ホンダトモアキ

愛知県で僧侶をしております。 今後の事を考えている中でネットを見て初めてノートの存在を知りました。 何周遅れの存在かわかりませんが、色々試してみたくなり登録をしました。 おかしな事を書くかも知れませんが、お許しください。

ホンダトモアキ

愛知県で僧侶をしております。 今後の事を考えている中でネットを見て初めてノートの存在を知りました。 何周遅れの存在かわかりませんが、色々試してみたくなり登録をしました。 おかしな事を書くかも知れませんが、お許しください。

最近の記事

修行のすすめ

お釈迦様はスジャータからの牛乳粥をいただき体力を回復させました。 その後、菩提樹の下に静かに座り多くの魔物と戦いながら四十九日目に悟りを開きます。 以前に書いたように、お釈迦様にとってスジャータとの出会いがあり、牛乳粥を受け取る事が無ければ、お釈迦様は悟りを開くことはなかったと思います。 スジャータを代表として普通に生活をしている人たちが居て、普通に体調が悪い時に口にするお食事が、悟りを開くことの起点になったとすれば、世間と離れた特別な場に身を置き、修行を行う事に疑問が湧いて

    • お釈迦様の人生5           空気を読まない代表 お釈迦様

      お釈迦様が(棄国財位)国の財産や地位を棄てて修行に励み、六年の歳月が過ぎた後、この文字が出てきます。 今回は、国を棄て王位を捐て(すて)とあります。 前回は、「国の」と訳されていますが、今回は「国」そのものも捨てております。 そもそも、この六年の間にお釈迦様に何があったのかが、お経の中では略されています。 お釈迦様はお城を出る時には、幾人かの家来をお供に連れて出ているそうです。 何となく出家という言葉から想像すると、私は昔のアニメの「一休さん」を思い出してしまいます

      • お釈迦様の人生4 出家(棄国財位)

        お釈迦様は二九歳の時、一三年間に及んだ結婚生活の終止符を打つ決断をいたします。 仏説無量寿経には、二つの棄国という言葉があります。 最初に出てくるのが「棄国財位」です。 廃棄の棄なので必要が無いものとして、財産、位と表現されています。 ここでの国は、財と位の基礎を表しています。 「真宗聖典」という我々の教科書にある現代語訳では、「国の財と位」とあり、財は財産とか有価証券、国の位は位(くらい)とか肩書として解釈する事が自然だと思います。 ちなみに、お釈迦様は家族の同

        • お釈迦様の人生3 結婚生活

          お釈迦様は16歳でヤショーダラと結婚をしております。 そして、一人息子として「ラーフラ」を授かりました。 我々の考える、一般的な価値観でお釈迦様の結婚生活を見れば、それなりに幸せな充実した時間を過ごす事ができたはずだと考えられます。 それでも、お釈迦様は、思春期に出会った沙門の姿に、どこか心を惹かれる中で、日々を送られたそうです。 沙門に憧れる自分と、次期の王様として国民を守る義務を課された自分とが対峙する、相当辛い日々を送られていたのかもしれません。 私の好きな歌

          引きこもり

          引きこもり お釈迦様は思春期に、引きこもりになったと言われています。 原因は、他の命を殺す事で命をつなげている自分の姿に、気が付いたとも言われています。 諸説ありますが、当時引きこもりになれる、恵まれた環境があった事が大切だと思います。 学校を英語ではスクール(school)と書きます。 ギリシャの言葉でスコーレ(schole)という言葉が語源だそうです。 スコーレとは余暇とか余裕という、働かなくても良い時間を表現します。 つまり、考える事、学ぶ事ができる人は、生活に余裕や時

          お釈迦様の人生

          お釈迦様というと、素晴らしい人生を送られた方のイメージが強いと思います。 それだけでは無く、仏教という宗教を始められた、凄い方のイメージもあります。 でも、本当に素晴らしい方という、一面だけを見る事でよいのでしょうか。 お釈迦様の生涯を一人の人間の生涯として、今の自分に照らし合わせる事により、自己肯定感を持つこと、自分らしく生きる事の応援ができればと思い書いてみました。 ①生まれ お釈迦様は、今から約2500年位前に、インドの北部でお生まれになりました。 お父様のお名前が浄

          お釈迦様の人生

          これでいいのだ

          十月に入り、早い物で一週間が過ぎました。 いつの間にか、セミの鳴き声を聞く事は無くなり、音の主役は鈴虫に変わっていました。 季節とは、絶対的に固定されるものではなく、感覚の中で移ろい往くモノの様です。 有り難い事に、私の山では、今年も大量の栗が収穫出来ました。 人は川の流れの中に浮く小舟の様な物と、古より表現されています。 正信偈にも「信楽易行水道楽」とあります。  この句はインドの哲学者、龍樹の段に書かれています。 インド人も日本人も同じ様な感性を持つ人は居るのかと思うと、

