大成功でも目標はまだ先
11月9日(土)に開催したICT×インクルーシブ教育セミナーvol.7は174名の参加者を得て無事、終了しました。改めてこのセミナーについて書いてみます。
会場
vol.7ということは7回目なわけですが、その開催方法は様々でした。vol.1,2は日本マイクロソフト品川本社ショールームでの開催。vol.3,4,5は新型コロナウィルス感染症の影響でオンラインでの開催を余儀なくされました。昨年のvol.6は久々の対面開催でしたが会場は小金井小。
今回は久々の品川での開催とあって、我々としては「ようやくホームに帰ってきたな」という趣がありました。
vol.1,2の時とはMicrosofの体制もずいぶん変わりましたが、今回は何というか久々に「一緒に作り上げましたね!」という感覚がありました。MIEEは引きましたが、MSとは変わらず友好的な関係でいたいな、と改めて思いました。
プログラム(午前)
このセミナーはずっと無料でやってきているこですが、この内容で無料は絶対お得ですよ。自分で言うのも何ですが。
午前中は公開授業+協議会。1本目は初登場廣瀬さんの国語。2本目が私だったのですが、この組み合わせは良かったと思いますね。
ずっと国語教育を研究してきた廣瀬さんが、学習者用デジタル教科書、Teams、Padletなどを活用して、児童の学びを取り除きながら進める授業は、ICT×インクルーシブ教育ど真ん中の授業と言っていいと思います。
それに対して,私の授業は応用編?発展編? いや、もしかしたらただの色物かもしれませんが、生成AIを活用したぶっ飛んだもの。これはバランスが取れていて参加者にとっては見やすかったのではないかと思います。
そして講師の坂井先生がいいんですよ。坂井先生に講演をお願いしたことは何度もありますが、授業後の協議会講師をお願いしたのは,初めてでした。でも、バッチリ当たりましたね。通常級の学校でICT×インクルーシブ教育に取り組んでいる我々にとって、特別支援教育の視点からズバッと切り込んでいただけるのは我々にとっても勉強になるし、恐らくは参加者にとっても新しい視点を得られるものになったのではないかと思います。
プログラム(午後)
さて、午後です。4本のセミナーとパネルディスカッションという構成なのですが、まずは今回、初めてお声がけさせていただいた髙橋麻衣子先生が素晴らしかったです。
セッションのタイトルは「多様化する生成AIと学習支援」。前からメールでは何度かやり取りをしていて、髙橋先生の論文で私の実践を取り上げていただいたりもしていたのですが、こういうセッションでご一緒させていただくのは初めて。(と言うか、お会いすること自体、初めてだったのですが。)
しかし、そのお話の内容はまさに我々のセミナーにドンピシャ。
「たかが読み書き。ICTに助けてもらって何が悪いのですか?」
「ちょっと助けて、生成AI。そう言っていいんですよ。」
ありがとうございます。研究者の立場からバシッと言っていただけるのはとてもありがたいです。
と思っていたら、研究者の立場としては実践をしている人にバシッと言ってもらえるのがありがたいのだとか。これそWin-Winというやつですね。
その他のプログラムについては…ごめんなさい。当日は聞けなかったんですよ。後で記録ムービーを見ようと思っています。以下,内容だけ書いておきますね。
“学び”の拡張とインクルーシブ教育(加瀬進・小林晋平・宮下佳子)
学びが支える子どもの未来〜当事者との対話から(井上賞子・松本叶夢)
ICTの活用で子どものやる気は引き出せるのか(坂井聡)
画期的だったのは井上先生と松本さんのセッション。当事者の卒業生と登壇って、凄いことです。井上先生も凄いけれど松本さんも凄い。
「いつか私たちも〇〇くんとか呼べるといいですね」
と佐藤牧子さんに言われましたが、それは実現したい夢ですね。
協賛企業セッション
今回、5社に協賛して展示をしていただいたのですが、午前の最後に各社を紹介するセッションを設けました。1社2分という短い時間でしたが、各社コンパクトに紹介していただきました。ありがとうございました。改めて書いておくと…。
コニカミノルタ
公開授業でも使ったtomoLinksの会社です。正直、今回の公開授業、tomoLinks無しには成り立ちません。
ハイラブル
何だかんだで長いお付き合いのハイラブル。児童の話し合い活動を測定・評価するのにこれ以上のシステムはないでしょう。
光村図書出版
ICT×インクルーシブ教育セミナーは、常に光村の学習者用デジタル教科書と共にありました。それは今年もこれからも変わりません。
Relax'Creation project
こちらが代理店を務められているWizeFloor専用の部屋を現在、構築中。来年の小金井小フロアプロジェクション室は必見です。
Mikulak
こういう会社が成功しないと日本の教育は良くならないのですよ、と鈴木が全力応援中の会社です。
協賛企業の皆さん、ありがとうございました。
ICTに学びを救われる子はあなたのそばにいる
ICT×インクルーシブ教育セミナーは、vol.1からずっとこのテーマでずっとやってきたわけですが、まだまだ「ICTがあれば学べるのに」という事例があちこちであるのだろうと思います。
「鈴木先生の授業、子どもの頃に受けたかったです」と言われて嬉しくないわけではないのですが、それで満足はしていられません。もっと発信力をつけてこの考えを広めなくては。そのためには、もっと価値ある発信をできなくては。
今回のセミナー、どう考えても大成功だったと思うのですが、我々はとても欲張りで、まだまだ満足できません。来年はよりパワーアップしたICT×インクルーシブ教育の提案をしたいと考えています。乞うご期待。
セミナー開催にあたっては多くの方にお世話になりました。この場を借りてお礼申し上げます。本当にありがとうございました。