国際学会IAHPEDSに参加!(4)
日本で行われた体育の国際学会IAHPEDSのレポートシリーズ。4回目は当研究会メンバー岩井(東京学芸大学附属特別支援学校)からの報告です。
2024年7月7日、第2回IAHPEDS国際会議にて、体育ICT研究会のメンバーである鈴木直樹、佐藤雄太、岩井祐一、藤村聡が、AIを活用した体育授業の実践研究について発表しました。今回の発表では、三つの主要なテーマに焦点を当てて、AI技術が教育分野にもたらす可能性とその具体的な応用例が紹介されました。
◆AIアシスタント教師ボットの開発
まずに、「体育授業の課題を克服するための深い反省を促すAIアシスタント教師ボットの開発」が紹介されました。この内容では、体育授業における生徒の課題を克服するために、AIアシスタント教師ボットが開発されました。このボットは、授業中の生徒の動きや反応を分析し、個別にカスタマイズされたフィードバックとアドバイスを提供します。これにより、生徒は自己改善を行う際のサポートを受けることができ、教師も生徒一人ひとりの進捗状況や課題を把握しやすくなり、より効果的な指導が可能となります。
◆特別支援教育におけるAI活用の実践
次に、「特別支援教育における知的障害を持つ生徒のためのAIを活用した高等学校の体育実践」についての発表が行われました。この研究では、特別支援学校の高等部でAI技術を利用した体育授業の実践例が紹介されました。知的障害を持つ生徒に対して、個々のニーズに合わせた指導と評価を行うことで、より効果的かつ包括的な体育教育を目指しています。AIを活用することで、生徒の運動能力や健康状態を詳細にモニタリングし、適切なサポートを提供することが可能となりました。
◆中学生を対象としたAI振り返り
最後に、「AIを活用した体育授業の振り返り評価~中学生に焦点を当てて~」というテーマで、AIを利用した新しい振り返り評価手法が紹介されました。このシステムは、授業中にAIが生徒の動きやパフォーマンスをリアルタイムで解析し、授業終了後には具体的なフィードバックを提供します。これにより、生徒は自分の強みや改善点を明確に理解し、自己評価と改善を効果的に行うことができます。
これらの発表は、AI技術が教育分野にもたらす可能性とその具体的な応用例を示しており、多くの教育者や研究者にとって貴重なインスピレーションとなることでしょう。今後もAIを活用した教育の革新が進むことが期待されます。
岩井 祐一