IN&OUT of TOKYO 06「開かれた編集へ/若木信吾とのig liveの時のメモ」/一日一微発見125
写真家・若木信吾とつきあいはもう25年以上だろう。
彼がアメリカのロチェスターで写真の勉強をし、NYから帰ってきた時に会って以来だ。
ずっと前に、信吾の「おじいさん」(写真集の被写体としても有名)が生きている時に、急に信吾が「おじいさん」にインタビューしてくれと言い、浜松にやってきたことがあった。
その時より以前は、『独特老人』に収録したくて、作家・藤枝静男宅を訪ねたことがあるだけだ。
藤枝さんは、志賀直哉の流れを継ぐ自然派文学なのに、彼の作品は、特異で、とりわけ『有紳田楽』は、僕が一番偏愛する作品だ。
しかし、僕が藤枝さんにインタビューしたいと思った時には、時すでに遅しで、お宅を訪問したものの、もはや藤枝さんは昇仙間際で、誰が誰だかわからない状態だった。
それが、浜松にはじめてやってきた体験だった。
月日はたち、2016年に、彼が浜松市立美術館で大規模個展をやることになり、彼は僕にキュレーションを依頼してきてくれた。
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