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お初です、札幌

皆さま、ごきげんよう。
私は昨日、約40日間働いた島に別れを告げ、札幌へ上陸した。
空港までは、忙しいのにも関わらず奥さんが車で送ってくれた。
大変お世話になったので、ご夫婦の似顔絵を描いて渡したら、とても喜んでくれた。
奥さんは、今度は家族や友達と遊びにおいで!と笑顔で見送ってくれ、後から、私が青森で夢を叶えることを祈っている、とLINEが来た。
奥さんの優しさに、心がじんわりと温かくなる。
たった1ヶ月ちょっとの滞在だったというのに、離陸する時は涙が出そうになった。
行きはフェリーで島へやってきたので、初めて空の上から島を見て、さらに感動した。
私は窓の外を眺めて、きっとまた来るね、と心の中で呟いた。

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予約していた札幌駅近くのホテルにチェックインする頃には、時刻は19時をまわっていた。
飛行機やバスでの移動で疲れていたので、ホテルの大浴場へ浸かり、ラウンジで本を少し本を読んで、さっさとベッドに入った。
が、しかし。
興奮しているのか、全く眠れなかった。
正確には3時間ほど寝たのだが、中途覚醒してしまったのだ。
私は大体、旅行など慣れない環境では睡眠がうまくいかないことが多い。
そこで、閉店間際のセイコーマートへ駆け込んで牛乳を買い、レンジで温めてホットミルクにして飲んだ。
さらに、冷えた足をシャワーで温めて、再度ベッドに入った。
そこからは眠っては起き、起きては眠りの繰り返しで、気づけば朝になっていた。
寝具やパジャマや匂いや音がいつもと違うだけで眠れない。
ああ、私ってなんてデリケート…と思いながら、目覚めのよろしくない朝を受け入れることにした。

さあ、気を取り直して朝ごはんの調達である。
身支度を整えて、ずっと行ってみたかった「どんぐり」というパン屋へ向かう。

なんとも可愛らしい外観で、絵本にでも出てきそうな雰囲気を醸し出している。
今日は他にも食べたいものがたくさんあるので、厳選して3つ、パンを選んだ。

名物の「ちくわパン」は外せない。
ちくわの中にはツナマヨがたっぷりと詰まっている。
味はもちろん最高で、ロングセラー商品なのも納得である。
なんだか癖になる美味しさだ。
他にも秋限定のパンを始め、定番のバターロールやサンドイッチ類、クッキーなどの焼き菓子までもがずらりと並んでいた。
本店は朝8時からやっているので、朝食にもってこいだ。
札幌にいくつも店舗があるので、札幌を訪れる際は探してぜひ食べてみてほしい。

お昼ごはんは、寿司と決めていた。
島には美味しすぎる海の幸があるというのに、寿司屋が無かった。
だから、どうすることもできない「寿司欲」が溜まっていたのである。
数えきれないほどある寿司屋の中から選んだのは、「トリトン」だ。
北海道民からすると定番の回転寿司屋、ということろだろうか。
何人もの人が美味しいというのを聞いて、実績解除の意味も込めて行ってみることにしたのだ。
11時開店で、10時ちょっと過ぎには着いたのに私は3番目であった。
かなり並ぶと聞いていたので覚悟はしていたが、やはり人気店は違うな、と驚いた。
とはいえ1時間近くも並ぶのは少々面倒だなと思っていたら、とたまたま隣に並んだ札幌在住のおばさまと意気投合してしまい、気がつくと開店5分前だった。
札幌観光のおすすめスポットや、新千歳空港で買うべきお土産など、地元の人の生の声を聞くことが出来たし、何より1人旅で少し寂しさを感じていたところだったので、とても嬉しかった。

「北の美味いもん3種盛り」「生サーモン」「ニクソンロール」などなど、好みのネタを注文していく。
シャリを小さめでオーダーできるのも嬉しい。
トリトンは店全体が活気付いていて、感じの悪い店員さんが誰1人としていなかった。
明るく丁寧な接客、そして新鮮で美味い寿司。
並ぶ価値のある、素晴らしい回転寿司屋だ…としみじみ感動してしまった。
他にも食べてみたいネタはあったけれど、この後のためにも胃袋に余裕を残さねばならない。
ラッキーセブンということで、7皿食べてご馳走様。
帰り際、一緒に並んだおばさまが、札幌楽しんでいってね!と声をかけてくれたのが嬉しかった。

