二重の極みの理屈 | 森田一郎の毎日戯文 #128

毎日戯文とは

ドーモ、森田一郎です。

読者の皆様におかれましては、かめはめ波を出そうとしたり、波動拳を出そうとしたり、スカイラブハリケーンを蹴ろうとしたり、それはもう、幼少期には色々されたことだろうと思います。

森田は「るろうに剣心」直撃世代でしたので、二重の極みの練習を、いっときは拳から血がにじむまでやっておりました。

当然、お袋は「うるさいので止しなさい」と言うのですが、私は「本当に二重の極みが出たら家がブチ壊れるので困るから邪魔しているのだ」と解釈して、こりもせずに柱やテーブルをガダゴン、ガダゴンとやっていたのでした。少年よ、うるさいより家がブチ壊れる方が問題だろう。

まあ、ご想像の通り二重の極みを習得する日は来なかったのですけれども、今あの理屈を考えるとすごいなあと思います。

まず、なんだか物理学っぽい説明を盛り込んだのがすごい。たしか「物体に与えた衝撃が跳ね返ってくる間にうんぬん」みたいなお話だったのですが、画力、そして技を授けてくれるキャラクター「安慈」のかっこよさと相まって非常に説得力に満ちて見えたものでした。

今になって冷静に考えてみれば、「それ、電マとか一定の周波数より早く動くアイテムが全部殺人兵器にならねえ?」と思うのですが、当時の私にそんなことは関係なかったのです。ガガゴン。デガゴン。一郎!やめなさい!

まったく、無知とは至福であります。今では大人になり、あのような無垢なる情熱はすっかり失ってしまいました。しかし、今でもあれはいい思い出であります。さて鉄球を回すので本日はこの辺りで失礼します。

ええ、なぜ回すのですって。ご存じない?世の中には「回転の力」というのがありましてね、ジョジョの奇妙な冒険という漫画に出てきまして。これは無限の力なのですよ。よろしければ私がお教えいたしますが。ええ。ああ。そうですか。またあした。

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