リアルに今の記憶を保ったまま子供に戻ったら | 森田一郎の毎日戯文 #197

ドーモ、森田一郎です。

「大人の時の記憶を保ったまま子供に戻ったら?」という題材は、しばしば創作で取り上げられます。そうなった人はだいたい、事故で死んでしまった友達を助けようとしたり、ひどい言葉を投げかけたあとに急逝してしまった家族と打ち解けようとするものです。

しかし、森田には特に「あの時に戻ってやり直したい」という意欲がありません。「もうしゃーない」と思っている上に、もう一度対処するのが億劫だからです。そんな森田が記憶を保ったまま子供に戻ったらリアルにどうするか、考えてみましょう。

まず、大前提としてカミさんと娘にもう一度巡り会えるかどうかが不安で気が気でなくなり、その後は「もう一度カミさんに出会うためにはどうしたらいいか」ということが人生設計の軸になるでしょう。また、たとえふたたび子供をもうけたとして、それが息子なのか娘なのか、娘だとして同じ娘なのかという点を考えると、興味深いながらも不安で死にそうになります。ヤバいすげえ怖くなってきた。これは一旦忘れよう。

中学生頃に戻ったら。とりあえずお袋と相談して生活環境の改善に取り組みつつ学校にしっかり通って勉強するでしょう。あと発達障害に関する医療はマスト。二十歳頃に急逝した親父とはきちんと連絡を取るでしょう。意外と気にしてんな親父のこと。

小学生頃に戻ったら。まあ学校に行くのはいいとして、そもそも肉体への適応に時間がかかりそうです。急にズバっとリーチが短くなるわけで、取ろうとしたものに届かないとか、タイピングにも影響がでそう。急にデカくなるわけではないので何かに手足をぶつけることは少なくなりそうですが、歩幅の問題で人や物に衝突する可能性には気をつけた方が良さそうです。あとは親父とお袋の喧嘩の仲裁に入るでしょうか。ただ、離婚して良かったか悪かったかは判断つかないので、その時の状況を見て熟慮したいところです。

さて、一気に赤ちゃんに戻ったら。とりあえず赤ちゃんの脳で今現在の私と同じ思考ができると仮定しますね。まずは一刻も早く母乳回避に向けて動くでしょう。「母乳はやめて」という言葉を赤ちゃんの口ではっきり発声できるよう躍起になることでしょう。さすがに32歳の意識で授乳は避けたい。誰が咎めるでもないが本当に避けたい。あ、筆談という手もあるな。

いずれにせよ発声はマスターするとして、適切に要求を伝えられるよう「おなかすいた」「排泄します」「眠いです」「お風呂に入りたいです」あたりを練習するでしょう。あとは早い所自由に立って移動できるようになりたいものですが、あんまりにも筋肉などが発達しすぎると、逆に赤ちゃんとしての発育に支障をきたさないか心配です。あと、もっと早期では首据わってないの忘れて動き回ると首をやりそう。

戻ってすぐの指針としてはこんなところでしょうか。赤ちゃんにされた場合の落胆具合はものすごいでしょう。とにかく32歳の授乳は避けたい。

皆様も子供に戻った時のために、シミュレーションを是非どうぞ。

またあした。

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