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夏は何色?
夏が終わった。
まだまだ真夏日が続いているだとか、暦の上ではもう秋だとかはこの際どうだっていい。
夏休み最後の1日が終わったときだったり、現役最後の公式戦に負けたときだったり、いつの時代も夏の終わりは唐突に訪れるものだ。
生まれてこの方、夏の色は青しか知らなかった。
夏といえば青、そんな揺らぎようのなかった僕の世界を強く照らした一筋の光。
そんな太陽よりも朱い光に照らされて迎えた2024年の夏は目が眩むくらい真っ朱に輝いていた。
朱い夏はかつてない衝撃と興奮と高揚をもたらした。
この感情を人はトキメキと呼ぶのかもしれない。
あの空間で共有した一分一秒が今を生きる糧になっているのを感じる。
いつの時代も夏の終わりは唐突に訪れるものだ。
僕にとって2024年の夏の終わりは灼熱の野外ライブが終演したときだった。
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朱い夏が終わった。