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滝と裸体。上田義彦の新作『Máter』をめぐって/一日一微発見332
作品「Máter」は、ラテン語で「母」や「源」という意味だ。木で作られた特製の額に、小さな写真が2枚とりつけられて構成されている。
まるで、かつて試みられた「立体視」の装置みたいだ。
ともに闇の中での撮影で、見ていると、何か世界の秘密をかいま見ているような気分になる。
僕は小山登美夫ギャラリーでこの作品を見る前に、その一部を上田さんのご自宅に行った時に拝見することができて、とても強い印象をおぼえた。
写真は「真実」を写すものだという意識は、社会全体のデジタル化の流れの中で、極めて流動的なものになった。
しかし、それは写真が誕生して以来つづいてきた「かけがえのなさ」を喪失させ続けているが、あらためてに「写真に何ができるか?」という問いを人につきつけることになった。
再編・再生・新生である。
僕はそのことをポジティブに考えている。
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