「新しい日常」を組織に定着させることは、新たな組織文化をつくること
今週木曜日の話。
近所の区の施設(ヘッダーに映っている「めぐろパーシモンホール」)で1回目のワクチン接種を終えて帰宅したら、看護協会からメールがきていた。
10月に行う、看護副師長の方々を対象にした「元気になろう 副看護師長」交流会のサブタイトルに関する相談を求めるもの。とりあえず実行委員会では、仮の案として「withコロナ時代におけるポジティブマネジメント」を考えたが、グループワークの前の講演のタイトルが決まっていたら教えてくれとのこと。
もうちょっとヒネリが欲しいね、ということになったんだろう。
そういうわけで、
というサブタイトルを考えてみた。
「新しい日常」を入れたのは、以前のメールに「コロナ感染を「新しい日常」と受け止め、その中でどのように自分の役割を遂行するかをテーマにグループワークをしていきたい」との趣旨が書かれていたから。
この「新しい日常」という言葉は、英語の「ニュー・ノーマル」を日本語にしたもの。
もともとは、リーマン・ショックをはじめとする金融危機後の構造変化を経た「新たな常態」「新たな常識」をさしていたが、2020年のコロナ禍を経た後の「新しい生活様式」「新しい日常」を意味する言葉として使われるようになり、「新しい日常」が定着した。
「ノーマル」は正常で、「アブノーマル」は異常。
そういうことになるのは、「ノーム」という言葉に「規範」という意味があるから。「規範」どおりなら「正常」で、そこから外れていれば「異常」。
「規範」を文化人類学的に定義すると、適切な行動や望ましい行動が何かということについて、いろんな人が無意識に共有している価値観やルールのこと。規範は、ある行動が「自然」なこと、「当たり前」なこととして感じられる土台をつくり上げる。
だから、コロナ後の新たな看護提供体制を、「自然」なこと、「当たり前」なこととして捉えるモノの見方を、チームや組織のメンバーが無意識に感じられるようになるためには、「新しい日常」の中でやるべきことを、新たな組織文化としてつくり出し、定着させ、深めていかなければならない。
そのためには、中間管理者のリーダーシップが重要な役割を果たすことになる。
でも、価値観やルールをメンバーが「無意識に共有」する状態を生み出すためには、指示命令型のリーダーシップではうまくいかない。
だから、「組織にポジティブな感情を育み、感情と行動を深く結びつけ、常に大きな全体とのつながりを意識しながら、対立や葛藤を乗り越えてメンバー同士が主体的に協働する環境づくり」を主眼にすえたポジティブ・マネジメントが必要になってくる。
という意味をこめての、「withコロナ時代の「新しい日常」をチームの「当たり前」にするポジティブマネジメント」というサブタイトル。まあ、これだけでは伝わらないだろうけど。
ちなみに、ここで行っている中間管理者交流会は、今年で5年目となる毎年の恒例行事。
前日に静岡入りして、前の晩は「さわやか」で、げんこつハンバーグを食べる、というのがこれまでの日常だったけど、2020年は新型ウイルスの感染拡大を受けて、Zoomによるオンライン交流会に。
2021年こそは、静岡でげんこつハンバーグを食べるぞ、と心に決めていたけど、今年もまたオンラインでの交流会となったのが残念。
こういう「新しい日常」は、「当たり前」になってもらいたくない。