「女は女、女は女…」(ヴェニスとチューリヒで見た3つの展覧会をめぐる)/一日一微発見337
「Eine Frau ist eine Frau ist eine Frau...(女は女、女は女…)」というのは、スイスのアーラウの美術館で見たグループショウのタイトルだった。
ヴェネツィアビエンナーレでディレクターのセシリア・アレマニによるキュレーション(出展アーティストのうち女性が80%を越す)を見て、そして昨日はチューリヒのクンストハウス(デビッド・カッパーフィールド設計による新館に初めて行った)で、ニキ・ド・サンファルの痛快なまでの大回顧展を見ていたので、女性を全面に押し出した展覧会の3つ目ということになる(グッゲンハイムでみた「シュルレアリズムとマギカ」を入れると4つなのだが、とりあえずここでは3つだけ)。
アーラウガー美術館での展覧会はスイス生まれか、関わりの深い作品(例えばフィオナ・タンがスイスのアルバム写真をリ・エディットしたもの)に限られていて、その丁寧なキュレーションの手つきは、会場をまわっていても心地よかった。
確かに「女は女、女は女…」というタイトルは、つい先日自死したゴダールの映画「女は女である」とすぐに思い出せた。
ゴダールのそれはアンナ・カリーナを主人公とする「コメディ」と名うっていたように男にとっての女の存在を批評的に見ていたし、男にとってのアメリカ映画のクリシェの引用がちりばめられたものだった。
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