民族

あなたのアイデンティティーは何ですか?

大阪の万博記念公園にある国立民俗学博物館を訪問。先日読んだ本に、モンゴル関連の特別展が開催中と記載があったため行ってみた。展示は100年前と現代を比較するものだったが、空間全体を使った対比は壮大で、芸術性も感じられた。内容からは、都市化がいかに早く進み、その功罪が何なのかを改めて考えるキッカケになった。また社会主義とその解体についても改めて考えるキッカケになった。

さて、特別展のチケットで常設展も入れるということで立ち寄ってみたのだが、展示の多さに圧巻された。ここは地元から近いし、おそらく過去にも来ているのだが、全く記憶に残ってなかった。いかに興味関心が若い頃から変わってきたのかを感じた次第である。

結局、特別展含め、合計で二時間ちょっと歩き回ったが、これだけ多数の人間や民族が歴史を紡げば、当然信仰や信念も変わるだろうことを再確認出来た。多様性の尊重が叫ばれる世の中ではあるが、そもそも世界は元々多様であることが、壮大な展示物からも読み取ることが出来る。一方で、歴史を知ることをせずに、今の状況だけを見て美辞麗句で多様性を語ることは誤解に繋がり、解決にも繋がりにくいことも実感できた。アイデンティティーについても、画一的に決めることは出来ず、歴史が織りなした数々の土台があって、今の時代がある中で、最後は個々の解釈に委ねられてる複雑な概念だと感じた。

博物館が想定外の面積だったため、結局は途中で力尽きてしまった。A〜Cゾーンがあったが、アジア系のCゾーンは眺めた程度で終わってしまったので、後日再訪したい。韓国滞在時に美術館や博物館を何個か回ったことがあるので、双方の国での展示内容を比較したりもしてみたい。久しぶりにまた訪れたい場所が見つかったことは密かに嬉しかったりする。

博物館を後にして帰ろうとしたら、ローズフェスタの案内を発見。多彩な薔薇の花を眺め、匂いを感じることで、疲れも随分緩和された。薔薇の咲く時期はこの数年で確実に掴むことが出来たので、ちょっとした成長や、変化を感じるキッカケにもなった。

2025年には大阪万博が企画されている。聳え立つ太陽の塔を見ながら、人生という短い期間の中でも変化する世の中を感じつつ、悠久の時の中で移ろいゆく歴史を噛み締める。短期と長周期の人々の営みを感じながら、緑の樹々や彩りの花に囲まれた今を眺めることも悪くない。動物と植物だって共存してきたから今がある。そんなことを感じながら、ちょっとした幸せを噛み締める一日であった。

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