鳥集徹 著「コロナ自粛の大罪」を読む 2
第5章 ”未知のワクチン”を打つほどのウィルスなのか 本間真二郎(小児科医)
鳥集徹 それで、僕が一番悲しいと思っているのが、「反ワクチン」という言葉です。こうしたネガティブなことを言っているからと言って、ワクチンのすべてを否定したいわけではないんです。しかし、「こういうリスクがあり得るのではないか」と言ったり、「ワクチンの被害を受けた」と訴えたりすると、すぐ「反ワクチン」というレッテルを貼って攻撃する人がいる。ワクチン推進派というより、「反反ワクチン」と言うべきだと思うのですが。
本間 ワクチンの推奨派も反対派も両方とも問題があると思います。どちらも頑に白分たちの意見を押し付け合うだけで、相手の意見を聞く姿勢がみられません。ですから、叩いたり、叩かれたりするのです。ワクチンは法律的に義務ではないのですから、互いに相手を非難し合うのではなく、自分たちは白分たちのしたいように「受けたい人は受ける、受けたくない人は受けない」という当たり前のことができる社会にすることが大切だと思います。
鳥集 ワクチンに対して疑問を呈すると、医学界では、なぜ「反反ワクチン」みたいなことになってしまうのでしょうか。
本間 いくつも理由が考えられます。まずは、医学界自体が「ワクチンは絶対善で強く推奨すべき」という結論ありきで動いているからでしょう。これは、はじめから答えが決まっている方程式のようなものです。私たち医師は、医学教育の段階で、予防にまさる治療はなく、予防の最も医学的方法が予防接種ということを徹底して教えられます。
次に、学会や権威の問題があります。とにかく教授や指導医、先輩医師など上が言ったこと、いわゆる権威がある人には逆らえない。それに逆らうと実質、医師は仕事を続けることができません。
さらに、医学の分野が専門化しすぎたことも関係があります。医師は自分の専門分野以外、とくに予防接種のように誰でもできる仕事は、ほとんど関心を持ちません。関心のない分野で、何か起こっても自分たちの責任が問われることはなく、経済的にも潤っているのであれば問題意識を持つことはなくなります。
鳥集 本間先生も小児科医ですが、小児科の開業医にとって定期接種やインフルエザのワクチンは、子どもが感染症にかからず受診の減る「夏枯れ」などの時期の食い扶持になっているという話を聞いたことがあります。
本間 小児科は最も大変な仕事であるわりに収入が最も少ない科の一つです。ワクチンが収入面の一部を支えていることは事実として間違いないでしょう。しかし、多くの小児科医は儲けのためにワクチンを接種しているわけではなく、純粋に子どもたちへのメリットを期待して行っていると思います。ただ、たくさんの予防接種をすることにより、長期的には様々な病気が増える可能性があることについては、ほとんどの医師が知らないのが現状です。
ワクチン接種に反対の論文を書いた医師が免許取り消し
鳥集 「ワクチンが病気をつくる」って、どういう意味ですか。
本間 ブログに出しましたが、昨年、子どものワクチン接種に関して重要な論文が出ました。2008年から19年の間に生まれた米国の子どもで、ワクチンを一つも接種していない561人と一つでも接種した2763人を対象に、ワクチン接種回数と病院の受診率を解析した研究です。その結果、ワクチンの接種回数が多い人はど、様々な病気で病院を受診する回数が増えるという結果が、はっきりと出たのです。
ワクチン未接種の子どもに比べ、接種した子どもでは、アレルギー性鼻炎、貧血、喘息、胃腸炎、湿疹、副鼻腔炎、行動の問題などほとんどの病気で、明らかに受診回数が大きく増えていました。一方、ワクチンの対象となった感染症の発生は確かに減っていました。この論文は、ワクチンを一つも受けていない子どもを含めた初めての本格的な調査と言ってよく、これまでワクチンの副作用が過小評価されていた可能性を強く示唆しています。
鳥集 ブログを拝見しましたが、本当なら驚くような結果ですね。
*2 子どものワクチン接種に関して重要な論文……James LyonS Weiller 詳しくは、本間医師のブログ「自然派医師のブログ」2021年1月27日付「子どもへのワクチン接種の副作用の明確な証拠が論文で示されています」を参照。
本間 しかも、この論文を発表した医師の一人は、医師免許を取り消されています。
鳥集 え、それはデマを流したといった理由ですか。
本間 理由ははっきりしません。しかし、この論文は科学的にはほぼ文句のつけようのない論文です。だから医師免許取り消しは、論文の内容などの科学的な理由ではありません。ワクチンに反対したということだと思います。
鳥集 要するにカルト的なことを言っていると。
本間 イギリスのアンドリュー・ウェイクフィールドのこともご存知ですよね。
鳥集 ええ、「MMR(新三種混合)ワクチンで自閉症」になるという論文を『ランセット』(世界的に権威のある医学専門誌)に出して大問題になった人ですよね。科学的に間違った論文を出したおかげで、それを信じた人たちがワクチン接種をやめてしまい麻しん(はしか)を流行させたトンデモ医者だとワクチン推進派から批判されています。
本間 ウェイクフイールド氏も論文全撤回のうえ、医師免許を剥奪されました。今回の論文はまだ取り消されてないけど、時間の問題かもしれません。
鳥集 どうしてワクチンが、他の病気をつくることがあり得るんでしょう。
本間 すべてが不自然だからではないでしょうか。ウイルスを毒性がないように処理したり、遺伝子組み換えでウイルスたんぱくの一部をつくったのがワクチンです。そのような不自然なものを、不自然なルートで強制的に接種するわけですから、不自然なことが起こっても不思議ではありません。普通、ウイルスは鼻や口、目などの粘膜を経由して入ってきます。ところがワクチンは皮下注射にしても筋肉注射にしても、強制的に無理やり身体の中に入れます。そんなこと自然にはまずあり得ません。
さらに、ワクチンには保存料としてチメロサールという有機水銀や、アジュバット(免疫反応を高めてワクチンの効果を増強する添加物)としてアルミニウム塩などが使われています。一応、安全基準は満たしているとされていますが、赤ちゃんの時からのワクチン接種は1回では終わりません。何回も接種して積み重なっていくわけですから、どういうことが起こるかわかりません。