二人の名優が“大阪”を演じるドラマ「破門」「螻蛄」(疫病神シリーズ) | 森田一郎の毎日戯文 #73
ドーモ、森田一郎です。
今日はNetflixとかでも見られるドラマ、「破門」「螻蛄」(疫病神シリーズ)について語ろうと思います。
こちらのドラマは北村一輝さんと、濱田岳さんのダブル主演となっております。北村さんが、「凄まじい美貌と人間離れして美しい肉体と、破滅的な性格を持ち合わせた美極道」、濱田岳さんが「サイコ味と常識をいい感じに持ち合わせた、のんべんだらりとしたゆるかわチンピラ(一応カタギ?)」というプラチナコンビでやっております。やっているんだ。いわゆるバディものです。
この時点でわかる方は既にNetflixで検索して視聴開始しているか、あるいはなんか入会手続きみたいなことをしているとおもいますが、続けます。
この物語の舞台の中心は、「大阪」です。そして、何よりこの主演のお二方が、めちゃくちゃに「大阪」なのです。
ウェットさとドライさの間で揺れ動いたり、挨拶代わりのカジュアルな暴力であったり、“ナポリタン伸びる”に代表される、「言うてる場合か」というジョークであったり、何気ない会話の間にふんだんに散りばめられたウィットであったり、「グルメ番組か」と言いたくなるほど頻繁に入ってくる美極道とゆるかわチンピラのうまそうな食事シーンであったり。
とにかく「ああ、私が大阪に受けてきた洗礼って、ほんまこんなん」という要素がてっぺんからケツまでミッチリ詰まっとんのや、ほんまやで、おっちゃん嘘だけはつけへん、おっちゃんが言うんはいつでもおっちゃんにとっての真実や。君にとってどうかはわかれへんけど。
特に暴力に対するフランクさや、弛緩した/緊張した場で繰り広げられる掛け合いは、大阪のアウトサイダー(名古屋出身)でありながら17年をこの地で過ごした私にとっては、まさに大阪のエッセンスそのものなのです。
そして、それを大阪の化身として画面に実体化する北村一輝さんと濱田岳さん。北村一輝さんは大阪府大阪市出身(Wikipedia調べ)だそうでこちらは納得なんですが、濱田岳さんがよくわからない。東京都出身(Wikipedia調べ)なんだそうです。関西弁というのは非常にハイコンテクストで、特に本シリーズの濱田岳さんの役については「ネイティブ大阪人のおもろいやつの総体」としか言いようがなく、17年の月日をここで過ごした私でさえ真似できない、ギャグやイントネーション、間のとり方といった要素が満載なのです。
濱田岳さんがうんこもらすくらい恐ろしい才能を持っていらっしゃるとしか考えられません。それでいいじゃねえかもう。すげえよ。
褒めの気持ちが先走っており、いささかとっ散らかって作品の魅力が伝わっていない気がします。
まあ強引にまとめますと、疫病神シリーズは、現人神ならぬ現人阪神が、大阪を上質なエンターテイメントとして届けてくれるすごい作品ということです。あと北村一輝さんは永久に見ていられますね。さっき一度沢村一樹さんとtypoしたけど。
えー、以上です。ここまで全て私の主観による感想文でありますので、どうぞサパっとお忘れになって、「破門」から是非一度ご覧になってみてください。
またあした。