シリーズ「おまえ(ニッポン)はすでに死んでいる」3 三菱電機「不祥事のデパートみたいな企業だ」(株主総会で)
「トヨタの車検不正」がとても大きい問題なのにもかかわらず、マスコミの報道がとても小さいのはっどういうことだろうか?新聞各紙の取り上げ方があまりにも小さい(「日経」は、全く触れていない)。そのくせ、収益がこれまでの最大だという記事ばかりが、報道されている。
そもそも、「トヨタの車検不正」が大問題だと直感したのは、6月30日付けの各紙で報道された「三菱電機の30年にもわたる鉄道用空調の性能検査偽装」が、組織ぐるみでおこなわれていたからだ。
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC103KF0Q1A710C2000000/
その発表がなされてから、約一ヶ月経つが全容が解明されるどころか、5月に明らかになった「安全認証がない材料を電流制御機器に使っていた問題」では、5月の時点で計約215万台の出荷を公表していたが、新たに別の未登録の材料の使用が約14万台で見つかったと7月28日の朝日新聞に報じられている。まさしく、「どこまで続くぬかるみぞ!」という様相だ。(以下、2021年7月28日付 朝日新聞より引用)
「三菱電機 不正どこまで拡大」
安全認証がない材料使用、新たに約14万台の出荷が判明
全容解明へ社外の弁護士ら調査開始
三菱電機の製品をめぐる不正が広がりを見せている。安全認証がない材料を電流制御機器に使っていた問題では、新たに約14万台の出荷が判明した。杉山武史社長(64)は近く退任し、不正調査は新社長に引き継がれるが、全容の解明には時間がかかりそうだ。
三菱電機によると名古屋製作所可児工場(岐阜県可児市)製の電流制御機器で、米国の第三者安全科学機関に認証登録されていない材料を使っていた。5月の時点で計約215万台の出荷を公表していたが、新たに別の未登録の材料の使用が約14万台で見つかった。
不正な状態で出荷された製品は計約229万台までふくらんだ。2013年1月~21年4月に生産され、工場の設備などで過剰な電流による故障を防ぐ機器として利用されている。国内外の出荷先には報告を始めており、事故は確認されいないという。
三菱電機は今月から、社外の弁護士らによる不正の調査委員会を設けている。この問題はこれまで社内で調べてきたが、今後は委員会が引き継いで原因なども調べるという。
三菱電機グループでは18年以降に、製品の品質や検査についての不正が少なくとも6例わかっている。長崎製作所(長崎県時津町)では、鉄道車両用部品の品質検査の偽装が30年以上も続いていたとされる。ほかに不正がないか調べるため、委員会は全社員へのアンケートに乗り出す。不正を自ら申告した社員は、懲戒処分の対象にしない方針だ。
三菱電機は13日から、杉山氏の動画メッセージを各拠点で配信。複数の関係者によると、創立100周年での社長の辞任は深刻な問題だとし、「現在の三菱電機はまったなしの危機的状況にある」と訴えた。新社長のもとで信頼回復にとりくむよう求めたという。
杉山氏が社長に就任した
のは18年4月。副社長からの昇格が決まった同年2月の会見で咬自らの若手時代について「部門間の壁は低く、ファミリー的な感覚で仕事ができた。それが風
通しのよい三菱電機のペースになっている」と振り返っていた。「そういう風土を続けていけるように、できるだけ現場目線を忘れずにとりくみたい」とも語っていた。
だがヽ就任後は品質不正や社員の自殺が相次ぐ労働問題、サイバー攻撃による情報流出も発覚した。背景には閉鎖的な組織風土があるとの見方も出ていた。
杉山氏は引責辞任を表明した7月2日の会見で、社内調査では不適切な情報が現場から報告されることを前提にしていたとし、「私自身の認識が少し甘かった」と述べた。18年にゴム部品での不正がわかった後に、社外の目も入れて調査すべきだったと悔やんだ。
品質不正や労働問題については、「いろんな課題や問題が発生したときに、上司と部下、同僚らと情報を共有することがうまくできていなかった。根っこの部分ではおなじようなところがあるんじゃないかと思う。今後の調査でしっかり明らかにしていきたい」と述べた。上司にモノを言えない雰囲気があるとも指摘されており、内部通報制度を改善するという。
委員会は長崎製作所の品質不正について9月に調査結果をまとめて、再発防止策なども発表する予定だ。杉山氏を含む歴代の経営陣の責任も焦点となる。委員会はその後もほかに不正がないか調査する方針で、三菱電機幹部は「信頼回復には相当な時間がかかるだろ
う」としている。(内藤尚志)
杉山武史社長の就任後に発覚したおもな問題
2018年4月 杉山氏が社長に就任
9月 社員5人の脳疾患や自殺などが
14~17年に労災認定
11月 ゴム部品子会社の検査不正。子社会社の社長らが翌月会見 し謝罪
2019年8月 鋳造部品子会社の検査不正
11月 子会社社員の17年の自殺が前月に労災認定
12月 新入社員の自殺が明るみに
2020年1月 サイバー攻撃による情報流出の疑い
2月 半導体での検査不正
11月 欧州の規制に適合しない製品を出荷
新たなサイバー攻撃で取引先の情報流出
2021年3月 新入社員の自殺が前月に労災認定
5月 安全認証がない材料を電流制御機器で使用
6月 鉄道用の空調設備などで検査不正
7月 安全認証がない材料を電流制御機器が拡大
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