成功と幸福
世の中には、成功を夢見る人は、たくさんお見えになります。。
また、成功すれば幸福になれると、思われる方も、多くお見えになります。
ここで大切な事は、成功と幸福を混ぜてはいけないという事です。
成功には一般的なものであり、量的に考え得るものという事が三木清さんのお考えです。
成功とはみんなが入手可能な存在で、単位が決まっていて、その単位の物をたくさん獲得する事が、成功であり幸福とはこの逆だと考えれば大方間違いないように思います。
三木清さんも幸福は各々とかかれています。
信用経済という考え方が、今は主流になりつつあります。
これは、FacebookやTwitter、YouTube等、SNSと呼ばれるインターネット上での道具を使い、沢山のフォロワーを沢山集めることにより、その人に信用が生まれてくるという発想です。
最近ではインフルエンサーとも呼ばれています。
インフルエンサーになる事にで、より多くの方から多くの「良いね」を集め、集めた数字に信用をもたせて、企業から広告依頼が来たり、コンピュータが自動で広告をつけて、収入を得たりします。
昔人間の私には、想像ができない世界です。
この場合は、「良いね」が量れる単位になります。
そして、その「良いね」がお金を生みますので、次の単位として「円」がでてきます。
どちらも良くわかる単位で、これらをたくさん集めた人を、SNSの世界では成功者と表現されます。
ただ、ここで問題なのは成功者には、常に嫉妬をする人が出てきます。
同じ様に頑張ったのに、結果が出せなかった人や、単に羨ましいからという人達です。
お経にも「無対」という言葉があり、、他人と比べて自分の物事を量る行為に意味は無いとあり、そういう人は、どのみち成功は遠く難しいと思います。
成功を欲しがるのであれば、比べて嫉妬する前に、成功者の自分ができそうな良い部分を盗み、自分に加えていく事の方が近道です。
成功とは、誰もが分かる、量的な世界で結果を出して行く事です。
幸福は、成功とはかなり違います。
成功が一般的で量的な物に対し、幸福は自分自身の価値観が基準になりますので、量的なものではありません。
浄土三部経の一つである仏説無量寿経にも無量という字が含まれています。
無量が成功ではなく、幸福を表現する言葉として訳せば「仏が説明する幸福に気付くお経」と訳しても、少し無理は感じますが、問題はないように思います。
人に嫉妬をする事は、決して美しい姿ではありませんが、嫉妬する思いを糧に、努力するのであれば、特に悪い事とは思えませんし、推奨するべき行為だと思います。
人は、心の移ろいの中で生きて往く存在です。
次から次へと生まれてくる、いろいろな気持ちと、どう向き合うかが大切だと思います。
また嫉妬など、時の感情で他人に攻撃を行ったとしても、そこには良い人生は無く、自らの人生を汚しているだけです。
幸福とは存在であり、一般的な尺度は無いので、各々の人格に任されています。
なので、人格を磨く事が、幸福を得られる近道なのかもしれないですが、成功も最後は人格です。
二つの、有量の世界にある成功と、無量の世界にある幸福。
どちらも、うまくいく秘訣は人格を磨く事なのかもしれません。
合掌
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