お次はデザートだ。
物凄く楽しみにしていた「六花亭」へ向かう。
青森でたまに開催される北海道物産展で、行くとつい買ってしまうのがマルセイバターサンドだ。
私は札幌で、店舗でこれを直接買えるだなんて!ととても興奮していた。
テイクアウトで、マルセイアイスサンドなるものも購入した。
サイズ感も食後のデザートに丁度良く、アイスなのでさっぱりと食べられてしまう。

本店では、バラで買えるお菓子も多かったのでありがたかった。
自分用とプレゼント用に分けて買うことが出来るし、まず1つ買ってみて、美味しければ次は箱入りで、ということもできる。
六花亭はパッケージや包装など、デザインもセンスがあって素敵だなあと思う。

ふと、ヘルスケアアプリを確認すると、歩数が既に10,000歩を超えていた。
予想はしていたが、かなり歩いていたようだ。
ということで(?)お次はスープカレーを食べに行くことにした。
「Suage」というお店が気になっていたのだが定休日だったので、「GARAKU」というお店へシフトチェンジした。
着いた頃はお昼過ぎだったが、かなり混雑していて、1時間半待ちと言われた。
待つための発券をしたのち、ホテルが近かったので戻って休憩しつつ、「どんぐり」のおにぎりを食べてカレー待ちをした。
我ながら、胃袋どうなっとんねん。

GARAKUのスタッフさんも皆感じが良かった。
若いスタッフが多く、トリトンとはまた違った雰囲気の活気があった。
午前中散々食べたので、野菜オンリーのスープカレーと、スモールサイズのライスを選んだ。

思わず、わあ…と声が出そうなほど美しいスープカレーが運ばれてきた。
白いシャツを汚したくなかったので、子どもの頃に戻った気分で紙エプロンを着用して食べることにする。
カレーは好きだが、スープカレーってどうなの?と半信半疑だった私は、ひと口食べて驚いた。
出汁の効いた旨みたっぷりのスープに、程よく火が通された野菜たち。
スープカレーファンが多いのも納得してしまう程に、美味しかった。
次はぜひ腹ペコの状態で、肉の入ったスープカレーを大盛りの米と共に食べてみたい。

さてさて、お次は2度目のスイーツタイムである。
目的地は、歩いて行ける距離にある「雪印パーラー」へと決めた。
お目当ては、昭和天皇・皇后両陛下のために作られたというアイスクリーム「スノーロイヤル」である。
北海道産乳原料100%使用で、乳脂肪15.6%、卵不使用でふわっとした口溶け、濃厚かつ後味さっぱり…らしい。
昼のピークも過ぎ去ったのか、喫茶コーナーは落ち着いていた。
早速スノーロイヤルを単品で頼む。
スーパーカップくらいの量で、なんとお値段880円。
とても強気で、リッチである。

高級感あふれる器に、高級なアイスクリームが入っている。
お味はというと、もちろん最高に美味しかった。
メニューの記載通り、とても濃厚なのに後味がさっぱりとしているから不思議だ。
けれど私は庶民的な舌なのだろう、ハーゲンダッツとの差があまりよくわからなかった。
何はともあれ、それはそれは美味しいアイスクリームを食べることが出来て、私は幸せである。

札幌といえば!という建造物も、もちろん見てきた。
あいにくの曇り空だったが、今自分は札幌にいるのだ、ということを実感できる場所であった。
観光客や、修学旅行生らしき学生も多く、平日だがそれなりに賑わっていた。

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歩き疲れ、食べ疲れ、ホテルに戻ってきた。
穏やかすぎる島生活を送っていた分、満員電車や賑やかな街の刺激がより強く襲いかかってくる。
心も身体(胃腸も)を休める意味も込めて、これを書いている。
夜はすすきのに軽く飲みに行こうか迷い中だが、あまりにも疲れていたらどこか近くでテイクアウトして、ホテルでゆっくり過ごすのも手だ。
明日はというと、早めにホテルをチェックアウトして、新千歳空港へと向かう。
いよいよ、青森へ帰るのだ。
約40日ぶりの故郷。
大好きな家族、友人に会える。
健康な心身と、素敵なお土産とお土産話を持って、無事に帰還出来ることを祈る。
それにしても、札幌は魅力的な街だ。
今日はぐっすり眠れるといいのだが、あまり期待しないでおこう。

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