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チャットのトラブルを防ごう!
「シネ」など乱暴な言葉を気軽に使う現代の子どもたち。
SNSを介したトラブルで被害者・加害者にならないために家庭でできることをご紹介します。
暴力的な言葉を気軽に使う子どもたち
「キモイ」「ウザイ」「シネ」
講師として学校に伺うと、当たり前のように聞こえてくるこれらの言葉。
相手が小学1年生でも大学生でも、「ごめんね、私は強い言葉が苦手なの。ドキドキしちゃうから別の言葉に換えられる?」とお願いします。
暴言を無意識に使ってしまうのは、語彙力が未熟だったり、想像力が欠如していたり、感情が上手く処理できなかったりといくつもの原因があるのだと思いますが、それを聞いた私がどう感じるかを「i(アイ)メッセージ」で伝えると理解してくれる子どもは多いように感じます。
SNSリテラシー講座では、言葉の置き換えや「i(アイ)メッセージ」を子どもたちに実践してもらいます。ほんの数十分で劇的にコミュニケーションが変わるのを見ると、会話のトレーニングって本当に大事なんだなぁと実感します。
子どもが被害者・加害者にならないために
文部科学省が行った2022年度の調査では、ネットいじめは2万3,920件で過去最多。悪口・陰口、仲間はずしなどのいじめ行為は、ネットの方が顔が見えないぶん抵抗なく行ってしまいがちです。
子どもたちがネットいじめで被害者・加害者にならないために、これからスマホを使い始める子どもや、SNSでのコミュニケーションに慣れていなかったり不安を感じていたりする子どもと親が家庭でできることをご紹介します。
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家庭でできること
1.家族間SNS(クローズドSNS)を利用してみる
「家族間SNS」と言われるアプリや家族LINEで、まずは家族だけでSNSを使って会話のトレーニングをする方法です。
表現など気になる点があったらそのつど話しあい、SNSでのコミュニケーションに子どもを慣れさせ、親から見ても大丈夫だと思える状態になったら友だちとのSNSを始めてみる。
年齢によっては、始めてしばらくは定期的に友だちとのやりとりや履歴を親がチェックするのも良いと思います。
すでにSNSを使っている場合でも、友だちとトラブルの元となったチャットを家族で一緒に考えてみる、いわゆる「ケーススタディ」も有効です。
「思春期、反抗期の子どもがそんなことを一緒にするわけない」
「子どもの方がSNSやネットを知ってるから、大人の言う事はきかない」
そんな声もよく聞きます。
でも「お友だちとの関係に悩んでいる子どもは100%SNSのやりとりでもモヤモヤしている」と私は感じています。
その子の人間関係や友だちのことに口を出すと子どもは嫌がりますが、現代の子は「タイパ」重視。
私は講師として「教える」「指導する」という立場ではなく、「ほら、こんな風にすると楽だよ」「こうやると嫌な思いしなくてすむね」というアイデアを提供するつもりでお話をしています。
保護者の皆さんも人生の先輩として、コミュニケーションの「裏技」とか「テクニック」をぜひ伝授してみてはいかがでしょうか。
2.トラブルになりやすい行為を知る
子どもたちが実際にどんなトラブルにあうのか親が知ることも大切です。
例えば子どもたちが友だちの悪口を書く時によく使う方法があります。
LINEのステメ(ステータスメッセージ)
自己紹介や近況など最大500文字のせられるメッセージInstagramのストーリー
24時間限定で写真や動画を投稿できる機能Twitterの空リプ(くうちゅうリプライ)
特定の誰かに向けたリプライのようなツイート
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追及されても言い逃れが出来るように、あえて「誰」のことかを特定しないよう悪口を書くのが共通点です。
ある高校生が言うには「安全なところで嫌な奴を攻撃する時使う」とのこと。
自分がその相手でなくても攻撃的な言葉の羅列を見ることは気分が良いものではないですし、誰のことを言っているかわからないので「自分のことを言っているのではないか」と悩む子も多く、友だちとの人間関係が悪化してしまうことも少なくありません。
子どもたちは初めて知った方法や他の子がやっているのを見ると、気軽にやってしまいます。
人を不快にさせる発言、一時的なノリや感情で投稿する行為が、周りの人だけでなく自分も傷つけ、大きなトラブルになる可能性があることを頭でわかっていたのに衝動をおさえられなくてやってしまうことも少なくありません。
SNSでよくあるトラブルを知っておくこと、どんなケースで気をつければ良いか確認してことが大切です。
そして、親の私たちが余裕があるときに少しでも子どもの話をきいてあげられたら、子どもの心が落ち着く環境を作ってあげられたら、子ども自身が傷ついたり加害者になったりということが少しは減るのではないか、と思います。(それが一番難しいのですが・・・)
できることから始めよう
親子で学んだり実際に練習したりする時に便利なサイトをご紹介します。
■スマホにひそむ危険 疑似体験アプリ(デジタルアーツ株式会社)
大学生がシナリオを作成した、ネットいじめや友達とのトラブルなどを疑似体験できるアプリです。保護者がとるべき対策の解説もあります。
■インターネットトラブル事例集(総務省)
青少年(U18)のページでは、グループでのやりとりや文字のコミュニケーションでのトラブル事例や対策などが漫画でわかりやすく紹介されています。
自転車を乗りこなせない子どもを道で走らせないのと同じで、ネットもある程度のリテラシーが身につくまでは親が見守っていく。
そのためには、親もICTリテラシーを身につけることが大切、ということでちょっとしたアイデアや便利なツールをこれからもご紹介したいと思います。
l※この記事は2020/04/22「おやこで楽しくICT」で掲載した記事を加筆・修正したものです。
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