~第85回~「大湯祭がはじまります」
武蔵一宮氷川神社では11月30日から12月11日まで「大湯祭(だいとうさい)」を斎行致します。
11月30日より、神職は12月10日の本祭に向け神社に籠り潔斎をし、境内に篝火を焚き、祭儀を毎夜執り行います。
以前は釜で湯を沸かし、その湯により清めを行ったことから、「大湯祭」と名付けられ、氷川神社の特殊神事の中で最も著名なものです。
「武蔵州足立大宮氷川太明神縁起之書」によれば、至徳二年(1385)12月10日に干柴薪を焼いて炉壇のようにし、これを踏む火剣祭礼を行ったとあります。
江戸時代・延宝年間(1673~1681)の社記には、すでに「大湯祭」の記述があります。
いずれにせよ古くから行われて来た祭事です。
また、10日の本祭にあわせて酉の市がたつ為、十日市(とおかまち)・大宮熊手市ともいわれてきました。
歳の瀬に新年の準備をするための市場も立った大湯祭は、大宮の人々にとって冬の風物詩です。
なお本年は、11月30日から神社の熊手、縁起物を授与します。
12月10日は午前8時半から午後7時まで、廻廊内や宗像神社の島内に授与所を開設し授与します。
境内の熊手屋は10日午前8時半から午後7時までの営業です。
※本年は新型コロナウイルスの感染の状況を踏まえ、熊手市のみ開催(例年より規模縮小)します。飲食の露店の出店はありません。
〔 Word : Keiko Yamasaki Photo : Hiroyuki Kudoh 〕