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この国は、どうなってしまうのか? 2 なぜ、この国はアメリカの属国であることを認めないのか?

 先のブログの記事で白井聡さんの論考を引用して、現在のこの国の在り方を書かせてもらった。以下の誉田哲也氏の作品の中にあった文言からその理由がわかる。

誉田哲也 『硝子の太陽 Noir(ノワール)』より

「君は『WGIP』を知っているか」
ひょっとして「War Guilt Information Program」という、あれか。
「……いえ、題名くらいで、詳しい内容はあまり」
「別に難しい話じゃない。その題名通りのことだよ。直訳したら『戦犯情報計画』となるんだろうが、
『戦争についての罪悪感を日本人の心に植えつけるための宣伝計画』みたいに訳されることが、多いようだね。個人的には、その訳もどうかとは思うが……ちなみに、極東国際軍事裁判はいつからいつまでだった」
それはさすがに党えている(.
「昭和21年から、23年まで、ですよね」
「そう。 一方、WGIPは終戦直後から始まっている。放送、新聞を中心とするメディアから学校教育に至るまで、アメリカはあらゆる手段を用いて、先の戦争は日本の軍国主義が引き起こしたものであり、国民はそれこそを恥じ、憎み、未来永劫その気持ちを忘れないように、アメリカのせいだったなどとはゆめ思わないように……と、全階層の日本人の心に刻みつけていったわけさ。では、旧日米安保の署名は何年?」
「ええと、昭和……27年?」
「惜しいな。署名は26年で、発効したのが27年だね。現行の日米安保はその8年後、 35年だ……何をいいたいか、分かるよね」
恐ろしいことだが、納得はいく。
「はい……すでに、WGIPによるすり込源が、定着してきていた時期である、と」
「断言はできないけどね。とある報告書によると、昭和23年くらいまでは、まださほど日本人に戦争贖罪意識は定着していなかったらしい。だがそれから3年、4年……現行安保締結時では12年。何しろ小学校から大学まで、そこだけは一貫して教え込んでるんだから、日本が一方的に悪かったんだっていう、アメリカの見解を。抜群にお勉強のできた東大出の官僚なんかは、いの一番に、この考えに染まっていっただろうね。それらが現代でも、省庁やら教育やら、メディアやらを動かしている……そう考えると、アメリカとの交渉が如何に難しいか、分かってもらえると思うんだが」
だいぶ分かってきた。これが如何に根深く、解決の難しい問題であるかが。

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