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シリーズ 「おまえ(ニッポン)はすでに死んでいる」1 ついに、トヨタの販売旗艦点(レクサス高輪店)で起きた大量車検不正は、最後の砦のはずのニッポンの「ものづくり」が瓦解したということだ

 昨日(21年7月20)の夕方、明後日にオリンピックの開会式を目前にしたこの時期にトヨタがこのような「大不祥事」を発表したのは、とにかく公表しておけば、後は「オリンピック」一色にマスメデァが流れるだろうというタイミングを狙ったものだったことは疑う余地がない。その証拠に、昨日のNHKGのニュース7でちょこっと触れられただけで、民放の夜、10時台から11時台のニュースは、東京のコロナ拡大とオリンピック選手に陽性者が出たこと、21日からソフトボールの予選が始まることと、各地で猛暑が続いていることで終わっていた。念のため、各局のその時間帯のニュースを録画して確かめたので間違いない。「トヨタ」のトの字も出てこない。不正の隠蔽を隠蔽する意図が見え見えだが、そのことが「ニッポン」の滅亡の象徴だと気づいた人はそう多くないだろう。

 6月末の三菱電機の40年以上にわたる大量の電車のエアコンのデータ偽装も驚いたが、今回のトヨタの販売旗艦点である高輪店の車検偽装は、それ以上に驚かされた。豊田章夫社長はどうするのだろうか?オリンピックに紛れて、「トヨタ生産方式(TPS)というとても無理な労働環境を労働者に強いておいて、それをクリアさせるために車検不正を強いていた責任をとるのだろうか?トヨタが「オリンピックのCMを降りた」などは全くどうでもいいことだ!!!

 さすが、新聞にはその記事が載っていたので引用する。朝日新聞 7月21日(水)から

経済面から引用

スピード優先 作業省く

トヨタ系車検正「時間が目的に」
 トヨタ自動車の販売店で、不正車検が再び発覚した。早く検査を終わらせるために、法定の検査の一部を不正に省いていた。遠因は、トヨタの基本思想である「トヨタ生産方式」 (TPS)の形骸化だ。作業のムダを省いて時間を短くするはずが、時間を守るため
に作業を省く本末転倒の結果を招いていた。

ムダ省く思想形骸化
 販売店を運営するトヨタモビリティ東京によると、不正車検が見つかった「レクサス高輪」では、車検の納期を「客が店内で待てる時間」として、2時間に設定していた。しかし、法人顧客が多く、売り上げも伸びていた同店は、社員の負担も恒常的に多くなってい
たという。車検は本来、車種や走行距離によって作業時間を工台ごとに変える必要があるが、業務が多い中で2時間という時間を守ることが優先された。このため検査を省く不正行為が常態化していった。
 トヨタモビリティ東京の関島誠一社長はこの日のオンライン会見で、「時間が目的になっていた」と述べ、陳謝した。
 車検不正は3月、トヨタが本社を置く愛知県内の販売会社最大手の一つ「ATグループ」傘下の販売店でも表面化。2年間に受け付けた全車両の検査5158件が全て不正だった。
 店では45分で完了する「45車検」を展開。時間を守るために検査を不正に省くという、レクサス高輪と同じ手口だった。販売店にとって車検は、新車を販売するよりも稼ぎやすいとされ、重要な収入源。関島社長は「(販売店には)ノルマというか販売目標は提示している」と説明した。
 「時間の目的化」が車検不正を招いたことを、メーカーのトヨタは深刻に受け止める。取売店に対して、短時間の車検の導入を推進してきたのが、そのトヨタ本体だったからだ。
 トヨタは1990年代以降、作業のムダを省くTPSを販売店に広げる取り組みを進めた。1日以上かかっていた車検を見直し、最短45分で可能だと判断。(どこをどうしたらたった45分で車検が終わるんだ!!!! 筆者 注)作業の手順を標準化し、全国の販売店に広めていった。
 この日の会見でトヨタ国内販売事業本部の佐藤康彦本部長は、車検不正が見つかった2店舗について、「時間(を守ること)だけが残ってしまった。(事実そうではないか! 筆者注)メーカーとして反省する」と述べだ。
 TPSは、豊田章男社長が「トヨタらしさ」として真っ先にあげるトヨタの基本思想の一つ。それが車検不正と関わるだけに、社内では「間違った解釈で労働強化をするための道具(これも事実 筆者 注)と思われては困る」 (トヨタ幹部)と危機感が強い。ただ、トヨタの販売店の中には今もスピード車検を続ける店がある。再発防止策について佐藤本部長は「年内に方向性を示したい」と答えるにとどめた。(千葉卓朗)

