新読書術・『新古今和歌集』というエディット/一日一微発見234
僕は日本の古典文学に詳しいわけではないが、あるアーティストとコラボレーションの仕事をするために『新古今和歌集』を毎朝早く目覚めた日に読みこみ、セレクトしている。
僕が和歌をセレクトし、その歌をモチーフににして絵が描かれるという趣向であり、オーソドックスなアイデアではなくて、かなりポストモダニティな展開にしようと相談しているのである。
和歌や短歌の心得はまるでない。
しかし、日本は「歌」を選び、編集するということにおいて、世界に類を見ないほどの「編集力」を発揮してきたのだと痛感する。
『新古今和歌集』は1980首に凝縮され構成されているが、すでに編まれてから800年以上たっている。しかし、それらをたった今でも読めるし、心情を共有できる。生きた美学も、引き継がれていくのである。
そんなものをエデットして後世に残すというミーム編集力に驚かされる。
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