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Photo by
lahainanoon
俳句 地元を詠む
啄木鳥の孤孤孤孤ダム湖静まりぬ
かの山の秘密の沢の山葡萄
二千二十年 四月
網走湖氷落ちれば波きらら
この春は事も無しかな常呂川
春の雷仁頃山から転げたり
切り過ぎのコクワの芽吹き妻躍る
二千二十年 五月
花辛夷盆地周りの白き染み
神遊ぶ大雪山や初夏の池
デゴイチの化粧直しや春の空
夏始北見盆地の空円し
夏空の抜けたる碧よ北見富士
無加川の柳青葉よ頭首工
青柳ゆるりタプリと常呂川
二千二十年 六月
青鷺の脛まで濯ぐ小町川
夏草にミンクの走り小町川
なにくれと北見の夏は眩し過ぎ
蝉の声六花亭の甘味処
武華岳の麓より流る岸青葉
蕗の下神のフリして犬二匹
暑さに喘ぐループ式跨線橋
IZMなる床屋談義や夏最中
二千二十年 七月
海霧や漁夫の銅鑼声オホーツク
海霧や湿原の果て摩周湖へ
夏霧の知床峠帰り来ぬ
青鷺の沈思されたる小町川
洞爺湖の千々に煌めく夏の月