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~第188回~「蘇民祭とスサノオノミコト」

先日、岩手県奥州市に伝わる「黒石寺蘇民祭」が、来年2月を最後に1000年以上の歴史に幕を閉じることが報道され話題となりました。
https://kahoku.news/articles/20231205khn000037.html

このお祭りは旧正月の日に五穀豊穣などを願い行われてきましたが、新型コロナ後、2023年に3年ぶりに開催されたものの、関係者の高齢化や担い手不足から今回の決断に至ったとのこと。

蘇民祭は岩手各地に伝わっており、「岩手の蘇民祭」として国の選択無形民俗文化財に選択されています。
各地の行事次第はほぼ共通しており、「厄年の人や一般祈願者が褌姿で川で禊ぎをし(裸参り)、次いでヒタキノボリ、ベットウノボリ、オニコノボリなどの諸行事の後、蘇民袋が持ち出されて駒木と袋の争奪戦が行われ」ます。(参考/文化遺産オンライン)

そのような蘇民祭ですが、「蘇民」は氷川神社の御祭神・スサノオノミコトの神話に登場します。
スサノオノミコトへの信仰が東北でも定着し、そして「蘇民祭」という文化に発展しました。
【第2回「茅の輪神話」】https://note.com/ichinomiyahikawa/n/nb6b1ea86eac4

黒石寺の蘇民祭は来年以降、現在の形での開催を終了しますが、令和7年(2025)より旧正月行事として護摩祈祷のみを継続されるとのことです。
形は変化すれども、願いの心は今後も地域で大切に受け継がれていきます。

全国に伝わるスサノオノミコトへの祈りはこれからも、地域それぞれの願いと共にあり続けます。
今年もあと少しとなりました。
蘇民がスサノオノミコトを助けたように、来年も誰もがお互いを助け合える一年でありますように。

〔 Word : Keiko Yamasaki Photo : Hiroyuki Kudoh 〕


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