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51歳で実現!英検1級への長い道 ⑧「あー、おまえはもうええ」

高校1年時、英語担当の教師Tさんは
(友人たちとの会話ではTと呼び捨てだったが)
短髪角刈り、黒縁メガネ、いつもジャケット姿。
こてこての関西弁で展開する授業は
クオリティはともかく、強烈なインパクトがあった。

「あんな奴に習うたら、広島弁の英語になってしまうわ」
大阪の名門進学校・府立大手前高校時代の出来事を
ベースに執筆された三田誠広さんの小説『高校時代』。
教壇に立つ広島弁の英語教師に対する不満をもらす生徒のセリフ。
正確ではないが、おおよそこんな感じだったと記憶している。

「あんな奴に習ったら、関西弁の英語になっちゃうよ」
三田さんの小説に感化されてこんな芝居がかったセリフを
自分が発したかどうかは記憶にないけれど
小説で三田さん本人をモデルとする主人公が
教師にかけられた言葉が、自身の体験と重なったことは覚えている。

ある日英語の授業中に、教師の質問に前の列から順に当てられ
自分の番がきて身構えていると、主人公はこう切り捨てられる。
「ああ、おまえはもうええわ」
実際に、自分も同じような状況の授業でこう扱われた。
「ああ、おまえか。おまえはもうええ。その次、後ろ」

まあ、それほどに高校1年時に英語の成績はふるわず、
遠い記憶だが2学期の中間テストでは“赤点”の24点。
この頃は高校入試の時点と違って、
英語だけが突出して悪かったのではなく
5教科でも合計130点か140点という超低空飛行。

11月頃、担任による個人面談で
「毎日10分でも机に向かいます」と宣言したものの
クラスですっかり定着してしまった
大学進学なんてありえないほどの落ちこぼれ、という
イメージはその先もずっとついてまわることになる。

英検受験なんて、1ミリも考えていなかった頃のお話。
                                                                    (続く)
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もちろん帰国子女ではなく、
海外在住はおろか短期留学の経験すらない、
いわゆる「生粋のド純ジャパ」。
そんな昭和のオジサンが悪戦苦闘しながら
51歳で英語検定1級に合格する道のり。
勉強法や試験本番の情報も参考になれば嬉しい限り。

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