨いだ調査である(Currie ら, 2012)。
 調査結果から、家庭崩壊後の対称的なJPCの取決め(母親と父親の両方の家で半分ずつ時間を過ごす)は、調査対象となった殆どの国で依然として稀な現象であることが明らかになった。3分の2の国では、対称的なJPCの普及率は依然として5%以下だった。しかし、一部の国では、対称的なJPCの割合が10~20%に達していた。研究に参加した国では、北ヨーロッパと西ヨーロッパ諸国および北アメリカ諸国では対称的なJPCの普及率が高く、東ヨーロッパと南ヨーロッパ諸国では対称的なJPCの普及率が低いという分割が見られた。
 別離後の監護の取決めと青年の人生の満足度の関連性については、階層的線形回帰の結果から、対称的なJPC家庭で暮らす青年は、非対称的な監護の取決めの青年よりも人生の満足度が高いことが明らかになった。家庭の特性(家庭の豊かさ、継親の存在、母親と父親の両方とのコミュニケーションの難しさ)を統制した後、対称的なJPCの取決めと非対称的な養育の取決めにおける青年の人生満足度の差は有意ではなくなった。従って、対称的なJPC家庭の子どもに有利なのは、身上監護の取決め自体ではなく、JPCを積極的に自ら選んだ親のグループによるものと結論付けることができる。特に、家庭の豊かさと両親とのコミュニケーションの質は、子どもの人生の満足度に大きな役割を果たしていた。
 この結果は、監護の取決めが子どもと親のウェルビーイングに与える影響は、経済的、社会的、感情的リソースの影響に比べて小さいことを明らかにした、他の研究の結果と一致している。(Jablonska & Lindberg, 2007; Köppenら, 2020; Sodermansら, 2015; Swiss & Le Bourdais, 2009; Vanasscheら, 2013)。更に、他の研究は、コンタクトの頻度、親同士の葛藤、および子どものウェルビーイングが関連していることを示している(Elamら, 2016, 2019; Kalmijn, 2016)。これはJPCの取決めにも当て嵌まる筈だが、JPCの親は依然として高収入、高学歴、低レベルの葛藤など、明確な選ばれしグループであるため、この点に関する研究はあまりにも少ない(例えば、Kitterød & Wiik, 2017; Poortman & van Gaalen, 2017)。従って、子どもと親のウェルビーイングを高めることでJPCを成功に導く決定要因について、更に適切な研究が必要である。それには、国を跨いだデータの緊急の必要性が含まれる。なぜなら、国の社会的、法的、文化的背景が、子どものウェルビーイングに対する身上監護の取決めの多大な影響を与えるためである。
 全ての実証的研究と同様に、この研究にも言及すべき幾つかの限界がある。第一に、対称的なJPCの取決めを分析できただけだったこと。身上監護の取決めの影響に関する理解を深めるには、60~40%または70~30%の閾値も含めると非常に有益であっただろう。更に、青年が各家庭で過ごす時間が、どんな時間帯か、昼間と夜間のいずれとしてカウントされたかが考慮できなかった。第二に、HBCS研究の設計上、ここで使用した全ての尺度は青年に限定し提供されたものだったこと。それ故、親からの情報は検証に使用できなかった。ただし、マルチアクター・データに頼ると、評価が分かれたり二次回答者の無回答バイアスが生じたりといった、別の方法論上の問題が発生する可能性がる(Kalmijn & Liefbroer, 2011)。第三に、残念ながら、分析を2002年、2006年、2010年のHBSCデータに限定せざるを得なかったこと。2013/14年のHBSCコア質問票には2番目の家に関する変数が含まれていなかったためである。それ故、より最近の数字を入手できなかった。第四目に、本研究の横断的デザインでは、同じ青年のデータを時系列で複数回含めることができなかったこと。それ故、因果関係について結論を導くことはできない。更に、人生の満足度や監護の取決めの変化を捉えておらず、今後の研究で取り組む必要がある。第五に、対象国における件数が少なく、監護の取決めと青年の人生の満足度との関連性を国レベルで調査することが不可能だったこと。第六に、全体的な人生の満足度の測定には、1つの項目(カントリル・ラダー)のみに頼らざるを得なかったこと。この項目の妥当性と信頼性はHBSC研究で証明されているが、青年の人生の満足度を多くの異なる人生領域(領域別の人生の満足度)に関して測定したり、心理的ウェルビーイングに関する他の測定も含めたりできれば有益だったであろう。第七に幾つかの指標(例えば、親の教育レベル、親の葛藤レベル、別離または離婚からの経過時間)を統制変数として含めることができなかったこと。HBSCではこの種の情報が提供されなかったためである。
 これまでのところ、家庭崩壊後の共同身上監護の養育の取決めは、西ヨーロッパ諸国のごく一部でしか一般的ではない。近年増加傾向にあるようだが、先駆けた国の間でも、普及率はある時点で横ばい状態になっている。既存の実証的研究の大半は、JPCの取決めで育った子どもは、多くのアウトカムがより良いことを明らかにしていた。私たちの研究も同じ結論に達した。しかし、他の多くの研究と同様に、JPCとSPCの子どもの違いは、子どもと家庭の特性を回帰モデルに導入した後、消滅していた。従って、JPC家庭の数が増え、JPCが普及しつつある時点で、子どもに与える影響について結論を出すには、更なる調査が必要である。
 まとめると、課程崩壊後に対称的な共同身上監護の取決めを実践している親は、未だに非常に稀であり、ごく少数の国でのみ広く普及している。しかし、実証的研究は、JPC家庭で育った子どもは、別離後の他の養育の取決めの子どもよりも良い状況にあることを示している。その理由の1つは、別離後にJPCを養育の取決めとして選択する親が、明確に選ばれし親だからである。本研究は、家庭の豊かさと母親と父親との容易なコミュニケーションが、青年の人生の満足度にとって最も重要であることを示している。斯くして、良好な経済基盤と質の高い人間関係が、青年のウェルビーイングに大きな役割を果たしている。

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補足情報

追加の補足情報は、この記事のオンライン版で見ることが出来る。:
 表S1 記述的サンプル統計-パーセンテージまたは平均(標準誤差)。
 図S1 ヨーロッパおよび北アメリカの37か国における全ての家庭におけるひとり親家庭および対称的な共同身上監護(JPC)の取決めの普及率 (N = 532,465)。

[訳者註]ベルギー Belgium
ベルギーは連邦制国家であり、フランデレン、ワロン、ブリュッセルの三地域に大別される。北部のフランデレン地域はオランダ語を公用語とするがフランス語・英語を習得している。南部に位置するワロン地域はフランス語を公用語とする。フランデレン地域とは異なり、ワロン地域ではオランダ語・英語の話者は非常に少なく英語はほとんど通じない。首都ブリュッセルは2言語併用地域。ワロン地域のドイツ国境地域ではドイツ語が公用語。

[訳者註]カントリル・ラダー Cantril ladder
1965年にHadley Cantril) が、著書 「The Pattern of Human Concerns」で紹介し、多くの人に知られるようになった。この尺度は、国連が毎年3月20日に発表する「世界幸福度調査(ウェルビーイング調査)」の設問にも用いられ、平均値を算出しランキング化している。測定はいたってシンプルで「自分にとって最良の人生から最悪の人生の間を10段階に分けたとき、いま自分はどこに立っていると感じるか」という設問に対して回答するだけである。

(了)

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