ネットニュースから引用

1年7月20日 トヨタ、レクサス直営店で565台不正車検 人手不足で高負荷
7/20(火) 14:36配信
[東京 20日 ロイター]
 トヨタ自動車<7203.T>は20日、100%子会社のトヨタモビリティ東京が直営する販売店「レクサス高輪」(東京・港)での車検で不正があったと発表した。ヘッドライトの明るさやパーキングブレーキの利きなど一部の検査項目で基準を満たす値に書き換えられていたほか、排ガスの成分やスピードメーターの精度に関する検査を実施しなかった。

 不正のあった対象台数は565台で、不正が確認された過去2年間に検査した全車両台数の約3分の1に相当する。対象車両の顧客には該当項目の再検査を無償で行う。現時点で不正車検による事故や不具合は確認されていない。対象車両は無償で該当項目を再検査する。

 今回の不正は、国土交通省関東運輸局が6月17日に実施した通常監査で5項目の追加調査が行われたことによって発覚。不正に関与したのは検査員4人。車検不正は道路運送車両法違反となる。

 トヨタモビリティ東京の関島誠一社長は同日の会見で陳謝し、不正が起きた原因を2つ挙げた。1つは増加する仕事量に対してエンジニアを中心に人員が不足し、設備の増強が追いついておらず、慢性的に負荷が高い状況が続いていたこと。2つ目は車両の使い方や状態などにより検査の作業時間が変わるにもかかわらず、決められた時間内に車検を終わらせることが目的になっていたことだ、と説明した。

 不正車検を巡っては、ことし3月下旬にも愛知県内の販売店で発覚。2018年12月以降から約2年間に受け付けた約5200台の車検において検査の一部未実施が判明し、トヨタは4月から直営以外の全販売店で自主点検を行っていた。

 会見に同席したトヨタの佐藤康彦・国内販売事業本部本部長は「ネッツトヨタ愛知は45分という短時間で車検を仕上げなければならない。今回のレクサス高輪では2時間を頂いている」と説明。「この時間が目的になっていたことが共通点」と述べ、全国販売店でも同じようなことが起きていないかなど調査を進め、信頼回復を目指すとした。


レクサス高輪で不正車検 「慢性的に高負荷な状況が続いていたことが一因」
7/20(火) 14:18配信
Impress Watch

 トヨタ自動車は7月20日、トヨタモビリティ東京 レクサス高輪で不正車検があったと発表した。今回の不正が疑われるレクサス高輪の対象車両については、担当スタッフから直接連絡し、あらためて該当項目の「再検査」を無償で実施するとのこと。

 指定整備の一部の検査において、基準を満たす値への書き換えや一部の検査を実施しなかった事実が認められたという。具体的には「ヘッドライトの明るさ」「フロントタイヤの角度」「パーキングブレーキの効き」の3項目で基準を満たす値に書き換えられ、「排気ガスの成分」「スピードメーターの精度(誤差)」の2項目で検査を実施しなかった。対象台数は565台に上る。

 以下、トヨタ自動車およびトヨタモビリティ東京からの発表内容を記す。

このたび、トヨタモビリティ東京(株)レクサス高輪におきまして、指定整備の一部の検査において、基準を満たす値への書き換えや、一部の検査を実施しなかった事実が認められました。
レクサス高輪のオーナー様、またレクサス・トヨタ車をご愛用いただいている多くのお客様、ならびにお取引先の皆さまの信頼を損なう結果となり、多大なるご心配とご迷惑をおかけすることとなりましたことを、深くお詫び申し上げます。

 自動車メーカー、自動車販売店として、お客様の安全と安心を何よりも優先させるべきであるにも関わらず、それらを損なう結果となりましたことを、重く受け止めております。
対象となるお客様には速やかにご連絡させていただき、お詫びを申し上げ、再検査をさせていただきたいと考えております。
また、国の認可を受けた指定整備事業者としても、国の検査を代行する責任ある立場にも関わらず、絶対にあってはならないことを犯してしまったことを、重ねてお詫び申し上げます。

