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大山エンリコイサムの『ストリートの美術』は、この10年におこったペインティングの、最良の「再生の記録」だと思う/一日一微発見111

人間のアート、とりわけビジュアルアートに対する姿勢は、とてもコンサバティブである。

目は、常に新奇なものを追い求めるくせに、目と頭脳との間に背反があるのか、すぐに「見たことがある」だの「古い」だの、パターン認識が邪魔をし、素直に表象に触れない。

おまけに、そのようなアポリアが、美術史に反映しているということを、美術史家の誰も、認めようとしない。

美術史的には、60年代後半に近代絵画は行き詰まりミニマリズムに達した。そして、ポップアートやコンセプチュアルアートへとシフトしたことに「なっている」。絵画の終焉とすら言う人もいた。

しかし、都合よくいかないのは、ヒストリーやセオリーが声高に断定したとしても、絵画は恐竜のように全滅してはくれないということ。

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