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「正義という先入観」という話

「正義という先入観」という話

正義って何でしょうね。

平和を祈りつつ、少し考えてみましょう。

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ようこそ。門松一里です。静かに書いています。

"という話"は、調査資料(エビデンス)を使った「思考の遊び」――エンタテインメント(娯楽)作品です。※虚構も少なからず入っています。

※本当はノワール作家です。

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《倒叙記述(パラグラフ・ライティング)》

私は倒叙(とうじょ)記述で書いていますから、題名で答えを述べているのですが「正義」は単なる先入観だと考えています。

倒叙とは「叙述を倒す」と書きますが、順に流れる時間とは逆に遡って書いています。
※この場合の「倒す」とは「ヒックリ返す」です。

たとえば、探偵小説では「探偵が登場したときには犯行は進行あるいは決行されていて、読者は犯人が誰か分からない」のですが、倒叙(ネタバレ)で記述すると「犯人の犯行を読者は知っていて、探偵がどう解決するのか」が楽しみになります。

前者では「ワクワクドキドキ」がありますが、途中で犯人がバレてしまうと面白くありません。#犯人はヤス

また、アリバイやトリックなどの隠蔽(いんぺい)工作が拙いと興ざめしてしまいます。

一方、後者では誰が犯人かはっきりしているので、読む側としては楽です。

ですから、学術的な文章――たとえば論文は倒叙記述(パラグラフ・ライティング)で書かれることが必須になっています。

〈倒叙記述(パラグラフ・ライティング)の成り立ち〉

慶應義塾大学文学部の井上逸兵教授によると、英米系社会言語学はアメリカ合衆国が起源であるものが多く、1960年代くらいに社会系の学問が発達してきたそうです。学問としては非常に新しい分野です。

出自や思想が違っている社会の中で言葉がどういう風に用いられるか、言葉は人の社会生活の中でどういう働きをしているのかを考えるのが社会言語学です。

1960年代のアメリカ合衆国といえば(独断と偏見がありますが)エリック・ホッファーでしょう。

ベトナム戦争があり、ボブ・ディランがいました。

公民権運動も本格化している時代にお気楽ヒッピーがいました。#裸のランチ

キング牧師やマルコム・Xも同じ時代です。

レイモンド・チャンドラーもダシール・ハメットも過去の人です。

もう泥沼のような大変な時代です。

相手のことを理解しようとしても、最初に結論が欲しくなるのは当然でしょう。

銃を突きつけられて「話せば分かる」はありませんから。

最後まで聞いてもらえないので、先に結論を言わざるをえなかったのです。

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正義は単なる先入観

さきほど括弧書きで「正義」としたのは、必ず先入観があるからです。

たとえば、ロシア連邦のウクライナを侵略したのは、悪です。

けれど、ウクライナをまったくの正義とは定義できないのです。

この場合の正義は、キリスト教的な一方的な「正義」だからです。

欧米の正義と日本の正義は違う

欧米が普遍的にもつキリスト教的な一方的な「正義」は、日本人が考える一般的な社会正義とは異なります。

この「日本人が考える一般的な社会正義」にも偏見があります。

正義の味方というと弁護士を考えてしまいますが、弁護士は依頼人の利益で動くので「まったくの正義ではありません」よ。

悪徳弁護士というくらいですから、いちおうは正義の味方ではありますが……。

そう考えると税理士のほうがよほど正義の味方です。
※そもそも理念や管轄が違うので並べるのは正しくありません。

キリスト教の正義

キリスト教は唯一神ですから必ず一方的な「正義」です。

自分が正しいことをしていると確信しています。#確信犯

相手にとって悪い事をしていても、全然そんなことを気にしません。

いわゆる「正義の鉄槌(てっつい)を下す」わけです。#ハンマー

キリスト教的には、イスラム教の国から聖地エルサレムを奪還する十字軍が「正義」です。

第1回十字軍は世紀末から百年、1096年から1099年です。

当時のイスラム教の国は互いにもめていました。

攻め時です。

ですから、第1回十字軍は成功しました。

プーチン大統領の頭の中はコレかもしれません。#blackjoke

まったくの否定はできないでしょう。現在でもEUやNATOは一枚岩になっていません。
※ロシアとウクライナが兄弟国家であるように、キリスト教とイスラム教は同じアブラハムの兄弟宗教です。#アブラハムの宗教

オバマ大統領は、クリミア併合のあとにロシア連邦に融和政策をしました。

箱庭で小人が人殺しです。

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レジスタンス運動

「正義」の占領軍に抵抗するのが、レジスタンス運動です。自由フランスが有名ですね。

第二次世界大戦の独ソ戦では、赤軍パルチザンやウクライナ蜂起軍が活躍しました。なお、ポーランドのレジスタンス運動はまた別の機会に話しましょう。

ゲリラ戦によって、正規軍が翻弄されました。

ドイツ軍はかなり手を焼きました。

これはどのような国であれ大変です。

ですから、米国特殊部隊は「抵抗活動作戦」(Resistance Operating Concept)というマニュアルをつくりました。

https://www.youtube.com/watch?v=Sr21TTrPxVQ&t=2955s

ベトナム戦争ではかなり苦労しましたからね。#blackjoke

さて、抵抗運動をされる側の正規軍としてはどうでしょうか。

誰がレジスタンスか判断できないのですから、疑わしい人物は尋問するしかありません。

戦争犯罪と法の遵守

過度な尋問が拷問になるのはよくあることですが、それは戦争犯罪です。

侵略国が犯罪を行っていることは事実でしょうけれど、侵略を受けた側がまったくしていない「完全な正義」だとは考えないことです。

犯罪の疑いがあり、それが立証された場合は、どのような国であれ人であれ、裁判によって裁かれるべきです。

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