 今回の不正は、増加する仕事の量に対して、エンジニアを中心とした人員や、設備の増強が追い付いておらず、慢性的に高負荷な状況が続いていたことが一因として挙げられます。
 また、決められた時間内に車検を終わらせることも、目的となってしまっておりました。一台一台のおクルマには、車種や、走行距離、日々の使われ方や、車両の状態などで、必要な作業時間が異なりますが、当初予定された時間で仕上げることを最優先してしまったために、今回の不正につながりました。

 今後は、必要な人員の増強、サービス機器の更新などを最優先で進め、エンジニアのための十分な休憩スペースを設置するなど、働く環境の改善を実施いたします。
また、安全・安心なクルマの整備に必要な追加作業にかかる時間などを、今後はお客様にしっかりとご説明してまいります。

 そして、経営陣が店舗のオペレーション上での負荷と悩みを現地現物で把握し、店舗における業務のあり方を抜本的に見直すことにより、全員が目指すべきものに向けて一つになれる環境とお互いが話し合える風土を作り上げてまいります。

 メーカー、販売店一丸となって再発防止に向けてしっかりと取組んでまいります。

Car Watch,編集部:小林 隆


ブランド失墜? 慢心? トヨタ直営レクサス高輪が565台の不正車検発覚! 天下のレクサスに何があったのか?
7/20(火) 15:28配信
ベストカーWeb

 2021年7月20日14時、オンライン会見にてトヨタモビリティ東京は、レクサス高輪店が国の車検代行整備における不正を行っていたと発表した。

慢心があったのか?人気のレクサスモデルをチェック!

 トヨタ直営店のレクサス高輪でいったいどんな不正が行われたのか、本日実施されたトヨタの緊急会見の内容を解説する。

文/ベストカーweb編集部

■なぜトヨタ直営店で車検不正が行なわれたのか?

「おもてなし」が有名なレクサス高輪ショールーム。他店舗に対して残業時間が10時間多かったという。6月17日以降、不正車検はないという

 トヨタ自動車によると、2021年6月17日、国土交通省の監査が行われ、5つの検査項目に不正が行われたことが発覚したという。不正車検が行われた車両は全体の1/3(2019年6月~2021年6月)を占める565台で、不正を行った検査員は4名。

 本来実施すべき検査項目のうち、

1/ヘッドライトの明るさ
2/フロントタイヤの角度
3/パーキングブレーキの効き

 この3点について基準を満たす前に書き換えを行っていた。そして、以下2点については検査を実施していなかった。

4/排気ガスの成分
5/スピードメーターの精度(誤差)

 不正車検が行われた原因について、トヨタモビリティ東京代表取締役社長関島誠一氏は「慢性的に不足しているエンジニアをはじめ、増加する仕事量に対して、人員不足による負荷が続いていたこと、車検整備の決められた時間内に整備を終わらせようとするエンジニアの焦りから不正が行われたのではないか」とコメント。

 記者からの質疑応答にて、「過去にネッツ愛知の不正車検事件があったが、それと共通点はあるか?」という質問に対し、同席したトヨタ自動車国内販売事業本部本部長佐藤康彦氏は、

 「ネッツトヨタ愛知では45分短時間車検という時間の制約があった。今回のレクサス高輪についても、車検整備には2時間という制約があり、いかに車検整備を早く済ませるかという時間の制約のなかで不正が生まれた、という共通点があった」

 とコメントしている。

 ※ネッツトヨタ愛知不正車検事件:2020年12月に行われた国土交通省中部運輸局の抜き打ち監査で発覚した(2021年4月発表)ネッツトヨタ愛知の不正車検事件。法令違反の対象車は5158台。

 国土交通省からの処分については、今後行われる見通しとのこと。社内処分については、人員増強や働く環境を改善し、お客様への対応を最優先に行った後に実施されるとのこと。

 トヨタ直営店、しかも旗艦店であるレクサス高輪がこのような不正を行っていたことに驚かされたが、今後の改善の進捗状況を見守りたい。



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