未就学児や小学生の生徒さんのレッスンについて 2

本人の意思で受講される大人や中高生の生徒さんと違い、未就学児や小学生の生徒さんの場合は受講動機は様々です。本人の意思の場合もあれば、友人の誘い、ご家族の希望の場合もあります。
いずれにしてもこの年齢の生徒さんがレッスンを受けることになった場合、私達は音楽講師以前に大人として接したいと考えていますし、過度に子ども扱いしないように心がけています。

音楽、楽器の演奏は絵画や塑造といった芸術分野と異なり、身体性を持ちます。
この点においてスポーツと似た部分があります。自分の納得のいく演奏をするためには楽器や身体を意のままに操る訓練をしなくてはなりません。
ゆえに、出来なかったことが修練を積むことで出来るようになる、という小さな成功体験を積み重ねて自己肯定感につなげていくことができます。

逆に言えば、練習しなければ上達しません。
レッスンを受けてから次のレッスンまでにどれくらい練習するのか、どういう心算で練習にのぞむのか、もしくは練習しないのか、それはどれだけご家族の協力があっても最終的に決めるのは生徒さん本人です。
全く練習せずにレッスンに臨んで辛い思いをするという失敗もまた１つの経験です。
発奮して練習し、私達講師が考える以上の演奏を見せてくれて褒められるのも良いでしょう。
どちらにしてもその選択・決定にあった態度で講義したいと考えています。

練習の量、時間は結果に対して絶対的で裏切りません。
どんなに質の低い練習でも量を増やせば結果は向上します。
質の高い練習をすれば短い時間でも良い結果を出せるかもしれませんし、質の高い練習を多い量でできれば尚良いでしょう。そのためには練習方法の工夫だけでなく、集中力を高めることや日常生活のマネージメントが必要になってきます。
（もちろん、レッスンではより質の高い練習ができるように、練習方法も教えています。）

未就学児や小学生のレッスンでは、これらの小さな選択や決定とそれによる結果を身をもって知るという経験がとても価値のあるものだと思っています。

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