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新型うつ病〜出社できないAさん〜

このような記事を見つけ、驚いた。
以前、何回か書いている「出社できないAさん」の症状と同じだったからだ。
こちらの先生によると、従来「うつ病」と呼ばれているものは
このような状態だ。

従来のうつ病は、真面目で規律を守って、他人への気遣いもできるような方々が、思い悩んでエネルギーを使い果たし疲れ切ってしまい、抑うつ気分になって、ご飯も食べれなくなって体重も減って、何もする気がなくなって整容面も乱れ、夜も眠れなくなってしまう、

上記の記事から抜粋

とても真面目で頑張り屋の人が、何かのきっかけでうつ状態になってしまうことはよく知られている。
頑張って頑張り尽くした結果、ある日を境に動けなくなってしまうという。

私も、うつとはこのようなことを言うのかと思っていた。
しかし、最近は違う症状のうつの方が増えているらしい。
以下に抜粋する。

対して本題の非定型うつ病に関して、実際に私の外来に通っている、とある30代の女性(Aさん)、仕事に行けない、朝起きられない、けれど休日には友達と映画を見に行く食欲もあり外来に来るたびに体重は増えている。

仕事は休んでいるけれど、食べたいものは食べて、自分の好きなことは楽しめている、これだけ聞くと「怠けているだけ」「甘えているだけ」と思う方も多いかと思います。治療者の中にもこういった患者さんに陰性感情を持つ方もいるかもしれません。

これはまさに。Aさんである。
前回会った時、肌つやも良くて元気そうだった。
家族や友人とフェスや映画、ライブにも行っているということだった。
しかもよく喋る。元々よく喋る人なので、普段のAさんという感じだった。

私が知っているうつの症状とは全く違っていたため
こんなに肌つやのいい、よく喋るうつ症状の人もいるのか???と違和感を覚えた。

非定型うつ病の一つのパターンとして、幼少期や思春期の多感な時期にうまく感情表出ができなかったり、周囲に気づかいをするあまりに自分を抑えて周りに合わせてきた、そういった方が大人になってから対人関係や仕事面でうまくいかなくなるようです。

最近は旧来型のうつ病と言うよりも、ご紹介した非定型うつ病や、何らかのストレスに反応してうつ状態になった適応障害、で来院される方が増えています。

この記事を読み、原因はAさんとお母さんとの関係性にあると思った。
幼少期、思春期に関わるのは家族である。
特にお母さんとの関係。

子供は、お母さんのことをいつも見ている。本当によく見ている。
母の機嫌がよければ子供の気持ちは安定するが、
母の機嫌が悪いと自分に原因があるのではないかと感じ、なんとか機嫌が良くなってもらいたいとふるまうものだ。

ちなみにAさんから聞いたエピソードだが、これを聞いた時に周りにいる私たちが「Aちゃん、それヤバいよ」と言ったことがある。

・子供の頃から母の機嫌を伺ってきた。なぜなら、一度怒ると口を聞いてくれないから。長い時では10日くらい無視されたこともある。
・誕生日や母の日には、気に入るプレゼントを贈らないと機嫌が悪い。
・今年は忙しくて母の日にプレゼントするのが遅くなってしまい、母を怒らせてしまった。忘れていたことを謝り、母の好きな演奏家のコンサートに一緒に行くことにしたので有給休暇を取り、一緒に行きます。


誰が聞いてもおかしいことはわかるし、Aさん本人もわかっているらしい。「でも、母はこういう人なんで。」と言っていた。
辛いよね。お母さんのことも大好きだもんね。
実際に仲良しだし。

しかしこれは根が深く、このままAさんは薬を処方されても改善しないことは明らかだ。

新型うつが増えているという現状は、これからの社会に大きな影響をもたらすことは言うまでもない。
薬では治らない、この問題に早く対処できるような手立てがないだろうか。


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