誰かが書いた古い手紙
けいたんへ
この前、久し振りにお前の夢をみたよ。
パパに会いに来てくれたんだね。
逝ってから数十年も経つのに、
お前はチットも変わらずに、居るんだね。
けいたんは夢の中でニコニコ笑ってたね。
もしかしたら、
お前が寂しい思いをしてるんじゃ無いかと心配してたので、
パパは嬉しかったよ。
お祖父ちゃんや、お祖母ちゃんも逝ってるし、
けいたんの事を良く頼んでおいたので、
きっとお前のそばに居てくれるんだね。
恥ずかしいけど、パパは目を覚ました時に、
涙が止まらなかったよ。
会いに来てくれたお前が、
もし泣いていたらパパはきっと泣かなかったと思うよ。
笑っているけいたんを見て嬉しくなったんだよね。
それで涙が勝手に出てしまったんだよ。
パパって馬鹿だから、
今お前が居たら何歳になるな・・・とか考えてしまったよ。
だってねぇ、
パパの職場は、お前と同じ位の年齢の人がいっぱい居るんだよ。
その人達と話をしたり、一緒にお酒を飲んだりするのは、
とっても楽しい事だよ。
だから、お前の年齢を数えたりするんだね。
そ~言えば、
お寺でけいたんの居る場所が新しくなっただろ~。
ママもパパも、けいたんとお祖父ちゃん、お祖母ちゃんが、
狭い思いをするのは可愛そうだからって、
お寺に頼んだんだよ。
その時に、
そっちで、小さい子供のお前たちを守ってくれると言う、
お地蔵さんに、よく頼んで置いたよ。
お祖父ちゃん、お祖母ちゃんが居るだろうけど、
それでも何か困った事があったら、
お地蔵さんの処に行きなさい。
パパもママも一生懸命にお願いしたから、
きっとお前の助けになってくれると思うよ。
パパは、何時までもお前の事を忘れないよ。
だから、また会いに来るんだよ。
けいたんへ パパより