          これでいいのだ

          正しい使用法

          八正道という教えが、仏教にはあります。 これは、下記の八個の正しい行いをする事で、涅槃を獲られるとされています。 ただ、私には涅槃自体がふんわりしており、よく分かりませんので勝手に「気付きの暮らし」と定義し、考える様にしています。 (正見)正しい見解(正思)正しい思考(正語)正しい言語(正業)正しい行為 (正命)正しい生活(正精進)正しい努力(正念)正しい想念(正定)正しい精神統一 総てに「正」という言葉が頭に付きます。 そして正しいという意味を私は、浄土三部経の中にある「

          成功と幸福

          世の中には、成功を夢見る人は、たくさんお見えになります。。 また、成功すれば幸福になれると、思われる方も、多くお見えになります。 ここで大切な事は、成功と幸福を混ぜてはいけないという事です。 成功には一般的なものであり、量的に考え得るものという事が三木清さんのお考えです。 成功とはみんなが入手可能な存在で、単位が決まっていて、その単位の物をたくさん獲得する事が、成功であり幸福とはこの逆だと考えれば大方間違いないように思います。 三木清さんも幸福は各々とかかれています。 信用経

          幸福論

          玉置浩二さんの歌に「メロディー」という歌があります。 多くのミュージシャンが歌われており、私もこの歌が好きで、時々、織田哲郎さんが歌われている動画を聴きながらお参りに行きます。 歌詞に メロディー泣きながら  僕たちは幸せを見つめてたよ とあり、この歌詞がすごく好きです。 私達は、幸せを笑顔が溢れる時間とか、楽しく充実した今に求める事が多いと思います。 この歌の、泣きながら、幸せを見つめるとは、今ではない時間差の感じを受けます。 仏の「おはたらき」をお経では光と表現します。

          悪人正機

          沈黙は金、雄弁は銀という海外の諺があります。 ネットで検索しましたが、金と銀では当時の価値から優劣を語る内容が書かれていましたが、文化の違いもあるので、結局どちらも大切な気がします。 日本語には「言わぬが花」とか「口は禍の元」いう諺がありますので、やはり黙って済ませれる事は、黙って過ぎる時を待つのも大切なお作法なのかもしれません。 先日、不正の内容で書いたものをアップしました。 文字を書いた以上、たとえネット上という仮想世界であったとしても、その世界にも書いた人の責任

          因果応報

          「不正」 最近ニュースで、この文字を見る事がありました。 私は不正という文字をみると「STAP細胞論文」の事を思い出します。 私は学問とは縁遠い存在ないので、論文の立ち位置や、その際に使われている用語については全く知りませんでした。 当時は特に何も考えずに、何故あんなに一人の女性を攻撃するのか、理解できませんでした。 論文の場合は、合っていない事が不正であり、化学実験等の場合には証明できる確立も大切な様です。 以前に学者をなされている方とお話をした時にも、不正は悪

          善く生きる

          善く生きる この言葉はソクラテスが遺された言葉の一つです。 ソクラテスはよくわからない罪で死刑判決を受け、脱獄を勧められても一切受け入れませんでした。 ソクラテスは人生で大切な事は「善く生きる」事であり、そのため、善くないと判断したことはしませんでした。 因みに、善く生きるとは「ためになる生き方」とアドラー心理学で有名になられた岸見一郎さんは解説されています。 五逆という言葉が仏教にはあります。 殺(父、母、羅漢)傷(仏)破(僧伽)の五つです。 見落としがちですが、まずは仏教

          好奇心

          「私は何も知らない」 この言葉は、ソクラテスが遺された、とても有名な言葉の一つでです。 ソクラテスは、1対1の向き合った会話の中から答えを探し出して行く、問答法という手法を大切になされていたそうです。 私が子供の頃には「一休さん」というアニメがありました。 今も、放送されているかもしれません。 このアニメでは一休さんが、お師匠様や先輩の僧侶、将軍様、桔梗屋さん等、大人の難解な問題に、頓智で対抗するアニメでした。 改めて大人になって思い直すと、生意気な子供に大人がお付き合いをし

          無正解の今

          私は僧侶という立場から、お葬式に立ち合う事が多い立場だと思います。 お葬式では、縁があった多くの方々が、お亡くなりになった方を「仏様」としてお参りします。 お葬式を執り行う事で、初めてお別れする覚悟ができるのだと思います。 お葬式について、様々な意見がある事は私も知っております。 お墓についても同じです。 私達は、自分の意見や考え方を容易に手放す事はできません。 人が持つ自我のというものは、物事を時に厄介な状態にしてしまいます。 以前にも書きましたが、仏様は「気付き」を促す存

          自分らしく

          「パイドン」という名の本があります。 著者はプラトンです。 プラトンと言えば、ソクラテスの一番弟子の様な方です。 パイドンという本は、ソクラテスの死刑が執行されるまでの間に、牢獄で語り合った方々の代表者のお名前です。 ソクラテスの死刑は有名ですが、何故死刑になったのかは、私には良くわかりません。 丁度、ホリエモンやリクルートの江副さんが逮捕されたのと同じで、良くわからないというのが本当なのです。 ソクラテスの死刑理由はざっくりと表現すれば、ソクラテスを嫌いな、権力