「森友決裁文書改ざん事件」はまだ終わっていない 赤木雅子+相澤冬樹 著『私は真実が知りたい』を読む
「森友決裁文書改ざん事件」は、もう過去の出来事だと当事者以外のひとは思っているのではないだろうか?かくいう私もその一人だった。この本をよむまでは・・・。いわゆる「森友事件」の唯一の死者「赤木俊夫」さんは、日頃から「ぼくの契約相手は国民です」「私の雇用主は、日本国民なんですよ。その日本国民のために仕事ができる国家公務員に誇りを持っています」ということを口癖のように言っている人だったそうだ。
そういうように国民のために働くことができることを誇りに思っている人に公文書の改ざんを命じ、検察から起訴もされず(佐川前理財局長を始めとした30名の官僚を不起訴にしたのは、かの黒川前東京高検検事長だったそうだ)、ご褒美として皆、出世していると言うことはこの本を読むまで知らなかった。読む前は、亡くなった赤木俊夫さんの妻の赤木雅子さんが裁判提訴後に書かれた本なので、正直「重たいなあ・・」という気持ちがあったが読み進めているうちに後半になって相澤冬樹さん(元NHK記者で、『安倍官vsNHK 森友事件をスクープした私が辞めた理由』の著者)が、赤木雅子さんとの出会いや関わり方などを書かれているところになって、ようやく冷静にかつ、真剣に読み進めることができた。
「森友事件」はもう過去の出来事だと少しでも思っておられるなら、ぜひご一読をお勧めします。以下、東京書籍販売(東販)のウェブ販売のサイトであるeーhonの推薦文を引用します。
「私の雇用主は国民です」と語っていた実直な公務員が、なぜ死を選ばなければならなかったのか?森友事件の渦中で、総理夫人らの名を隠蔽するために公文書の改ざんを命じられた近畿財務職員・赤木俊夫さん。懊悩の末、2018年3月、自ら命を絶った。享年54。「財務省が真実に反する虚偽の答弁を貫いている」「最後は下部がしっぽを切られる」赤木さんが遺した痛切な手記が、その死から2年たった今年3月、週刊文春で公開され、53万部が完売するなど大きな反響を呼んだ。手記の公開を決意した妻の赤木雅子さんは、真実を明らかにするために国と佐川元財務省理財局長を提訴。さらに事件の再調査を求めて署名活動を行った。集った署名は35万を越え、事件解明に多くの国民が賛同していることが明らかとなっている。森友事件は、終わっていないのだ。本書は、赤木雅子さんが国を提訴、トッちゃん(俊夫さん)の手記の公開へと至るまでの迷い、怒り、葛藤を率直に綴った「手記」と、事件を発覚当初から追い続けてきたジャーナリスト・相澤冬樹による「同時進行ドキュメント」で成り立っている。そこで明らかになってきたのは、遺族の思いを無視する安倍政権・財務省の隠蔽体質、そして改ざんに関わった職員らが軒並み出世しているという驚くべき事実だった。巻末に赤木俊夫さんが遺した手記も全文収録。