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宮島未奈『実家が北白川』がもりみーワールド過ぎる
小説新潮2025年1月号に掲載された宮島未奈さんの短編小説、『実家が北白川』があまりにももりみもりみしてたので書く。
すでにお分かりだろうが、私は森見登美彦氏のファンである。小説家の中で一番好き。推し。それを踏まえて読んでいただきたい。
私は普段、文芸誌はあまり買わないが、今回の小説新潮は短編宝箱という特集で、宮島未奈さんや辻村深月さんが短編を書き下ろしていたので購入した。
宮島未奈さんの短編が『成瀬は天下を取りにいく』『成瀬は信じた道をいく』の続編であると聞き、特に楽しみにしていたので、まずそのページから読むことにした。
目次でページ数を確認し開くと、「京大、こたつ、鍋」という文字列が真っ先に目に飛び込んできた。え?と思いその文字列からさらに先へと進むと、「とある作家」「達磨研究会」と目につく。
え、これは?と困惑しつつページをめくると、ついにはっきりと「森見作品」と書かれた文が目に入り、わっとなって本を閉じた。
え?宮島未奈の短編で?成瀬の続編で?森見作品???と首を捻りに捻りつつ、でもそういえば成瀬は京大だもんな…と思い、とにかく一旦心を鎮めて、改めて本を開く。
ここに驚きの心の声を延々と綴ると内容を激しくネタバレしてしまうため述べられぬのが残念だが、あまりの森見濃度の濃さに卒倒しそうであった。心無しか文体まで森見作品のようになってきている気がする。
読み進めていてこれは本当に成瀬の続編なのか…?とだんだん不安になってくるも、ちゃんと成瀬の続編だったので安心し、数倍得した気持ちになった。
小説新潮の定価は1100円だが、実質ゼロ円になった瞬間だった。
ちなみに、小説新潮はもう2月号が出ている。もしこの記事を読んで1月号買いたい!と思った方がいても、書店にはもう2月号が並んでいると思われる。
感想を書くのが遅すぎて大変不甲斐ない気持ちである。
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