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#22 後世への最大の贈り物
前回の記事で、あるおさしづを通して、先人先輩方の今まで通られてきた歴史を知ってお陰を感じ、自分も次の世代により良い歴史を遺していきたいと、思ったと書きました。
この記事を読む前に、ぜひご一読下さい。
前回の記事は、少し前に読んだある本の内容と繋がっていると感じました。
それは、内村鑑三の『後世への最大遺物・デンマルク国の話』という本です。
内村鑑三は、キリスト教の思想家であり、伝道者です。歴史の教科書の「不敬事件」で有名な方です。
この本は、キリスト教徒夏期学校での講演の記録です。
この本では、人間が生きる上で後世に何を遺すことが大切かについて説かれています。
宗教は違いますが、信仰者として、また、人が生きる上で大切なことだと感じます。
お金、事業、文学、思想、と後世に遺すものを順番に挙げていますが、これらには、良い面と悪い面もあり、最大遺物とはいえないと語られています。
それらに対して、誰にでも遺すことができ、利益ばかりあるものを「後世への最大遺物」として紹介しています。
誰にも遺すことができるところの遺物で、利益ばかりあって害のない遺物がある。それは何であるかならば勇ましい高尚なる生涯である
内村鑑三は、後世への最大遺物は「勇ましい高尚な生涯」を生きることであると言われています。
そして、その後に、
神が支配する世の中であるということを信ずることである。
(中略)
歓喜の世の中であるという考えをわれわれの生涯に実行して、その生涯を世の中へ贈物としてこの世を去るということ
と、語られています。
お道の教えに置き換えてみると、
この世は、親神様の天地抱き合わせの懐で生かされていることを信じ、その喜びをおたすけとして実行し、教祖のひながたを辿る。
その生涯を次の世の中への贈り物として、現世を去るということだと思います。
教祖はまさに、書物だけでなく、勇ましい高尚な生涯を「ひながた」としてお残しくだされたと思います。
そして、お道は出直しの教えなので、自分を含めた今までの生まれ変わり出変りの中で積み上げられた遺物の上に生かされているのかもしれません。
今日も勇ましい高尚な生涯の一歩を歩んでいきたいと思います。
この本は薄い本なので、ぜひ読んでみてください。特に、歴史家の「トーマス・カーライル」の話が良かったです。
最後までお付き合いいただきありがとうございました。