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夢への門扉

夢の場所は
進化を続ける


「秘密の花園」の門扉は狭い
なぜなら

やさしさにとんがった場所だから

あなたの
やさしさだけが、入れる場所

あなたは
やさしい世界の住人になる

やさしさだけが、入れるのだけど
やさしさは、やさしいから

やさしさ以外のあなたの手を
きっと、引いてくれる



「夢」

叶ってる
叶え中

終わってない
拡がっている


夢の先にある夢は?

叶って終わり、の夢なんてなくて
叶わないから終わり、の夢もなくて


夢への道の、上に立つ
夢と“私”は、繋がっている

マーブル模様の拡がりのように
スライムのような、ゆっくりとした粘度で

夢への道は
より濃く、より深く

夢へと“私”を、繋げてゆく


たくさんのリボンを投げる
世界と繋がりたくて

四方八方へと拡がるリボン
届いたり、届かなかったり

けれど
足元のリボンはふかふかに


ふかふかの苔
庭園

紅い鳥居をくぐって
足裏を守りながら、進む


腐葉土ぎっしりの竹林
籾殻の山

落ち葉敷き積もった山林
足裏の感触は

子供の頃に憧れた
ハイジの眠る乾草のベッド


引き出しの中に隠された
カビだらけの白パンだって

詰め込まれていたのは
やさしさ以外の何物でもなくて

モミの木の音に聞き間違えた
馬車の轍(わだち)

記憶の想起は、再会のきっかけだから


夢へと投げたたくさんのリボン
足元のそれはふかふかで

優しく足裏に揺れて支える


夢は終わらない
夢は拡がる


緩やかな坂道
緩やかな螺旋階段

栄螺堂のからくり
袖振れあう瞬間瞬間


夢を上る

時々振り返って
誘う


「此方(こちら)へ」


女主人は進み続けて
その瞬間瞬間の

立ち止まった場所に、現れる


それは
女主人の夢の場所

親しい人の集う
やさしい人の集う

やさしい場所
やさしいおもてなし


女主人は
じっとすることなく

進み続けて
望む夢の場所を「求め」続ける


そうして立ち止まって
振り返る

微笑む

誘う


「此方(こちら)へ」


女主人の門扉は狭い


今「何処に」あるのか
「何時」開くのか

女主人にも
解らないから


女主人は「何時も」誘う

「其処」に必要なものは何だろうと
探しながら

探し疲れて躓いたら
足元のリボンに埋もれて眠る

ハイジの乾草のベッドのように
お日様を取り込んだ暖かさのままに

お日様と乾草の香りのままに
大きく息を吸い込んで


また立ち上がる
誘うために

沢山の
大好きな人たちと

集うために
もてなすために

女主人が
女主人である所以は

一歩先に歩みを進めて
「私たち」の未来を

体現して魅せてくれているから


「此方(こちら)へ」


夢の場所は進み続ける
女主人の歩みとともに


「此方(こちら)へ」


誘いの声の聞こえる範囲も
少しずつ拡がってゆく

女主人の望むままに


「此方(こちら)へ」


聞き逃さずに
機会逃さずに

その門扉をくぐって進む


女主人の門扉は狭い
それは

女主人が
私たちのほんの少し先を

登り続けてくれているから

夢の場所は
進化し続ける


Y様
長い時間をお待ちいただき本当にありがとうございます

もうひとつの、少し未来へ視点を上げての物語です

初めてY様に出会った時は
ボタニカルで白いワンピースの似合う少女のイメージで

この物語を想った時、思わず出てきた「女主人」という言葉
未来のY様の振り返る立ち姿に魅せられての物語になりました

Y様の夢の拡がりをこれからもどうぞ
私たちに魅せてください。



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