～第240回～「四方拝と歳旦祭」

2025年1月18日 15:05

一月一日の早朝、天皇陛下が宮中の神嘉殿南庭で伊勢の神宮、山陵および四方の神々をご遙拝になります。

この一年で最初の行事を「四方拝」と言います。

また同日、三殿で行われる年始の儀式を「歳旦祭」と言います。

四方拝は平安時代初期より続く行事で、神話に由来する皇室の祖先神・天照大神以来の皇統の正当な「世襲」継承者というお立場で行われる、非常に重要な祭祀です。

「両段再拝（りょうだんさいはい）」という特別な作法で拝礼をされ、陛下御自らが年災消滅、五穀豊穣を祈られます。

天皇陛下がご遥拝になる神々は、伊勢神宮（内宮・外宮）、天神地祇（すべての神々）、神武天皇陵、先帝三代の陵、そして武蔵国一宮氷川神社、山城国一宮（賀茂別雷神社と賀茂御祖神社）、石清水八幡宮、熱田神宮、常陸国一宮（鹿島神宮）、下総国一宮（香取神宮）です。

武蔵一宮氷川神社が武蔵国のみならず、国の幾久を祈るために重視すべき存在であることがうかがえます。

また当社では一日に歳旦祭を行い、年頭にあたり新年を祝い一年の国家安泰、五穀豊穣、氏子崇敬者の繁栄を祈願します。

新年、皆様それぞれの抱負を抱かれていることと存じます。

皆様が無事に過ごせるよう、我々が暮らす日本が平和であるよう、氷川神社は1日から祈りを捧げております。

今までも、これからも、その祈りは変わりません。

令和六年から令和七年へ。

氷川風土記をいつもご覧いただきありがとうございます。

今後も武蔵一宮氷川神社や地域の歴史などを言葉で紡いでまいりますので、引き続きよろしくお願い申し上げます。

〔 Word : Keiko Yamasaki Photo : Hiroyuki Kudoh 〕

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