「習い事」という話
「習い事」という話
習い事の月謝は新札がマナーだとか。
私見――習い事に新札(ピン札)ですか。昭和じゃああるまいし……。
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ただ、予定されていることは、きちんとしておこうというのが日本人の美学です。
少なくとも一昔前まではそう教わったものです。
「予定されていること」=「吉事」です。
反対は「予定できないこと」=「凶事」です。
吉事をきちんとしておくことで、凶事にそなえておく(用心しておく)という話です。
日ごろから真面目にしていれば、些細な雑事で心をいたむこともないでしょう。
たとえば、結婚式の披露宴に招待されたときに古札わたさないでしょう?
同じように、吉祥に連なることを習うなら礼儀として弁(わきま)えておくものと存じます。#習い事に新券
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それを弁えて、先生としては「まあ初回ぐらいは気合い見せろよ」と言いたかったのかもしれません。
私のように「金は金やろ」人間からすると「どーでもええやん」になりますが。
古札でも、扇子(せんす)おいて盆(ぼん)に帛紗(ふくさ)で渡しはったら、伝わるんちゃうかなあ。それで外に言う先生はおらんやろし。
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礼儀ってありますからね。特に習い事の場合は。
どのような経緯で、そうした状況(シチュエーション)になったかは分かりませんが、先生がそう言ったのなら、それが事実なのでしょう。
今の時代、そんなに事細かく言うことはありませんから、他の原因があったのかもしれません。
cf.
「まあ赤ちゃん、女の子ですか?」→「男の子ですか?」と聞いて女児だった困るので。
「頬(ほ)っぺたプニプニ、かわいいお手手(てて)」→女児の容姿がそれなりの場合。#富士フイルム
たとえば、親が習い事に積極的だけれど子供に向上心がなかったとか?
あからさまに「金を払っているんだから神様だ」的な言動があったとか? #joke
また、先生のほうにも根本的な原因があるかもしれません。
高位者はだいたい偉そうにしているものです。理不尽を言うものです。
それがその世界(業界)のルールになっています。それによって、その世界は守られているとも言えます。
もっとも、刑法上の罪にあたるようなことはありません。
あったとしても身内の罪は隠すのが世界のルールです。#joke
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弟子の準備が出来た時に、師匠は現れる。多くの良き指導者は、オッカムの剃刀で自身を切らぬように教える。
弟子の準備が整うと、すぐに師匠はあらわれます。何故(なぜ)なら師匠はずっと探しているからです。弟子は「何を準備しなければならないか」を及第してのち、師匠に出会います。
その世界を知るためには、弟子は師匠の力添えで扉を開かなくてはなりません。
弟子が一人で扉を開くことはできませんし、師匠が開いてやることもできません。
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コレ実は、弟子が初めて出会う師匠は「師匠見習い」です。
順番にすると次のようになります。
【0】見習い(何もできない)
【1】弟子(不安定な技しか使えない)
【1】師匠見習い(確実に技を使える/弟子を探している)
【2】師匠(弟子を量産&弟子から師匠見習いを育成/見習いの保護)
師匠見習いが弟子をとると、師匠(仮免許)として弟子と共に成長します。
運命の約束事【1】師匠見習いは、たいていは一番目の弟子に裏切られます。
運命の約束事【2】師匠の後継者のうち一番目と二番目は消えてしまいます。
これはどのような世界でもおおよそこうした結果になります。
cf.
映画『スター・ウォーズ』
『エピソード4/新たなる希望』(1977年)
『エピソード5/帝国の逆襲』(1980年)
『エピソード6/ジェダイの帰還』(1983年)